三光マーケティングフーズの株主優待、前回の金の蔵ではお通しカット不可だったが、ランチタイムは500円ワンコインでご飯味噌汁お代わり自由と、意外とリーズナブルなことがわかった。
他店舗の状況を調べるべく、系列店に足を運んでみた。今回訪れたのは、アカマル屋の新宿西口店。金の蔵新宿西口総本店と同じビルにある…というか、このビルの名称「三光ビル」で、地下1階から4階までグループ店が占める三光マーケティングフーズの牙城だった。
アカマル屋はそもそも「お通し」なし
金の蔵新宿西口店は、系列店の東方見聞録や月の雫に比べると格安路線だが、店に入ると313円のしょぼい枝豆が強制的に運ばれてくる、いただけないシステムだった。
いかにもガード下にありそうな、昭和の香りただようアカマル屋ののれんをくぐる。入口もレトロなガラスの引き戸で、雰囲気作りは徹底している。
店員さんにおそるおそる「お通しカット可能か」聞いてみると、そもそも「うちはお通し出していない」との回答だった。素晴らしい。懐寂しいサラリーマンが集う場末の大衆酒場は、やはりそうでなければ。
平日の20時頃、店内はほぼ満席でカウンターに案内された。似たような1人客も多く、みな焼鳥をつまみにハイボールでちびちびやっている。店員さんも注文時以外は絡んでこなくて、適当に本を読んだりポケモンしたり適当にくつろぎながら居酒屋の雰囲気にひたれる。
三大名物もつ煮込み中心の優待1,000円メニュー
メニューを眺めると、まずは三大名物の、もつ煮込み、出汁煮込み(おでん)、炭火串焼きが目に入る。
優待券1,000円の範囲で、ひとまず定番らしきもつ煮込み(480円)を頼み、おすすめメニューから広島産カキフライ(320円)、串焼きの中から一番安い98円の鶏ももとうずらを塩味で1本ずつ頼んでみた(価格はすべて税抜き)。
焼鳥は安いわりには、注文を受けてから丁寧に焼いてくれるようだ。店員さんのTシャツはネイビーの制服調だが、それぞれ背中にビールや焼酎の銘柄がプリントしてあっておもしろい。
最初に運ばれてきたのはもつ煮込み、他のメニューに比べると480円なので決して安くはないのだが、1人前としてはちょうどいいボリュームで満足できた。さすがおすすめとあって、味がしみ込んでほどよく柔らかいホルモンだ。シャキシャキのネギが盛ってあって、タレの甘みをリフレッシュしてくれるので、飽きずに楽しめる。
次に来たのはカキフライ。320円で3個とキャベツの付け合わせ。おもしろいのは、調理用のステンレスのトレーに載せて出される点だ。個人的には自宅の食器もアウトドア用の金物で間に合わせているタイプなので、合理性で共感を持てる。カキフライは揚げたてのあつあつでこれもおいしかった。難点はキャベツの千切りがトレーの網の下に落ちてしまって食べにくい点だ。
最後に鶏ももとうずらの串焼き。塩味だとからしが付いてきて、玉こんにゃくを食べているような気分になる。焼鳥の相場はスーパーや格安居酒屋で売られる100円くらいが相場だと思っていて、特に味にこだわりはない。少々小ぶりなもも肉とうずらだが、十分満足だった。
食事は近くのはなまるうどんで締めるのがおすすめ
今回のお会計は4品に消費税が付いて1,075円。千円株主優待券の不足分75円は現金で支払った。アルバイトの中国人スタッフさんも、優待券の扱いには慣れているようでまったく問題なかった。
締めの食事は「あおさ冷麺(480円)」が気になったが、近くにあるはなまるうどんの「かけ小(130円)」で済ませた。今なら天ぷら定期券があるので、もう1品付けられる。
はなまるうどんの甲州街道店は天ぷらだけだったが、新宿西口店の方にはおでんもあるので、牛すじはこちらでも楽しめる。新宿駅付近の居酒屋で飲んだら、はなまるうどんで安く締めるというのは案外おすすめかもしれない。新宿西口店は22:30、新宿甲州街道店は23:00まで営業している。
禁煙席がないのがアカマル屋の唯一の欠点
サービスも料理も満足なアカマル屋だったが、唯一の欠点は禁煙席がないことだ。ここ数年、スタバ以外にも禁煙・分煙の店が増えたせいで、たまに喫煙できる店に入ると流れ着いたスモーカーが集中している。これまでよりたばこ濃度が数倍アップして、体中いぶされて燻製になりそうな気分だ。
まあ、タバコ臭いのも昭和テイストの演出なのかもしれない。禁煙席が希望の人は高級店に行ってくださいというマーケティング上の住み分けだろう。