サニーサイドアップの株主優待で、おしゃれレストランのbillsに行ける。100株で2名分の食事券だが、別に1人で2人分食べても問題ない。
4品選べるメインディッシュの中から、今回はエビのリングイーネとリコッタパンケーキをチョイス。パスタは普通だが、パンケーキがどっさり3枚もあって意外とお腹が膨れた。ドリンクは2品とも変わったものを頼んだら、他店では味わえない強烈な味覚だった。
高いメニューばかり頼んだので、トータル5千円弱という豪華ランチ。優待利回り的には2%ちょっとだが、年に一度の贅沢を味わえる。外食系のプレミア優待は和食・懐石系が多いので、エッグスンシングスのWDIと並んで希少価値のある銘柄だ。
bills二子玉川店
billsの表参道店は、2012年の初出店以来いまでも行列が絶えない。たまに覗いても1フロア下まで20人くらい並んでいる状況。さすがに隙がないので、今まで行ったことのない二子玉川店を開拓してみた。
二子玉川のお店は、高島屋S・Cマロニエコートの3階にある。横長低層の建物で、駅に近い方のエレベーターで上るとたどりつけない。2階の雑貨屋からも上に登る手段がないので、bills専用エレベーターを使ってアプローチする必要がある。1階にはShake Shackが入っている。
平日12時台で3組待ち、20分も待てば中に入れた。
どうやらこのお店では予約も可能だったようだ。平日でも確実に席を確保するには、予約して向かった方がいい。
総額4,880円の豪華ランチ
メニュー優待券の説明通り、1枚で料理とソフトドリンクをそれぞれ2品、自由に選べる仕組みだった。料理は4つに絞られているので、ボリュームのありそうなパンケーキとリングイーネを選んだ。
ドリンクもバリエーション豊富だが、せっかくなのでジュースとコーヒー系から一番高そうなのを選んでみた。結果的に本日タダメシできた料金は、
- リコッタパンケーキ 1,500円
- エビのリングイーネ 1,580円
- billsグリーンズ 920円
- 自家製アーモンドミルクチャイティー 820円
合計4,880円
ひとりで食べるには贅沢なランチだ。郊外のファミレスに行けば、国産牛のしゃぶしゃぶ食べ放題できる価格。billsのパンケーキ1枚で、ガストのピザ1枚に匹敵する。
プラダを着たベビー
1,580円のパスタや920円のミックスジュースが、料理の原価だけで決まっているわけではない。二子玉川という立地、しゃれた内装、高級アメニティー…すべてが「あのbillsで食事する」というスペシャルな体験のために仕立てられている。
たとえばトイレのハンドソープはイソップ。500mlサイズで定価4,000円を超える高級品だ。
平日ランチタイムのお客さん構成はガストや夢庵と変わらず、子ども連れのママ会というグループが半分くらい。しかしここで違うのは、ベビーカーに高島屋で買ったプラダの紙袋がぶら下がっている点だ。
どうやら二子玉川では、ベビーカーに高級ブランドの紙袋を下げて歩くのがトレンドらしい。近隣の公園やショップを散策していて何組も見かけた。
ぎりぎり飲めるbillsグリーンズ
最初にやって来たbillsグリーンズは、薬のような本格派だった。グリーンアップル、キュウリ、ジンジャー、ほうれん草、チアシード、ココナッツウォーターのミックスジュースで、中でもキュウリの存在感が大きい。
キュウリのエキスは青汁より強烈で、どくだみやよもぎの葉っぱをかじっているような感覚がした。チアシードのプチプチとアップルの甘みがなければ、罰ゲーム用のドリンクといっても過言でない。
ここがbillsということもあり、ぎりぎりエンターテイメントとして成立している。少なくとも、コンビニで売られているスムージーとは異質な飲み物だ。
続いてリングイーネのパスタ。きしめんのように平べったい麺で、ソースがよく絡む。ルッコラが無造作にぶった切って添えてあり、エビは中サイズで4尾入っている。
ドリンクもパスタも、シンプル・無添加で素材のうまみや食感を生かすのがbills流に思われた。
すさまじいボリュームのパンケーキ
間髪入れず到着したパンケーキは、圧巻のボリューム。フワフワした食感の代わりに中身は空虚なエンプティ―カロリーと思いきや、なかなかの食べごたえだった。
多摩川のサイクリングロードを朝から飛ばしてきたので、お腹はペコペコだ。しかしリングイーネを完食してパンケーキ1枚食べたところで、胃にずしっとくる感じがしてきた。
上に乗っているのはハチミツ入りのバター。ほんのりした甘さが健康的だが、そのうち飽きてくるのでメープルシロップも追加した。この量なら、もう一種別のソースが欲しいところ。
家でつくるどら焼きのようなホットケーキと比べて、billsのパンケーキは不思議なくらい均質にできている。外まで生地がふかふかなのはすごい製法だと思うが、メリハリがないので単調になりがち。勢いよく食べ続けると胸やけしてくるくらいなので、箸休めにトッピングのバナナを有効活用したい。
そういえばエッグスンシングスのパンケーキのように、山のようなホイップクリームは乗っていない。「世界一の朝食」と言われるくらいだから、毎朝食べても身体に悪くなさそうなのがbillsの特徴といえる。
大満足の自家製チャイティー
最後のチャイもサプライズを覚悟していたが、こちらはいたって優しい飲み心地だった。ポットの中身はカップに3杯注げるくらいなので量もたっぷり。そして濃厚な味わいは、まるスープのように滋養がある。
ポットの中を覗いてみると、いろいろ薬効がありそうな茎や種が入っている。香辛料のバランスが絶妙なマサラチャイで、かすかにショウガや胡椒の風味もして身体が温まる。1杯目のグリーンズはスキップして、2杯ともチャイにすればよかった気がする。
billsの優待2品は、「同じメニューNG」とは書かれていない。次回はリコッタパンケーキと自家製チャイを各2品、そしてアボカドやトマトのトッピングを追加すれば最も満足できそうに思う。
とはいえ1,500円~がデフォルト価格のパンケーキ。話のネタや優待消化目的でなければ、おいそれと試せない。「世界一の朝食」は年に一度で十分だ。