製図試験が終わって2日目。あらためて問題用紙を見直してみると、本番中は気づかなかった必須事項の記入漏れに気づく。これまでの分析から、エントランス方向やプール設置階の一発アウトはないと思うので、むしろ細かい減点の積み重ねの方が心配だ。
最後の5分は見直しに時間をとれたのに、頭が働かず植栽やテラスの目地を書いて終わってしまった。今さらながら延焼ラインや避難経路の図示など、見落とすと減点が大きそうなミスを発見しては落ち込んでいる。
試験後の記憶が新しいうちに、本番で失敗した点をメモしておこう。これと結果のランクを照合すれば、今年の採点項目が何となく推測できるはずだ。→合格しました
面積関連
- 建蔽率オーバー?計算式は誤魔化したが、見破られるか?
- 床面積の合計値は範囲内であっていると思うが、計算式を間違えた
例年なら即失格級のランク4圏外。今年の落とし穴はプール設置階でもエントランス方向でもなく、建蔽率70%の縛りだろう。
避難関連
- 敷地内避難通路は一切未記入。北側隣地空きは3m確保したが、西側は5mあるものの屋外テラスで途中封鎖
- 余計なアースチューブが避難通路に出っ張っている
避難経路の重複距離が2・3階とも1/2以上
※勘違いしていたようで、重複30m以内なら問題ないらしい- 1階プールから直接外に出られる非常扉を設けなかった
敷地内避難経路は段抜きで言及されていたので、見落とすとかなりやばそうだ。要求図面のリストで記入が求められていたのに、一切気づかなかった。
(ある場合のみ)ということは、「ない場合=存在しない」とみなされるのだろうか。幅3mの空きがあっても不可?また、西側の余白をテラスでふさいで歩行者専用道路に出られなくしてしまった。北側から迂回すれば東側道路に避難できるが、そんな好意的に解釈してもらえるとは思えない。
延焼ライン・防火区画
- 延焼ラインと防火設備は北側のみ記入。西と南は対象開口部多数だが点線もマル防も未記入
- プールの竪穴区画、機械室扉にマル防書き忘れ(更衣室と管理廊下はOK)
延焼ラインと防火設備も事前告知の重要項目なので、これも書き忘れると減点が大きそう。
構造関連
- 1階プール下、独立基礎のフーチング底面はGLマイナス3mで地下水位無視
- プール以外の部分はベタ基礎(経済性無視?)
- プール・機械室とも1階配置で配管が非効率?
基礎構造はまったく自信がない。記述でも奇妙な説明を堂々と書きまくった。
要求室・特記事項記入漏れ
- プール用の空調機械室を設置せず。機械室と混同して、そこからプール用DSを伸ばした
- プールの幅10mを1.5m削ってスロープと階段をねじ込んだ(バリアフリーで加点か、条件無視で減点か?)
機械室が狭すぎるのはおかしいと思ったが、「任意に空調機械室を追加してよい」というアイデアに気づかなかった。せめて最下欄の倉庫やゴミ置場と同様に、空調室も「適切/適宜計画する」と書かれていれば、対応できたと思う。
空調室の「多目的スポーツ室用に設ける」という特記で、ほかに作ってはいけないと思い込んでしまった。
要求室の床面積
- プールが要求面積450㎡より10%以上少ない
- 機械室が要求面積80㎡より10%以上少ない
- 健康相談室が要求面積40㎡より10%以上少ない
- ダンススタジオとコンセプトルームは要求面積100㎡より10%以上多い
- カフェと厨房の面積が40席にしてはやや狭い
- 事務室の面積が4人利用にしてはかなり狭い
全体的に部屋の面積を合わせるより、間仕切り壁をグリッドに沿わせる方を優先させた。各部屋の面積は10%以上前後したが、その代わりプランの見た目はすっきりできたと思う。
要求室の設置階間違い
- 電気設備スペースを3階屋上でなく1階屋上(2階床レベル)に設けた
今年の試験で「設置階が指定された要求室はない」と思ったのだが、ひとつだけ怪しいのがあった。
一番下の電気設備スペースが要求室特記事項で「屋上に設け、…」となっており、さらに右側の要求図書特記事項で「3階平面図には、…屋上の電気設備スペースの位置(点線で表示)」と書いてある。両者を勘案すると、電気設備は平面図にあらわれない3階屋上に設けて、いつもの地下室のように3階プランに点線表示するのが穏当だ。
かなり細かい点なので、試験後3日経ってからようやく気づいた。3階屋上でもよかったのだが、わざわざ1階機械室の屋上に電気スペースを置いたのには理由がある。
まず、管理部門事務室から電気設備スペースへの動線は短い方がいいと思った。急に停電して非常用発電設備を始動するとか、受変電設備のメンテをするのに、3階屋上に向かうよりは2階からアクセスできた方が便利なはずだ。「設備機器の搬出入及び更新」にも若干プラスな気がする。
また、今回の電気設備は機械室から分離してわざわざ要求されているので、「3階屋上に上げるより2階平面図にしっかり描いておいた方が目立つはず」と単純に思った。
あとから考えると墓穴を掘った感じだが、せめて「3階プランに点線がないから欠落」と勘違いしないでもらえるとありがたい。
バリアフリー関連
- プールの足洗い場にスロープを設けず
- 更衣室AB内に車椅子用スペースを設けず
課題文にはバリアフリー対応の具体的指示がなかったので、任意でどこまで対応すればよいのか不明。やり過ぎても減点にはならないと思うが、まったく対応しないのも不利な気がする。
記述
- 全体的に説明不足。行の半分は空欄
- 基礎構造と基礎底面の説明が意味不明
- 上下足の履き替えスペース、下足入れを一切設けず(健康増進部門の階別ゾーニングのみ)
下足入れや履き替えスペースは要求室に指示がなかったので書かなかった。ただし記述で説明が求められていることから、図面には下足入れを明記するのが主流なようだ。
プランの整合性、見た目
- 2・3階の廊下幅が7mもあり無駄に広い
- 1階の管理廊下がクランクして不細工
- プールサイドの幅が採暖室側2m、更衣室側5mでアンバランス
- 管理階段から屋上に上がる部分に「2回転」書き忘れ(3階は6m階高なので必要)
階段の段数間違いは「上下階の不整合、階段の欠落等」に該当し、「重大な不適合」とみなされる可能性がある。管理階段の一番上で目立たない部分とはいえ、失点が大きいかもしれない。
その他
- カフェから屋外テラスに直接出られる出入口を設けず(動線に配慮せず)
- 多目的スポーツ室3階設置で階高4+4+6+α=14.7mとやや高い(斜線制限あり?)
- 建築物の出口▲と通用口△の表記を混同(問題文を読み直してもよくわからない)
- 吹抜けに手すり書き忘れ(断面図には書いた)
- 記述も図面も字がすごく汚い、自分でも読めないくらい
さあどうでしょう?
去年はランク3で蚊帳の外だったから、せめてランク1・2の最終判定まで残れるといいなあ。タイルの目地には自信があるので。