こんな僕でも一級建築士に合格できた

こんにちは、ブログの人です。しばらく音沙汰なかったので、本当にバンコで刺されたかと心配かけたかもしれません。生きています。そしてなぜか受かりました。→合格通知も届きました

下手に騒ぐと「採点ミスでやり直し」とかなりそうなので、細かいところは触れないでおこうと思います。発表された標準解答例を見て、いくつか思いついたことを書きます。

やや的中!プールは1階でもOK

今年の標準解答例は、なんとなく2案とも多数派のプール2階。せいぜい配置が縦か横かの違いになると思っていた。

しかしふたを開けると解答例の①が、まさかのプール1階。そして②にいたっては、あれほど悩ませたエントランスが1個しかなく、しかも桜並木を外して北を向いている。(よく見たら②は南西にも風除室があった。角にあるのも斬新だ)

とりあえず「解答例のどちらかはプール1階」と適当に言っていたのは当たった。しかし「3階プールも含めて3案発表される」という予想は外れた。さすがにそこまでサービスはしてもらえなかったようだ。

プールの設置階だけでなく、解答例①を見れば見るほど、なぜか故郷のスポーツ施設を思い出すような懐かしさを覚える。

  • プールは横置きで南東配置、上部はトップライトのみ
  • エントランスは西と北の2方向
  • カフェおよび屋外テラスは、並木も公園も見える南西側

2~3階の配置はあべこべだが、1階プランは自案とかなり似た感じだった。

もしかすると国交省の巨大学院対策本部、通称「巨学対」チームの人が、ブログを読んで解答例を調整してくれたのかもしれない。JAEICにラインで情報提供したのも、好意的に受け止めてもらえたのだろう。試験後の悪あがきも無駄ではなかった。

ついに示された、防火と延焼の「考え方」

今年の標準解答例の特徴は、まず図面以外の注釈の多さだ。

冒頭の但し書きに「延焼のおそれのある部分」「防火区画」の「不十分な回答が多かった」としたうえで、右下にびっしり説明が書いてある。気になる延焼ラインと防火区画、さらに「敷地内の通路」の考え方まで、法規の出典や具体的寸法を示して説明している。

冒頭の「今後の学習の参考としてください」という受験生に歩み寄った姿勢に、なにか新鮮な印象を受けた。「製図試験は採点基準を明確にしてもらわないと勉強しようがない」とさんざん嘆いていたが、こういう形で具体的な指針を示してもらえるのは歓迎だ。資格学校の不明瞭な指導方針に頼らなくて済む。

延焼ラインのうち、南側の歩行者専用道路が不問とされたのはサプライズだった。大手校の解答例でも、軒並み南のラインは想定されていた。自分は単に時間切れで書けなかっただけだが、これでひとつ減点を免れたと思う。

標準解答例のレベルが低い?

今まではスクールの答案例より、試験元から出る標準解答例の方が参考になると考えていた。予備校は本当の採点基準を知らず、経験から生み出された仮説にすぎないからだ。

しかし今年のスポーツ施設解答例を見ると、去年のリゾートホテルのように、すっきりと腑に落ちる感じがしない。大まかな部屋の配置は問題ないとして、②のエントランスだけでなく、細かいところに違和感を覚える。

たとえば①の1階利用者階段出入口が、なぜか風除室脇の幅2mもない、くぼみに面している。隣接するエレベーター出入口と衝突するのを避けたのかと思ったが、2~3階は普通に東に向いている。

「風除室の横」はデッドスペースなので、利用者動線を考えると券売機も置かない方がいいと考えていた。しかし模範解答では、なぜかいちばん人通りの多そうな利用者階段の出入口が設けられている。最低限バリアフリーな幅はありそうだが、どう見ても不便だし避難の際にも妨げになりそうだ。

細部を見ていけば、ほかにも不思議なところがいろいろ出てきそうに感じる。しかしここで、「標準解答例は最低限の合格レベルを示す資料に過ぎない」という点を思い出した。

試験後に各校から出される解答例を穴の開くほど研究したので、知らない間に「合格水準はすごく高い」と思い込んでしまったのかもしれない。両者を見比べると、標準解答例よりスクールの答案例の方が平均的にずっと良くできていると思う。

合格率は平年並み

今年の製図試験合格率は例年並みの41.4%。昨年の37.7%に比べると、大幅に上がった印象だ。たとえ3%の違いでも、約9千人いる受験生の中から270人の運命が変わる。

去年の異例づくしだったリゾートホテルに面食らって、本来の実力を発揮できないまま終わった人も多かったと思う。それに比べて今年の課題は楽だったと言われるので、未完も少なくハイレベルな勝負になると予想された。

学歴や職務内容のほか、受験者の「受験回数」というのは公開されていない。製図試験の実受験者数は去年より多いが、3~4年前よりは減少傾向にある。ただ、なんとなく今年の試験会場では、昨年リゾートホテルで苦杯をなめたリベンジャーが多かったように感じる。

統計的には過年度生の合格率が高いといわれる製図試験。もし去年落ちた3%分、2回目の受験生が多く参戦していたとすれば、初年度生には厳しい戦いだったのかもしれない。

2年勉強して良かったこと

今年は前回の眺望指定のように、明らかに失格と思われる条件がなかった。12月まで期待しながら合格発表を待っていた人が多いと思う。自分も昨年の今ごろは悔しい思いをしたので、気のきいたことは言えそうにない。

2年間の受験勉強を振り返ってみて、ひとつだけ「良かったかも」と思えることがある。製図試験を2回受けたおかげで、リゾートホテルとスポーツ施設というビルディング・タイプについて、机上の理論を学ぶことができた。

犬小屋すら設計したことがないのに、プールの構造や設備については自信満々で語れる自信がある。もし「温水プール付きのリゾートホテル」なんてコンペが出たら、実績がなくても応募してみたい。