グルメ杵屋(きねや)の株主優待で、ショッピングモール内の地味なうどん&そば屋を開拓している。そば屋のラインナップの中では高級価格帯と思われる、越後叶屋(かのうや)に行ってみた。
新潟のへぎそばを食べられる叶屋
杵屋にはそば屋だけで8つもブランドがあるが、実際に行ってみるとそれぞれ特徴がある。これまで調べた中では、フードコートのおらが蕎麦<そじ坊<叶屋の順に高級感が増す感じだ。しかもそじ坊は信州、叶谷は越後をテーマにしていて、同じ蕎麦屋でもメニューがまったく異なる。
叶屋といえば新潟名物の「へぎそば」が一押しだが、小サイズでも1,315円(税抜)となかなか高価である。1~2人前の分量だが、それなら649円のもりそば(通常は二八そば)を200円で大盛り一玉追加し、さらに200円でふのりに変更した方が、税込合計1,000円とリーズナブルである。
へぎそばは山形の板そばと同じく大盛りで出す文化があるらしく、4~5人前の大サイズでは圧巻の面積で登場する。富士そばの富士山盛りより多いが、しょせんはそばなので一人でも完食できるだろう。お値段も3,315円とサーロインステーキ並みだが、一度挑戦してみたいメニューだ。
その後、イケアのレストランに行く予定なので分量は1人前として、せっかくなのでふのり変更のもりそばをお願いしてみた。
海藻のつなぎ入りで驚くほどの歯ごたえ
布海苔(ふのり)とは海藻の一種で、これをそばのつなぎに使うことによって独特の歯ごたえが生まれるらしい。見た目や太さは普通のそばだが、口に入れるとゴムのような弾力性があり驚いた。
ちょうど味噌汁に間違って入って煮込んでしまった輪ゴムを噛んだような感じだ。あっさりした蕎麦と海藻の組み合わせなので、噛むほどにうま味がしみ出てくるということはない。長い時間噛んでいたガムを、粘って噛み続けているような気分ともいえる。同じそばだが、海藻のつなぎでここまで変化するのは衝撃的だった。
さすが高級店らしく、食後にそば湯も出してもらえる。お茶はそじ坊と同じ、冷たいそば茶だ。平日で空いているということもあるが、先日訪ねた杵屋と同様に店員さんのサービスは丁寧だった。
叶屋はやはり地味なのか、モールの中でもビュッフェ店やフードコートより空いている印象がある。土日でどこも行列していたら覗いてみるといいかもしれない。ふのりそばは一度体験してみる価値がある。