先日のニュースリリースからにわかにネットで盛り上がっていた3社合同定期券。数量限定なので、8月27日の発売日にさっそく入手してきた。
使用期間は少し遅れて9月10日から10月21日までの約1か月強。スタートを待つ間に定期券の利用方針と注意事項をまとめておこう。
ガストの100円引きはモーニング不可
今回の目玉は何といってもガスト100円引き。吉野家は少し見劣りして80円引き、はなまるうどんは「天ぷら一品サービス」なので、微妙な違いに注意しておこう。チケットの裏にびっしり書かれた注意事項を熟読すると、いろいろ細かい制約があるとわかった。
まずガストは開店から10:30までのモーニングタイムは利用できない。さすがに毎日299円の最安「トースト&ゆで卵セット」で使われたら、割に合わないということだろうか。テイクアウトもNGで、まぎらわしいステーキガストとSガストも使用不可となっている。
しかしガストは吉野家のように「丼・定食・皿・カレー1食ごとに…」という制約がない。すると199円のサイドディッシュや399円の単品ドリンクバーでも使えるということだろうか。
ガストの格安メニューでいえば、100円のとろろや79円の納豆はほぼ無料でいただける計算になる。「定期券1枚につき会計より100円(税込)引き」なので「税込価格から100円引き」という解釈だろう。
ガストのメニューをあらためて確認したが、納豆以外は無料になりそうなものがない。そもそもスーパーでタレ無し納豆なら3個50円以下で買える。わざわざガストに入店して、納豆1パックご飯もなしにかきこんで出てくるというのも勇気がいる。
一方、税抜99円の最安アルコール類、赤白グラスワインや梅酒・紹興酒は1杯10円以下で飲めることになる。9~10月の期間中、街中を歩いていてガストに遭遇したら、「とりあえず定期券でお酒一杯飲むルール」というのもおもしろい。
とろろや納豆を単品オーダーするのはひんしゅくだが、昼間に99円ワインを1杯だけひっかけて出ていくお客というのはどうだろう。199円の「おつまみ煮玉子&キムチ」とか、ついつい頼んでしまいそうになるのは我慢。それは無料のごはん大盛りと同じで、おかずが足りなくなり、うっかりサイドメニューを追加オーダーしてしまうパターンだ。ご飯ものは3kmくらい歩いて、次のガストで100円引きで食べるとしよう。
吉野家は豚皿までOK
吉野家の場合は、牛丼・カレーなど主食系メニューにだけ80円割引適用できるようだ。基本的にメニューが税込表示なので、ガストと同じく税込合計からきっかり80円引きと考えてよさそうだ。
こちらはガストのように「朝ごはん禁止」とは書いていない。350円の最安ハムエッグ定食なら270円でいただける計算になる。毎朝吉野家で朝食を食べて出社するような人なら、相当エンジョイできるだろう。ランチの丼ものに70円半熟卵が無料で付いて来るチケットと考えてもおもしろい。
対象メニューはぎりぎり皿まで含まれるので、割引利回りを最大化できるのは300円の豚皿並盛だろう。とりあえず外回りで吉野家を見つけたら、定期券で単品豚皿かきこんで出てくる。そんな罰ゲームもありだ。
はなまるは170円げそ天に限る
はなまるうどんは現金割引でなく、従来通りの「天ぷら一品無料」だった。以前の定期券では、おでんの提供店でそちらも一品フリーだった。おそらく今回もおでんはいけるだろう。
天ぷらの価格帯は幅広いので、最高170円のげそ天など選べばガストや吉野家よりメリットは大きい。2年前に購入した天ぷら定期券でも、基本的には海老やゲソ、おでんの牛筋ばかり食べていた。
最寄りの店舗はかけうどん(小)が150円に値上がりしてしまったので、一緒に組み合わせるうどんに悩む。それでもかけ小が最安であることに変わりはないが、さすがに1か月毎日食べると飽きるので、汁なしのおろししょうゆでも混ぜようかと思う。
はなまるうどんで定期券を買ったついでに、下調べとしておろししょうゆ(小)をオーダーしてみた。小といってもはなまるの場合はしっかり一玉分210gは量がある。200円なら、その辺の立ち食いそばよりまだ安いくらいだ。
ここしばらく夢庵の柔らかいうどんばかり食べていたので、讃岐うどんのごつごつした麺は久々だ。汁がない分、ますますハードな噛みごたえに感じる。醤油は最初からかかっている量で充分、うどんを食べ終われば、お湯で割らずにそのまま飲み干してもいいくらいだ。
大根おろしとネギは省いて、150円の素うどんとかもっと安くしてもいいと思う。せっかくなので、無料トッピングコーナーで生姜とゴマをたっぷりかけて、4色うどんにしておいた。かけうどんよりは50~70円くらい割高になるが、はなまるの格安サービスメニューとして定期券のお供にはよさげに思われた。
3食活用、夜はガストでもう一杯
朝は吉野家でしっかりハムエッグ定食。昼は、はなまうどんで軽くかけうどんを食べて、夜はガストでマヨコーンピザ。さらにもう一軒ガストをはしごして、ワインか梅酒を一杯飲んでご満悦。
こんな暮らしを1か月できたら楽しそうだ。9/10までの間にしっかり栄養のあるものを食べて、ジャンクな生活に耐えられる体を準備しておこう。きっとガストでは、主食最安レベルのミートドリアやトマトソーススパゲティばかり頼むことになると思う。マヨコーンもうまいが危険レベルのカロリーなので、1週間に1食くらいにとどめておきたいものだ。
理論上は3食はなまるのゲソ天を頼めば、170円×3食×42日間=21,420円とメリットを最大化できる。ただ、2年前にうどん74杯連続で食べ続けた記録によると、おでんの大根やコロッケもたまに頼んでバリエーションを出していたようだ。
今回はガストや吉野家でも使える3社合同券なので、金額だけにこだわらずいろんなメニューを開拓してみたい。ガストや吉野家は株主優待との併用が禁止されていないので、端数が大きく頼みにくかった高価格帯メニューにも挑戦できる。
すかいらーくアプリのクーポンも併用禁止と書かれていないので、定期券と組み合わせれば、実質200円引きくらいまでがんばれるかもしれない。ガストの場合は500円の優待券と組み合わせてほぼ無料化できる、マルゲリータやオムライスビーフシチューソースなど600円強のメニューが魅力的だ。
ぜひとも応援したい他社協業キャンペーン
はなまるの天ぷら定期券を買うのは2年振りだ。さすがにうどんは食べ飽きて、何度か販売されていた期間はスルーしてしまった。前回、吉野家と併用できる定期券にはちょっと興味を持ったが、すかいらーく優待のレビューで忙しく、それどころではないと思った。
今回はガストもOKなので、そちらの優待券と併用して効果倍増できる。すかいらーくは夢庵や魚屋路の和食系がお気に入りだが、しばらくはガスト縛りの日々が続くのだろう。
はなまるは吉野家系列なので、両社合同の定期券が出るのは別に驚かなかったが、ガストと連携するとは意外だった。まさかすかいらーくと吉野家が合併するとか、外食業界に地殻変動が起こる予兆なのだろうか。
株主優待の対応業態バリエーションとしては二強のすかいらーく&吉野家。今回の企画が成功して、異業種・他社との合同キャンペーンが流行ってくれると優待レビュアーとしては盛り上がる。いずれは「ジェフグルメ定期券」とか、どこでも使えるプライオリティパスみたいな飲食割引券ができるとおもしろい。
9月10日まであと2週間、しっかり3社のメニューをリサーチして、1か月の定期券ローテーション計画を練っておこう。