ニラックスの「しゃぶしゃぶブッフェ しゃぶ葉」ですかいらーくの株主優待券が使える。店舗によって料金は異なるようだが、近所のしゃぶ葉はなんと平日999円(税抜)である。
焼肉の食べ放題でも千円以下というのは聞いたことがない。しゃぶしゃぶなら、どん亭でも温野菜でも1,500円以上が相場だ。千円以下で食べられるのは、せいぜいランチタイムの鶏・ミックスくらいだろう。
最近は同系列のじゅうじゅうカルビでも、999円の焼肉食べ放題が始まった。選べる肉の種類という面では、しゃぶ葉よりコスパが高い。
安いからにはそれなりの理由もありそうだが、すかいらーくの500円優待券を2枚使うにはちょうどよい金額だ。しゃぶ葉の上位メニューはまた今度として、試しに最安メニューに挑戦してみた。
平日13時過ぎは待ち時間なし
休日は行列ができるお店なので、お昼のピークタイムを外して来店してみた。平日13時過ぎの店内は半分くらいテーブルが空いていて、サラダバーもゆっくり選べる。
山のように皿を積み上げて居眠りしている客がいて、店員さんを困らせているようだった。先日訪ねたシェーキーズにも似たような輩がいたので、時間無制限の食べ放題店にはつきもののようだ。
最安プランでも出汁が選べる
大人平日999円のメニューは三元豚のバラ肉しか頼めない。メニュー表には1,199円の「豚肩ロース、バラ、鶏肉」の3種セットの方が大きくアピールされていて、バラ肉縛りの最安プランは隅にこっそり書かれている。
出汁は「基本の白だし(鰹・昆布)」に加えて、好きな味を1種類選べるという楽しみがある。今回は期間限定の「焦がし味噌バターだし」を選んでみたが、まわりを見ると生卵を並べているお客さんが結構いる。どうやら玉子付きの「本格すき鍋だし」というのも人気らしい。
茹でない生野菜のサラダバーもある
準備を待っている間にサラダコーナーに行くと、そのまま食べられる生野菜と、しゃぶしゃぶの具に分かれている。生野菜の方はキャベツ・ニンジン・タマネギ・ポテトサラダと4種類のシンプルな構成だが、お肉メインの食べ放題なので十分なバリエーションだ。
しゃぶしゃぶ用の方はもやしやネギから、しらたきにきくらげまで無数にあるので飽きることがない。じゃがいもにヤンゴコーンとか普通はしゃぶしゃぶに入れないと思うのだが、しゃぶ葉ではだし汁も含めて新しい楽しみ方を提案しているようだ。
ごはんコーナーも充実していて、ちらし寿司からブッフェ定番のカレーに、漬物も3種類ある。さらに鍋用のうどんとラーメンまで用意されていて、もう肉以外に野菜とごはんだけでお腹いっぱいになってしまいそうだ。
無限のバリエーションを楽しめるタレと薬味
テーブルに戻ると2種類の汁に3段重ねの豚バラ肉が用意されていた。5切れずつ重なったバラ肉は極薄にカットされていて、すぐにゆで上がる。香ばしい焦がし味噌バターはラーメンのスープのようだが、しゃぶしゃぶのつけ汁としてもなかなかいける。
しゃぶしゃぶのタレコーナーには、定番のポン酢や胡麻だれ以外に、なんと全部で6種類も用意されている。
とりあえず全種類よそって試してみたが、ポン酢か薄味の「和だしつゆ」を基本として、ゴマで変化を加えながら時々香味か梅しそでアクセントを加えるという食べ方がよさそうだ。
「焼肉風甘辛だれ」は、しゃぶしゃぶ店としては反則ではないかと思われるが、茹でた豚肉につけても当然おいしい。すき焼きに焼肉ダレと、もはやしゃぶ葉はしゃぶしゃぶというジャンルを超越した、新しい肉鍋料理を提案しているように思う。
さらにおすすめブレンドとして、ネギやもみじおろしだけでなく、生姜や豆板醤まで用意されている。薬味も一通り試したが、さすがにわさびは使い所がなかった。
厨房では肉薄切りマシンが稼働中?
