しゃぶ葉を越えた?じゅうじゅうカルビの平日限定999円焼肉食べ放題

三社合同定期券の利用開始まであと5日。すかいらーく優待をガストに注ぎ込む前に、ぜひ一度試しておきたいメニューがあった。じゅうじゅうカルビで登場した、平日限定の「凄得!ランチ焼肉食べ放題」だ。

999円でしゃぶ葉より選べる肉が豊富

制限時間80分でラストオーダーは60分、受付は14時まで。まあ1時間も集中して食べれば満腹になれる。時間限定の食べ放題は、しゃぶ葉やサルヴァトーレのでさんざん鍛えてきた。

1,000円前後の肉類バイキングといえば、同じニラックス系列のしゃぶ葉がライバルだ。店舗によっては、平日ランチの豚バラ肉縛りが999円で提供される。しかし、じゅうじゅうカルビの方はメニュー構成を見ると、カルビ、ロースに鶏もも、牛ホルモンと、同じ値段でメニューが豊富に見える。

しかもサイドメニューのサラダ系からご飯ものは玉子クッパまで、選べる小皿のバリエーションが意外と多い。しゃぶ葉ほど店舗数がなく、遠出しなければならないのがネックだが、理論上はしゃぶ葉を上回るコストパフォーマンスが期待される。

最初のノルマはキャンセル可能

14時前ぎりぎりに入店した店内では、明らかに食べ放題と思われるテーブルがいくつかあり、皿を並べてバトルを繰り広げている。

以前はもっとファミリー向けのお店だったが、格安食べ放題を始めたせいで雰囲気がすさんでしまったようだ。素性の知れない暇なおっさんたちが、人目も気にせずカルビの一本焼きを踊り喰う光景は、子供に見せたくない。

迷わず食べ放題を注文すると「はじめの一皿」ということで、焼肉3種盛りと極旨焼肉タレかけご飯がノルマとして与えられる。ウェブサイトには記載がなく、店員さんが親切に教えてくれたのだが、実は省略可能なオプションとのことだった。

余計な食材でいたずらに腹を膨らませず、最初から最後までひたすらコーンのホイル焼きを食べ続けることも可能だ。これというお気に入りの一品が見つかれば、自由にそれだけリピートできるのも食べ放題の利点だろう。

とりあえず初回ということで、おすすめされるままデフォルトメニューをお願いしてみた。最初の皿を待つ間に、ご飯ものをよそってスタンバイ。いつもの黒カレーに加えて、麻婆豆腐もセルフで取り放題になっていた。どちらも味が濃いのでご飯が進む。肉より先に飯で腹を膨らませようというのは、食べ放題店の常套手段だ。

「焼肉タレかけご飯」は、名前だけ聞くとずいぶん手抜きな料理に思われるが、韓国のりがたくさん入っていてなかなかいける。そもそもライスなしの焼肉というのはつらいので、ある程度メシも食べる覚悟でのぞんだ方がいいだろう。

レバー以外はお代わりできる

3種肉の中の「豚カルビ一本焼き」は、金の蔵で出てくるワイルドベーコンを彷彿とさせるインパクトだ。鶏もも肉もしゃぶ葉より1つ1つの塊が大きい。さすが焼肉専門店とあって、肉の量には妥協しない姿勢が評価できる。

999円の格安食べ放題と聞いて、鶏のカルビやホルモンとか、どんなゲテモノが供されるのかドキドキだった。中身を見ると、豚がメインではあるがカルビにロースと標準的な構成だった。

正直食べ放題ならこれで十分だ。値段が高くなれば牛タンとか特選肉の選択肢は増えるが、それほど違いはわからないと思うので、安い肉で構わない。

唯一レバーだけはしっかり焼いても生臭い気がしてお代わりしなかった。レバーは他の高級店で、生でも食べられる新鮮なものをさんざん味わってきた。ほかの肉に比べて味覚の差が大きいので、あまり安物は受け付けられなくなるようだ。

キムチとコーンとキャベツ

じゅうじゅうカルビの追加注文は卓上のタッチパネル式。食べ放題を選ぶと自動的に専用画面になるようだ。同時にラストオーダーまでの残り時間も表示されるので、緊張感がアップする。

