サルヴァトーレ川崎は量り売りステーキと中華ブッフェまである独自路線

ワイズテーブルコーポレーションの株主優待といえば、やはり定番の使い所はサルヴァトーレクオモだ。武蔵小杉に用事があったので、そのまま南武線を乗り継いで川崎まで行ってみることにした。都内のサルヴァトーレはあらかた網羅したので、次は神奈川県まで開拓してみたい。

川崎店は牡蠣市場も併設

30年ほど前、川崎の近くに住んでいたのでよく遊びに行った。当時は駅の南東側しか見た記憶がなかったが、今では北西側にラゾーナができて、そちらが表玄関になったふしがある。京急線との乗り換えは相変わらず中央東口だが、高架をくぐった先の商店街は妙にすさんだ雰囲気がある。

当時はおしゃれに感じたチネチッタのエリアも、平日は何だか流行らないテーマパークのようだ。川崎駅から徒歩5分、ラチッタデッラのビバーチェというビルの1階に、サルヴァトーレ クオモが入っている。

名称にクオモ&グリルと付くせいなのか、ランチタイムにめずらしくステーキのメニューが出ていた。そもそも川崎店は、この立地にしては平日ランチブッフェが1,380円と割高に感じる。一番安いグラム4.5円の赤身ステーキが200グラムで980円。これにプラス908円でブッフェを付けられるので、今日は優待券2,000円コースでステーキも組みわせてみた。

ステーキガストと同様に、サラダバーにプラス300円で肉類をつけられるような感覚だ。ステーキの分、胃袋を圧迫してしまうが、プラス600円ですごそうなステーキを200gも追加できるなら、悪くはない。

川崎のサルヴァトーレは、さらに「肉と牡蠣市場」というオイスターバーまで併設されている。牡蠣はディナーだけなので頼めなかったが、「2つのお店が楽しめるダブルキッチン」とはなかなかいい企画だ。

企業の公式サイトにも「肉と牡蠣市場」は優待適用店舗として載っている。優待券をたくさんもらってイタリアンに飽きたら、川崎で牡蠣三昧というのもおもしろい。株主優待で生牡蠣を食べられるというのは希少価値がある。

中華も食べられるサルヴァトーレ

店内はかなり広くて、分離された喫煙席もある。この雰囲気なら確かにほかの店舗より料金アップなのもうなずける。ディズニーランドの中にある、特別なサルヴァトーレという印象だ。

ブッフェコーナーは生野菜とピザ・パスタはいつも通りだが、定番のもちもちゼッポレがないのは残念。その代り惣菜の野菜が多くて、レモン風味のさつまいもが個人的にヒットした。見た目だけでなく、本当に芋の中までレモン味が染みているのがおいしい。

スープは冷静の豆乳味でひねりがある。パスタは4種類もあって他店より種類豊富だが、驚くべきはその横に鉄板に乗った焼きそばがある。イタリアン料理のサルヴァトーレで中華が出てくるとは意外だった。見れば焼きそばだけでなく、小籠包ともち米の団子、さらに自分で冷やし中華を作れるコーナーまである。

川崎店では、メインのピザコーナーより中華の方が目立っている感じだ。小籠包ばかりしつこくリピートして、テーブルにうず高くせいろを積み上げてしまった。焼きそばも冷やし中華もジャンクな味付けだが、食べ放題できるチャンスも少ないのでパスタより多めによそってみた。

ブラジル産食事肉の実力

ステーキは切り取ったグラムに誤差があるので、焼く前にわざわざ生肉を持ってきて料金確認してくれる。リブアイでもサーロインでもない一番安い肉を選んだので、味はそこまででもない感じだった。

「まさに食事肉」と書かれているメニューの説明が的確で、霜降りとか柔らかさとは無縁。ガシガシしたタンパク質の塊というメキシコ産ステーキは、ふらんす亭の最安肉を思い出させる。

200gはそこそこ分量があり、せっかくのブッフェなのにステーキだけでお腹が膨れてしまった。やはり費用対高価としてランチに2,000円はぜいたくだった。同じサルヴァトーレでも、聖蹟桜ヶ丘店で2回食べ放題した方がもっと楽しめる。

デザートコーナーには、かつて町田店で見たチョコレートファウンテンが置いてあった。マシュマロやドーナツをチョコでコーティングしたり、いろいろ遊べるが味はいまいちだ。

ソフトクリームにシリアルをトッピングしてパフェ風にしたり、プリンの方がずっとおいしかった。かまぼこみたいに細切りにされたチーズケーキは不思議な見た目だが、味は濃厚でしっかりしている。

料理の豊富さ納得の料金

せっかくのサルヴァトーレなのに、食べ終わってみるとほとんどピザを味わった気がしなかった。食事肉のステーキはそこそこいけたが、やはりいつもより胃に収められた量が少なく寂しい。

レモン味のさつまいもは特においしかったので、これが定番メニューならまた川崎店に通ってみたい。ランチは1,380円で優待券に追加費用が必要だが、中華料理も楽しめる特殊な店舗とわかった。今度はピザも小籠包もダブルで満喫できるように、思い切りお腹を空かせてチャレンジしてみたい。