すかいらーくの株主優待で行ける、近所のレストランはあらかた制覇した。予算1,000円あれば、平日のしゃぶ葉やじゅうじゅうカルビで食べ放題できるが、さすがに毎日通うほどのエネルギーはない。
普段使いできる日替わり定食
食べくらべた中で「予算500円の普段使い」メニューを選ぶとしたら、ガストやステーキガストの日替わりより、バーミヤンのW焼餃子を選びたい。肉と野菜がバランスよくとれる完全栄養食で、揚げ物だらけの定食より体にいいのではないかと思う。
もう100円プラスしてOKなら、一押しは夢庵の「日替わり定番ランチ」だ。税抜599円なのでガストよりやや高くなるが、小鉢や漬物、副菜が付いて栄養バランスがよい。ご飯に味噌汁も加わってヘルシー、さらに気分を変えて「せいろうどん」も選べるサービスになっている。
ご飯の代わりにうどんを選んでも、しっかり1玉分のボリュームがある。讃岐うどんのように腰が強すぎず、九州うどんのように柔らかすぎない。夢庵のうどんはつるつるしたのど越しと噛みごたえが絶妙なバランスだ。
夢庵のメニューは藍屋ほどではないが、お膳や天丼を頼めば軽く1,000円を超える。7月からは鹿児島産のうなぎを入荷していて、毎回店員さんにすすめられるのが2,499円のうな重だ。国産うなぎはスーパーで買っても1,000円以上するので、価格は妥当だと思う。しかし、たかがファミレスで2,000円を超えるステーキやうなぎを頼むのは気が引ける。
夢庵で毎日1,000円優待券を使っていたら、さすがに1,000株保有で年間6.9万円のチケットがあっても途中で使い切ってしまいそうだ。そんな中、ほかのうどんや焼魚の定食と比べても異様に安いのが「日替わり定番ランチ」。はなまるうどんの小うどんのように、集客目的の原価割れサービスでないかと思う。
アプリのクーポンで9割引き?
すかいらーくアプリで夢庵のクーポンをチェックしていたら、「かれいの煮付け御膳」が1,199円のところ117円という破格で提供されていた。おそらく1,179円の間違いだと思うが、そのままオーダーすれば通ったのだろうか。
賃貸物件の検索サービスでも、ときどき一桁少ない金額でありえない物件が出てくることがある。予算外でも思わず興味を持って調べてしまうので、入力ミスを装った新手の販促手法でないかと疑う。
最近、楽天トラベルでも「安い順」にプランを並べると、シニアや学生割引で1円というややこしい部屋ばかり出てくるのが迷惑だ。すかいらーくの激安クーポンも、事故を装ったプロモーションでないだろうか。1,000円超の豪華な御膳など今は頼む気がしないが、こうしてクーポンを眺めていると、いつかうっかり注文してしまうかもしれない。
ガストよりましな夢庵の客層
近所の夢庵は下足を抜いで上がるスタイルだが、部屋がいくつか分かれているおかげで他店より分煙がしっかりしている。ガストやジョナサンの分煙は、完全に仕切られていない雰囲気だけなので、ドリンクコーナーに行くと異様にタバコ臭かったりする。
夢庵がガストより高いのは、料理の内容というより雰囲気代だと思う。お茶やおしぼりは自分で取りに行くセルフサービスなので、ジョナサンより素っ気ない。客層は圧倒的にシニアが多く、ガストで主力の子連れママさんグループやサラリーマンは少ない。
場合によっては高齢者グループの方が騒々しかったりするのだが、見た目的にはまだましだ。平日のフードコートやマクドナルドで感じる、あの殺伐とした雰囲気が夢庵にはない。
なぜか油淋鶏しか出ない
夢庵の場合は日替わりといいつつ3種類しかないので、連日通っても同じメニューに当たる可能性が高い。以前よく通ったワタミグループのミライザカや、チムニー系のはなの舞では、月~金曜まで異なるメニューを用意している。あえてバリエーションを抑えているのも、夢庵ランチが相場より安い理由のひとつだろう。
とはいえ、ここ4回通った日がすべて2番の「若鶏の油淋鶏風ランチ」だったのは謎だ。たまたまハンバーグの食材を切らしていたのだろうか、なぜか鶏の唐揚げばかり続けて食べる羽目になってしまった。
しかも油淋鶏というのはあくまで「風」で、それらしきゴマ油の入ったタレにつけて食べるだけである。そもそも本物の油淋鶏が何なのかわからないので一向に構わないが、たまにはうま煮やハンバーグも試してみたい。
一方、油淋鶏がうれしいのは、おかずの揚げ物がコロッケでなく白身魚である点だ。肉も魚もバランスよく摂取でき、ほうれん草のお浸しもついてくるのがうれしい。特にこだわらなければ、毎日食べても飽きないメニューだ。
生姜焼きランチは日替わりに劣る
さすがに4回連続で油淋鶏はおもしろくない気がして、699円の新商品、生姜焼きランチを頼んでみた。こちらは日替わりの鶏肉が生姜焼きに代わり、揚げ物が省略されるのになぜか100円高くなる。
いちおう夢庵だけあって、豚肉にはしっかり生姜焼きの下ごしらえがされている。しかし脇にマヨネーズが添えてあるのは牛丼屋のようでいかにも安っぽい。味も悪くないとはいえ、おかずのバリエーションを比べると、やはり日替わりの方がよかったと思う。
日替わりが揚げ物ばかりの理由
日替わりランチのバリエーションが少ないのは、300円も高くなる週替わり焼魚ランチや、ほかのグランドメニューに誘導しようという作戦なのかもしれない。バーミヤンの日替わりも安いが、これでもかというくらい揚げ物尽くしなので、ほかのヘルシーなメニューを頼みたくなる。
ガストやステーキガストの日替わりに揚げ物が多いのも、同じ理由かもしれない。調理が楽で、食材の質もさほど気にしない揚げ物は貧乏人にぴったり。とにかく腹を膨らませるにはいいが、脂質を抑えたければ高いメニューを頼むしかない。