定期券活用報告~かけうどんを究めた私がおろししょうゆを選ぶ理由

吉野家、はなまるうどん、ガスト3社合同の天ぷら定期券。はなまる以外は単なる割引サービスなので、定期券というより回数無制限の割引券とでも呼ぶ方が適切である。ただし、単純値引きより「おかずが無料で一品ついてくる」というプラス要素でアピールした方が人間うれしく感じるのか、定期券というネーミングで通しているようだ。

スタートから4日目、今日ははなまるうどんを代表するサービスメニュー2品について考察してみたい。

ぶっかけとおろししょうゆの違い

天ぷら定期券を利用する縛りとして、何か一品メインのうどんを頼まなければならない。当然安ければ安い方が天ぷら無料のメリットが増すので、うどんの方は控えめにオーダーした方がお得だ。大サイズを食べたいときでも、小サイズを2回に分けて注文すれば、もらえる天ぷらも2倍になる。

最安を目指すなら間違いなくかけうどんだが、あまりに普通すぎて、わざわざはなまるに讃岐うどんを食べに来た感覚がしない。実ははなまるうどんには、サービスメニューとして格別に安いうどんがもう一品存在する。汁なしの「おろししょうゆ」だ。

見た目は定番の「ぶっかけ」と変わらないのに、なぜか同サイズで100円も安くなるおろししょうゆ。しかもこちらは大根おろしが乗っているので、ぶっかけより全然お得に見えてくる。

ぶっかけとおろししょうゆの違いはよく聞かれるが、うどんにだし汁と醤油をかけているかというだけである。はなまるのぶっかけ用タレは、醤油に大根おろしを加えたより100円も高いのだろうか。

どうもこれは「かけうどん」と同じで、法外な安さをアピールして客を引き寄せ、天ぷらやトッピングで単価を稼ごうとする作戦に思われる。戦略的に値下げされているとしか思えないおろししょうゆ。定期券のお供としては、かけうどんに次ぐおすすめメニューだ。

かけうどんにおろししょうゆが勝る点

最安ランクではNo.2、ぶっかけのまがい物的な負のイメージもあり、いまいち人気がないように見えるおろししょうゆ。汁がない分、こちらの方が安くていいのではと思うが、つけ麺や油そばと同じで、そういうわけにもいかないらしい。

かけうどんより50~70円高くつくが、あえておろししょうゆを注文すべき理由が存在する。それはまさに「汁がない」という点だ。

はなまるうどんの売りは、七味と天かす以外に生姜とゴマも無料でトッピングできる点だ。栄養価の高いこの薬味を使わない手はない。毎回、後ろのお客さんが引くくらい、どっさり生姜を盛り、熟練の圧力でゴマが大量に出るようチューブを揉みしだく。エンプティ―カロリーな天かすは気分次第でアクセント程度に乗せる。

うどんに乗せまくった無料トッピングを余すことなく食べ切りたいのだが、かけうどんだと汁があるため、薬味をうまくすくえない。もちろん汁ごと完飲すればすべてを摂取できるが、いくら薄味のはなまるスープといっても毎日飲み干すと体に悪そうだ。

結局、残った汁の中に沈む生姜や、上に浮いてすくい切れなかったゴマに申し訳ない気がしながら、返却口に持って行くことになる。経済的というより倫理的な問題で、食べ物を残すことに後ろめたさを感じてしまう。

そこでメリットが際立つのは汁なしのおろししょうゆ。どれだけどっさり具を乗せても、麺と一緒に食べ切ることができる。しかも天かすに関しては、うどんと大根おろしの水分がちょうどいい具合に染み込んで、サクサク感を残したまましっとりした食感と両方楽しめる。

無料トッピングで6色うどんと化す

残す心配がないということで、おろししょうゆの日はいつも以上に薬味を乗せてしまう。デフォルトの大根おろしとネギに加えて、生姜・ゴマ・天かす2種類の6色うどん。200円の格安メニューがまるで全部乗せして2倍くらい魅力アップしたように感じる。

これだけトッピングを大量摂取できる利点を考えると、かけうどんより多少割高でも、おろししょうゆの方がお得に思われてくる。50円は薬味代。大根おろしが乗る分、かけうどんより栄養価も高そうだ。

塩分濃度としては、醤油が結構かかっている分、汁なしのメリットは薄れる。ただ、厨房ではかなり控えに醤油をかけてくれて、後は自分で調整というルール。初期状態なら醤油が辛くてきつすぎるということはない。

おろししょうゆのさらなる特徴は、ぶっかけと同じく温冷選べることだ。かけうどんのワンパターンに飽きたら、おろししょうゆの冷たい方を織り交ぜてみよう。季節に関係なく、冷やし中華を食べるような新鮮さを味わえる。

今年は定期券の使い手が多い

定期券の活用期間としてはまだ序盤だが、12時台のはなまるうどんには長蛇の列が発生していた。手前のお客さんを観察していると、げそ天&かけ小のパターンが多い。やはり定期券組はコスパを上げる使い方を心得ているようだ。

お店側も、げそ天の大量オーダーにそなえて、天ぷらコーナーにはげそばかり並べてある。どうやら手前から奥に行くほど値段が安くなっているようで、次点の140円野菜かき揚げもそれなりに量が増やしてある。

ほかのお客さんが定期券を提示するのを見て、その場で新規購入する人もいる。例年なら期間なかばまでは販売されていると思うが、今年は3社合同の宣伝効果が大きいのか、早めに売り切れてもおかしくない。もちろん定期券を活用するつもりなら早めに買っておいた方が有利だ。

もう日本人の10人に1人は定期券をゲットしたのではないかと思う。もはや国民的行事になりつつある天ぷら定期券に、吉野家・ガストが加われば買わない手はない。デフレ3兄弟、最後の出血大サービスを活用して、天ぷらの配給を受け取りに行こう。

吉野家のV字回復に期待

ここ数日、定期券開始から3店舗の客入りを見ていると、次の決算で吉野家がV字回復してもおかしくない。定期券をきっかけに足しげく通ったり、自分のようにちょっと上位のメニューを頼む人も出てくるだろう。キャンペーンの実施コストより、利益が上回りそうな気がする。

次回決算のサプライズを見越して、7月に急落・低迷している吉野家株を買い戻しておいた。2月の権利落ち前に値上がりしたら売ってもよいが、仮に値下がりしてもほとぼり冷めるまで長期保有すると思う。

近所の店舗立地的には、吉野家とすかいらーくがあれば他の優待株を必要ないと思える境地に達してきた。吉野家はアークミール系のどんでも使えるし、都心に出れば京樽系のすし三崎丸で有効活用できる。

常連だった新宿京王モールの元祖壁の穴は、三光マーケティングの優待改悪でもう手の届かないお店になってしまった。今後は隣の三崎丸で、寿司でも立ち食いすることにしよう。ターミナル駅直結で遅くまでやっており、平日休日、ランチとディナーに区別がない優待店は利用価値が高い。三崎丸は他の駅前に多く立地しているので、郊外店のすかいらーく魚屋路と使い分け可能だ。