名古屋の会社で東海地方中心に出店しているが、東京にもわりと店舗がるサガミチェーン。
とはいえ主力の「和食麺処サガミ」「味の民芸」は郊外型のファミレスで都心には一切存在しない。そんな中で、新宿に2店舗あるうどん屋「水山(すいざん)」とパスタ店「JINJIN」は平日・休日共通のリーズナブルなメニューがそろっていて、なかなか使いやすいお店だ。
新宿、紀伊国屋の地下に常連御用達の名店が並ぶ
新宿東口の本屋、紀伊国屋の地下に名店街と呼ばれる飲食街がある。ちょっと古い感じの地下街なのだが、お昼時には各店舗に行列ができるくらいの知る人ぞ知るグルメストリートだ。地上から行くには紀伊国屋ビルの右手にひっそりある階段を下りる。新宿駅から地下街経由でもアクセスできる。
名店街の南側に、サガミチェーンの株主優待券を使えるJINJINと水山が隣り合って入居している。JINJINは入り口近くの目立つところにあり、座席も少ないせいか常に並んでいるイメージがある。なんとなくパスタを食べたい気分だったが、時間がかかりそうなので、隣の水山に入ってみた。
水山で500円の釜揚げうどんを試食
こちらは800円くらいの「ちゃんぽんうどん」や「あんかけうどん」のシリーズが人気だが、最安メニューは税込500円からオーダーできる。安いメニューは「かけ・ざる・釜揚げ」の3種なので、めずらしそうな釜揚げうどんを選んでみた。
丸亀製麺なら並盛で290円、さらに毎月1日「釜揚げうどんの日」は140円で食べられる。はまなるうどんでも小サイズで300円なので、水山の500円は讃岐うどんのチェーンに比べればかなり高級といえる。
うどんは他店に比べるとやや細身で、水で締めていないためふわふわしている。個人的にはごりごりした固めの麺が好きなので、釜揚げを選ぶのは失敗だったかもしれない。汁につけるときに箸からうどんが滑り落ちてお湯が飛び散るので、食べにくいのも苦手だ。
量はまあ普通にはなまるうどんの小サイズくらいはある。味は適度にこしがあって固すぎず、まあ上品なお味というところだ。一瞬で食べ終わって優待券500円ぽっきりでお会計も完了。
はなまるうどん天ぷら定期券3/24発売予告
うどんで思い出したが、近所のはなまるで3/24に「天ぷら定期券」の発売予告が出ていた。前回の感触では数日で定期券が売り切れるということはなさそうだが、昼も夜も通いまくれば300円でかなり元を取れる。120円のかけうどん(小)と組み合わせれば、超格安で立派な食事をとれる、貧民にうれしいサービスだ。
ただ昨年の定期券で一生分のうどんを食べてしまった気もするので、また天ぷら地獄に舞い戻るか悩み中である。毎日うどんしか食べられない縛りというのは、不可能ではないが、幸福かといえばそうでもない。
周辺店舗より一回り安いパスタのJINJIN
夕方頃、用事を済ませて新宿を経由するタイミングあったので、もう一度紀伊国屋ビルの地下街をのぞいてみるとJINJINに空席ができていた。お昼がローカロリーな釜揚げうどんだけだったので、昨日の八王子サラダバーで拡張した胃ではすぐ空腹になってしまった。
せっかくなのでJINJINも寄ってみようと思い、最安税込600円のペペロンチーノより50円高いが、おすすめらしいナポリタンを選んでみた。
これでも税込650円なので、同じ通りにあるドナや近くのパスタmamaより全体的に200円くらい安いといえる。しかもドリンクが1杯含まれている。
価格的にはコロワイド系のラパウザといい勝負だが、あちらは女性も入りやすいおしゃれな外観なのに対して、JINJINは「創業1970年」。リーズナブルだが狭いカウンター席だけの牛丼屋風しつらえなので、グループでくつろぐには向かない。常連客がふらっと立ち寄って、ペスカトーレをぺろりと平らげて出ていくようなお店だ。
モチモチ生パスタに粉チーズ乗せ放題
麺は太めの生パスタで、モチモチと噛みごたえがある。ナポリタンの味付けも渋谷の大盛りパンチョのように濃すぎず、わりとあっさりした印象だ。
テーブルに粉チーズの瓶が置いてあり、スプーンですくいたい放題なのでどのくらい盛っていいのか迷ったが、隣の通いなれた風のおっちゃんが凄まじい量をぶっかけていたので、自分も多めに乗せてみた。
あまりチーズをかけすぎると、せっかくの香ばしいナポリタンがチーズ臭ばかりする異質な食べ物になってしまう。はなまるうどんのゴマはいくらでもかけていいと思うが、パスタにかけるチーズはほどほどが肝心だ。
サガミチェーンの500円券があれば、とりあえず紀伊国屋の地下でどちらかにお店で使えて、プラスアルファの現金決済でそこそこおいしい麺類が食べられる。観光客はなかなか来にくい場所だと思うので、どちらも地元の常連客になった気分を楽しめるお店だ。