すかいらーくの株主優待券が使えるニラックス系列店。しゃぶしゃぶ食べ放題のしゃぶ葉を紹介したところだが、ウェブサイトをよく見ると、むさしの森珈琲以外の店舗はすべてブッフェ形式だった。
中華に和食にイタリアン、総合…。フードコートやカフェもあるが、ブッフェレストランがニラックスの主要事業であるらしい。各店舗のメニューを調べると、平日ランチならどこも1,000円ちょっとで食べ放題できる。
渋谷のシェーキーズなど、メニューの種類を絞った1,000円以下のバイキングもあるが、焼肉・しゃぶしゃぶ系の食べ放題に比べれば安い方だろう。
ニラックスのブッフェ店は超希少
3倍アップしたすかいらーくの優待券が、ステーキガスト以外の食べ放題店でも使えるのはうれしい限りだ。ここはぜひ全業態リサーチしたいと思ったが、調べると関東圏でも店舗数が極端に小さい。
コンビニか牛丼屋と同じくらいの密度で出店しているガストやジョナサンなら、500mくらい歩けばどちらかに出会えそうだ。しかし、しゃぶ葉以外のブッフェ店は、東京都内に1~2店、しかも八王子とか武蔵村山とか都心を避けて西側のエリアに偏っている。
和食の八献はもはや関東では千葉県にしかない…これはレビューし甲斐があるというものだ。ひとまず中央線に接続した青梅線沿線でまだ行きやすそうな、昭島のグランチャイナに向かってみた。東京はおろか関東全域含めてここにしかない、希少な店舗だ。
昭島モリタウンのグランチャイナ
モリタウンのショッピングモールに併設された、MOVIXの隣に本格中華バイキングのグランチャイナがある。映画館やスポーツ関連のレジャー施設が密集しているエリアなので、屋外だがモール内のような非日常的な雰囲気を感じる。
平日でしかも雨の日なら、さぞかし空いているだろうと思ったが、意外なほどお客さんが入っていた。しかも暇そうなシニアだけでなく、スーツケースを引きずったビジネスマンも数名いる。すかいらーく優待が使える貴重な中華バイキングを求めて、東京出張のついでにわざわざ昭島まで出向いてきたのだろうか。
メニューは海老チリから餃子、焼売、ピータン豆腐など、およそ思いつく中華料理はほとんど網羅されている。主食はチャーハン、焼きそばだけでなく、ラーメンも醤油、塩、担々麺と3種も食べ放題できることがわかった。
さらに季節の秋メニューと、週替わりのデザートも予告されている。これは期待できそうだ。
裏メニューで寿司も追加できる
平日ランチの料金は1,250円プラス税で1,350円。しゃぶ葉の最安よりは少し高いが、メニューのバリエーションからすると、コスパは高い気がする。店頭にもウェブサイトにも載っていないが、実は1,500円くらいの上位メニューがあり、寿司も食べることがある。
「中華料理で寿司?」と思ったが、別料金でも結構食べているお客さんがいたので人気なようだ。しゃぶ葉のタレのバリエーションでも気づいたが、料理のジャンルにこだわらず、いろいろ選ばせて楽しませるというのがニラックスレストランの特徴らしい。
20種類くらいあるブッフェメニュー
メインの惣菜は肉料理、揚げ魚、野菜や玉子の炒め物など10種類くらいある。さらに冷菜コーナーも同じくらい種類があるので、とてもプレート1枚には乗り切らない。
とりあえず全部味見してみようと、何枚も皿を並べてみたが、これでもまだ全種類は網羅できていない。さらに無数のデザートの3種のラーメンまで控えている。
本格中華をうたっているだけあって、味はどれも外れがない。専門店の渾身の一品にはかなわないかもしれないが、1,000円ちょっとのブッフェにしては上出来だ。少なくともビッグボーイやステーキガストのサラダバーで、野菜が水っぽくてがっかりするようなことはない。
ラーメンコーナーは丁寧に麺から茹でてくれるので、行列ができるタイミングもある。最初に担々麺をつくってもらったが、わりとがっつり盛ってくれるので3種類全部は試食できなかった。とりあえずめずらしいものは多めに食べておこうと思って、ピータン豆腐をしつこくリピートした。
タイムサービスのきな粉棒
しばらくすると、店内で鐘が鳴ってデザートのタイムサービスが始まった。このあたりもシェーキーズの「ピザできました~」の掛け声と同じで、バイキング店としては盛り上がる演出だ。
今日のツイストスティックは見た目が犬の餌のようだが、さくさくしたパイ生地に「きな粉」がまぶしてあるという意外性があった。
さすがに食事中なので甘いデザートを何度もお代わりという気分ではなかったが、余ると各テーブルにまで配りに来てくれるようだ。
点心はぜひリピートしたい
ピータンが一段落したら、今度は点心コーナーの入れ替えに合わせて、えび餃子と焼売の無限ループに突入した。あんまん、肉まんもおいしかったが、巨大で何個も食べられない。
この一週間、すかいらーく優待で夢庵の食べ放題、しゃぶ葉のバイキングと胃を鍛えてきたので、焼売20個くらいは余裕でいけると思ったが、3皿くらいでギブアップしてしまった。
どうやら中華のおかずは揚げ物・炒め物が多いせいか、お腹にたまるようだ。小手調べに各メニューちょっとずつ試したつもりが、すでに何食分か胃に収めたくらいのボリュームになってしまった。
デザートも中華にとどまらない
これはまずいと思って、点心に未練を残しながらもデザートコーナーに急いだ。こちらは杏仁豆腐にマンゴープリン、オーギョーチやライチの中華デザートに、チーズケーキやチョコケーキ、コーヒーゼリーもラインナップされている。もはやうまければジャンルなどどうでもいい感じだ。
舌触り滑らかな抹茶くず餅とゼリー系は、それぞれ3カップはお代わりできた。さすがに胃袋の限界を感じて、優待券とモバイルSuicaでお会計を済ませた。
選択肢が多すぎると人は不幸になる
お腹が苦しくて幸せすぎると思いつつも、味見程度しか楽しめなかった惣菜たちが気にかかる。料理の数を1/3に減らしていいから値段を半額に設定してくれれば、毎日でも通いたいブッフェだ。
選択肢が多くてうれしいはずなのに、かえって不幸せに感じるというパラドックスを実感した。「幸せすぎて怖い」という心理はこのことか。
なぜか登録できないブッフェアプリ
店内にパンフレットがあった、NILAXのブッフェアプリをスマホに入れてみた。その場で5%オフというチラシだったので使えるかもと思ったのだが、会員登録のフォームで、なぜか子供3人分の誕生日を入力しないと先に進めない状態になり詰まってしまった。
適当にフォームを埋めれば回避できるのかもしれないが、満腹で頭が働かず登録は諦めた。ブッフェ店では採算性の悪い大食いのお一人様はお呼び出ないということだろうか。
バイキング・食べ放題紹介アプリ「ブッフェ」…よろこんでインストールしたいアプリなのだが、とても残念だ。