一級建築士の受験業界。大手予備校をスポーツマンガにたとえると?

製図試験直前の緊張をほぐすため、どうでもいい与太話を考えてみた。

2年間も製図試験に関わっていると、受験業界の勢力図のようなものがわかってくる。大手予備校の課題にはそれぞれ特徴があり、評価基準についても独自のポリシーを持っているように見える。

今年の課題はスポーツ施設なので、各スクールの特徴を某自転車マンガにたとえて表現してみよう。来年一級建築士の受験を検討している方は、ご参考にどうぞ。

ついでに目を通せた課題の中から、「おもしろかった要求室名」のランキングも考えてみた。味気ない試験勉強で受講生をなごませようと、各校ともユーモアのある設問を用意してくれている。課題を解きながらニヤニヤしてしまった受験生は、きっと自分だけでないはずだ。

ツール・ド・製図試験

予選の学科試験を経て、インターハイの製図試験を制するのはどこだ?

  • 総合資格=ハコガク
    スポーツマンガに必ず出てくるエリート常勝校。メンバー全員が基本課題も変則課題もそつなくこなせるオールラウンダーで隙がない。学費は一番高いが、今年もやはり最有力優勝候補の最強王者。
  • 日建学院=京都伏見
    全国No.2の実力を持ちながら、なぜか大穴狙いのリスクテイカー。カリスマ講師が発案した変態課題になぶられ続けた結果、受講生はサプライズな心理戦にめっぽう強い。勝利のためには多少の反則行為も辞さない、ハングリー精神あふれるダークヒーロー。
  • TAC=総北
    大手三校の中では学費が安く、貧乏学生に人気が高い。今シーズンはひたすら地味なローラー台練習に徹してきたので、型にはまればそこそこ活躍できそう。いかにも熱血主人公とクールなライバルがいそうな学校。
  • 建築士会・個人塾・通信教育=広島呉、熊本台一
    大手校同士の潰し合いなど、レースの展開によっては見せ場をつくれる可能性あり。ときどき表に出てきては、ストーリーのマンネリ化を解消する名脇役たち。
  • 独学組=学連選抜チーム
    多分ムリ。来年の練習のつもりで雰囲気だけでも楽しもう。

製図試験ラストステージは、上位4割にどれだけの合格者を送り込めるかという団体戦になる。母数が多い方が合格者数シェアでは有利だが、スクール内の合格率も重視される。チーム戦と見せかけて評価は個人ごとなので、メンバー間の助け合いやドラフティングは禁止だ。

今年のプールは標準タイプでTACが善戦するのか、それとも変則パターンで日建が圧勝するのか?どちらに転んでも、例年通り多数の合格者を送り込んできそうな総合資格…日曜11時の課題発表が今から楽しみだ。

おもしろかった室名ベスト3

以下は完全に余談。今年見た課題のなかで、思わずほくそ笑んだ要求室の名前を挙げてみようと思う。

  1. ヘルスケアホール(TAC課題8)
  2. だれでも更衣室(日建課題3B)
  3. 趣味室(TAC課題7)

ランクI  略してはいけないヘルスケア部門

1位は個人的にツボにはまったTACの「ヘルスケアホール」。理由はここでは説明できない。

TACの前半課題は第3の部門名が健康増進部門だったのに、なぜか途中からヘルスケア部門に変わってしまった。某講師の監修が入ったのだろうか。気になって仕方なかったのだが、最後の親玉が課題8のホールで噴き出した。

課題6や8で同部門を3階に隔離しているのは、ある意味正しい。下足利用なので動線交錯が心配だが、それよりも、健全な共用部やスポーツ部門と明快にゾーニングすることを優先させるべきだ。

ランクII 応用可能な「だれでも○○」

2位は日建の「だれでも更衣室」。バリアフリーを意図しているのは明確だが、このネーミングは革命的だ。差別要素や後ろめたい感覚がなく、ひらがなで「だれでもウェルカム」というニュアンスを持たせているのが素晴らしい。

応用技として、毎回漢字を書くのに時間がかかる「多機能便所」や「車椅子使用者用駐車場」を「だれでもトイレ」や「だれでもパーキング」に改名したらどうだろう。採点官にどう判断されるかわからないが、作図時間を短縮できる可能性を秘めている。

ランクIII 一切説明がない趣味の部屋

3位はTACの「趣味室」。付属部門リストの最後に付け加えられており、思わせぶりな室名なのに特記事項がここだけ空欄なので、ますます気になる。50㎡もあるので、それなりに何かする部屋だと思うのだが、答案例ではやはり3階の隅に追いやられている。

コンセプトルームのように、「任意の趣味を想定し、目的とその効果及び設いについて提案すること」という記述もセットであれば、なおよかった。採点が面倒なので途中でやめたのだろう。

その他、次点としては日建の「マルチスタジオ」や「女性用フィットネス」など。スポーツ部門にある「マシンルーム」も機械室とまぎらわしくて、なかなかウィットに富んでいた。