餃子の王将優待~しっとりぬるくふやけたキムチ炒飯の魅力を語る

餃子の王将、株主優待で500円分の食事券をもらえる。別途もらえる5%割引カードは併用可能だが、現金決済の部分にのみ適用されるので注意が必要だ。

前回訪れた高田馬場店には、残念ながら好物のキムチチャーハンがなかった。駅前の狭い店舗なのでメニューが少なかったのかもしれない。吉野家でも、カウンターしかない極狭店では冬の鍋膳を提供していなかったりする。

以前よく通っていた下北沢店は、ファミレス並みにテーブル席が多いくらい広かったので、メニューも豊富だったのだろう。餃子3人前の変な定食まであった気もする。

餃子の王将、中野店

王将のメニュー構成を検証するため、行ったことのない中野店に寄ってみた。JRの駅北口から商店街を進んで、中野ブロードウェイの入り口近くにある。奥行きの長いウナギの寝床タイプの店舗で、テーブルは数席、王将としては中程度の規模だ。

立地的には駅から近いわけでもなく、飲食店がひしめくエリアのため競争が厳しそうだ。中野ブロードウェイに入ってしまえば、大盛りのナポリタンをわずか100円でテイクアウトできる、シャルマンという穴場もある。

グランドメニューの飯類には、キムチ炒飯だけでなく見たことのない豚カルビ炒飯まであった。しかも高田馬場では「焼きめし」という名前だったのに、中野では「炒飯」で統一されている。新メニューの「極王炒飯」はどちらも炒飯の表記で統一されていた。

餃子の王将では、全国統一商品以外のローカルメニューは、呼称もまちまちなのかもしれない。店舗独自企画の定食メニューも売りだったりする。以前訪問した奈良のお店では、天理のスタミナラーメンを取り入れたメニューもあった。

キムチチャーハンの魅力

優待券をもらってから食べるのを楽しみにしていたキムチ炒飯とのご対面。王将に来て餃子を頼まないのも野暮かと思って、今回はついでに3個だけオーダーしてみた。

チャーハンにキムチを混ぜて炒めるだけという簡単メニューだが、食材の魅力が倍増するシナジー効果が発揮される。シャキシャキのキムチを冷えた状態で普通に食べたいという人もいるかもしれないが、チャーハンとのミックスは発明品だと思う。

個人的に辛いのは苦手なので、キムチ単独で食べると汗が出すぎるときがある。ライスと混ぜると辛さが適度に分散されて、「ちょっとピリ辛チャーハン」といった趣になる。また、キムチの白菜に含まれる水分が、塩辛いチャーハンの味覚を適度に中和してくれる。ご飯と味噌汁を交互に食べている感覚に近い。

出来立てのチャーハンは熱すぎてヤケドしそうになることもあるが、冷えたキムチが熱を吸収するのか、キムチチャーハンは若干ぬるめに感じられる。アツアツのご飯と生ぬるいキムチを交互に食べると、口の中が適度にリフレッシュされる。

キムチに含まれる水気と、ライスとの温度差…これが普通のチャーハンをさらにおいしくしてくれる秘訣だ。単調なチャーハンの中に食感と味覚のアクセントをもたらしてくれるので、単品メニューだが交互におかずを食べているような気にさせてくれる。

試しに単品キムチと普通のチャーハンのセットで食べ比べてみたことがあるが、キムチが冷たすぎて歯にしみる気がした。やはりキムチとライスが一緒に炒められていることで、全体的にまろやかな味と温度になるようだ。

日高屋でも稀に食べられる

キムチチャーハンがあるのは王将だけかと思っていたが、最近は日高屋にもラインナップされていることがわかった。裏メニューという噂もあり、王将と同様に全店舗で食べられるわけでもなさそうだ。

見方を変えれば、ご飯と漬物を混ぜたゲテモノ料理ともいえる。ぬるい沢庵はどうもいただけない。暖かくてふやけたキムチなど受け付けられないという人もいるだろう。どうせキムチを混ぜるなら、石焼きビビンバくらいしっかり焼きたいとか…

好みが分かれて賛否両論なのか、幻といわれるキムチチャーハン。ぜひ天津飯のように中華料理のスタンダードとして定着してほしいものだ。

株主優待はGYOZA OHSHOでも使えます。