お肉のお代わりは、ボタンを押してリクエストするとすぐ出てくる。テーブルには「お肉ご注文早見表」というわかりやすい図があり、選んだコースによって選べる肉がすぐわかるようになっている。とりあえず今日は最安の三元豚バラコースだが、値段が3倍もするイベリコ豚&国産牛はどれほどうまいのだろうか。
一応60分の制限時間があるので、頼んですぐ肉が追加されてくるのはうれしいサービスだ。あまりに早いのであらかじめ切って準備してあるのだろうと思ったら、なにやら厨房の奥で斜めに往復運動する機械が見えた。
回転寿司の寿司マシーンや、リンガーハットの野菜炒め装置のように、人間業とは思えない極薄スライスのバラ肉を量産する仕組みがあるのだろう。しゃぶしゃぶ食べ放題に特化したチェーン店だけに、店員さんのサービスも含めてオペレーションはかなり洗練されていると感じた。
締めの中華麺はスープに合う絶品
バラ肉3段×3セットこなしたところで、ちょうどよいくらいにお腹が膨れてきた。1段に5枚あるとして、45枚の豚肉スライスを食べたことになるが、スーパーで買っても千円の元は取れた気がする。ここで楽しみにしていた締めの中華麺を放り込んで、マニュアル通り2分待つ。
もちもちした食感の麺で、「焦がし味噌バターだし」をスープに食べると、普通にラーメンを食べている気になれる。これはお肉のお代わりをセーブしてでも、何杯か食べておきたい絶品サイドメニューだ。しゃぶ葉は千円の味噌バターラーメン食べ放題店としても使える。
デザートバーで自前のパフェを作れる
そろそろお会計に行こうと席を立ったところで、デザートを食べていなかったことに気づいた。999円ランチでドリンクバーは別だが、確かデザートも付いていたはずだ。
お子様向けの綿菓子コーナーの横には、なかなか魅力的な食材が用意されていた。ソフトクリームをベースに、白玉、フルーツ、コーンフレークにチョコ&レーズンミックスをまぶすと、まさにお手製の小型パフェをつくれるセットになっている。
ファミレスのデザートバーなんて、水っぽいシャーベットや大味のソフトクリームだけかと思っていたが、しゃぶ葉のそれは今まで経験した中で一番グレードが高かった。ソフトクリームはチョコ味もミックスもない1種類だが、ロイヤルホスト系列のカウボーイ家族より満足度は高い。
ラーメンのお代わりはスキップしたくらいお腹いっぱいだったが、カスタムパフェは配分を変えて2回もいただいてしまった。
優待券の残額はSuica決済可
しゃぶ用の平日限定最安ブッフェは、消費税を入れて1,079円のお会計。優待券に加えて、残額は電子マネーのSuicaで決済できるのが、すかいらーく系列店の便利なところだ。Tカードを持って行けば、たいていの店舗でポイントも付く。
はじめてのしゃぶ葉はバラ肉オンリーだったので味気ないかと思ったが、お肉の単調さを補って余りあるサイドメニューの充実ぶりに感動した。今回は肉メインで野菜は控えめに摂取したが、正直お肉抜きのサラダバー&野菜にご飯もの+デザートだけでも、千円分の価値があると思った。
都心のしゃぶ葉は1,199円~
しゃぶ葉も渋谷店とか都心の店舗だと、平日バラ肉食べ放題で200円は値上がりしてしまうようだ。ただしこのサービスとバリエーションなら、1,199円の食べ放題でも十分元は取れると思う。
脂っこいバラ肉ばかり大量に食べて不健康な気もするが、煮汁に油分が落ちるからか、思ったほど食べにくいという気はしなかった。食後は大量にアクが浮いていたが、これはタンパク質の凝固した成分で、体に悪いものではないらしい。
たらふく食べたので当日は夕食抜きでOKだが、夜になっても先日試した夢庵天ぷら食べ放題のように、胃にもたれる感じはなかった。大量増刷されたすかいらーく優待券があるので、今度はぜひロースや牛肉にも挑戦してみたい。