サイドメニューはとりあえずキムチ2種類からスタートして、揚げ物以外全部食べしてみた。キムチは小皿なので、大根も白菜も3個くらい余裕でいけるだろう。

中でもコーンのボイル焼きは凝っているのでぜひ注文しておきたい。網の上に置いてもバターが溶けるまで時間がかかり、肉た尽きたときの暇つぶしにちょうどよい。

塩キャベツは写真よりキャベツの茎に近い白い部分中心で、料理と呼べるのか際どい一品。居酒屋でたまに見かけるキャベツなどよりグレードが低く、豚のエサに見えてくる。キャベツはゴキブリの好物でもあるそうだ。

ミニハンバーグとウィンナーは下ごしらえされているが、網に乗せて軽く炙ると雰囲気がよくなる。どちらも塩気が強いので、タレやケチャップは不要だ。

むしろ焼く手間がいらないという意味では、ハンバーグとウィンナーを食べまくる方がスピードは速い。制限時間が近くなったら、とりあえずこの2品を突っ込んでおくと効率よく満腹になれる。

玉子クッパの存在感

食べ放題はご飯ものも豊富なので、試しに玉子クッパをオーダーしてみた。序盤のタレかけご飯に比べて、スープも含むビッグサイズ。これだけで子供や女性なら余裕でランチが済んでしまう分量だ。

量が多いだけでなく、焼肉店のメニューの中では薄味でほっとできる一品。箸休めにちょうどいいが、油断するとこれだけで箸が止まってしまう。肉に専念するならクッパはスキップすべきだが、全体のバランスを考えるとぜひとも食べておきたい一品といえる。

次回は最初のタレかけご飯をキャンセルして、玉子クッパで締める作戦にしたい。ランチに食べ放題を選ぶ際は、黒カレーと麻婆豆腐も味見程度でOKだ。

おすすめは豚肩ロースの塩味

全種類の肉類を試した後で、最も頼む価値が高いと思ったのは豚肩ロースだった。肉自体はしゃぶ葉のロースより固めで安っぽく見えるが、しゃぶ葉で食べ放題すると1,000円は超えてしまう。

カルビの2品は脂身が大半なので、食べ過ぎると恐ろしいカロリーになる。厚切ベーコンは味が濃すぎてそもそもそんなに食べられない。

焼肉はしゃぶしゃぶと比べて、下味がついているためタレで調整できる余地が少ない。かろうじて味の薄い塩ロースを、レモン汁にさっとくぐらせ食べるのが、最もシンプルで量をこなせる。

お一人様も楽しめるタッチパネルのアニメ

タッチパネルにラスト10分の警告が出た頃には十分満足したので、子供向けの昔話コーナーを選んでいた。5分ほど「いなばのしろうさぎ」を鑑賞したが、あまり音量を上げると他のお客さんに迷惑がかかる。無音でも楽しめるように、字幕を付けてくれたら親切だと思った。

コロコロアニマルのシリーズも結構おもしろかったので、ぜひ通い詰めて5本ともコンプリートしたい。

食事中はアニメを見ている余裕がないが、一人で来ると手持ち無沙汰なので、こういうコンテンツがあってもいいと思う。お店側の回転率からすると微妙だが、むしろ課金してでも有料アニメを見られるようにしたらどうだろう。

メニュー豊富で開拓の余地あり

焼肉食べ放題は消化にエネルギーを使うのか、食後はぐったりして仕事にならなかった。昼寝してもまだ疲れが取れず、胃腸へのダメージは深刻そうだ。キムチやキャベツは食べたが、しゃぶ葉ほど野菜は豊富に摂取できない。

基本的に卓上でオーダーできて、バイキングコーナーまで歩く必要がなかったのも、すぐお腹が膨れた原因かもしれない。『喰いしん坊!』の鳥飼飛男を見習って、食べ放題ではときどき立ち上がって胃をストレッチした方がいいだろう。

じゅうじゅうカルビは、すかいらーく優待の対応店としてはめずらしく電子マネーに対応していない。999円でも税込だと1,079円になるので、優待券2枚と小銭も少し用意しておく必要がある。

999円という価格の割には種類豊富で楽しめた焼肉食べ放題。しかし肉やキャベツの品質でいうと、値段相応という感が否めない。むしろ印象に残ったのは、玉子クッパのクオリティーだった。低劣な肉には箸をつけず、クッパとキムチだけ食べ放題できるサービスと考えても、十分元は取れる。

種類が多いので楽しみ方はひとそれぞれ。自分なりの偏食テクニックを編み出すのが、じゅうじゅうカルビの醍醐味といえる。