今年3月に変更があった魚屋路(ととやみち)の平日限定日替わりメニュー。ちらし丼は50円、握りはサラダが付いた代わりに150円も値上がりしたのはショックだった。
そしてこの8月末に、ランチメニューが大幅変更された。魚屋路の公式サイトも同時に更新されていたので、店舗独自のメニュー改定ではないようだ。
最もリピート率の高かった日替わりちらし丼は廃止。その代りに握りのバリエーションが3品に増えた。最安の10貫なら570円(税抜)なので、3月の値上がり前より安くなったともいえる。
リーズナブルな海鮮丼がなくなったのは残念だが、新たな最安メニューの出現によって、手軽にお寿司が楽しめるようになった。従来の握りから若干構成が変更された、10貫ランチの内容についてレビューしてみたい。
魚屋路のランチは安い
ここ数か月の間、平日ランチはほとんどガストでお世話になっている。心身ともにガストに忠誠を誓ったガスト人間。体内組織のおよそ半分はガストの食材からできている。
日替わりランチで海産物を摂取できるのは、アジと白身魚のフライのみ。メインはハンバーグとチキンのローテーションなので、自然と肉食に偏ってしまう。
同じすかいらーく系列で優待券が使える魚屋路は、日常的に魚を食べられる貴重なスポットだ。ここは優待生活で栄養バランスを保つための生命線。家から少し遠いが、週に1回はランチに通って日替わりメニューをいただくようにしている。
業態は回転寿司であるが、スシローやくら寿司・かっぱ寿司のようにロボットでなく板前さんが握ってくれる方式。そのため標準メニューは安くても一皿100円とまではいかず、競合店より若干高めに設定されている。
個人的に、調理人は別にロボットでも人間でも構わないと感じる。シャリの形がいびつで巻物の切り方が変でも、目をつぶって食べれば味は変わらない。むしろ和菓子づくりと同じく人の体温が伝わらない分、ロボット製造の方がネタの鮮度はキープできそうに思う。
しかし魚屋路でも平日限定のランチは600円程度から楽しむことができる。さらに15時までなら味噌汁無料のサービス付き(しかもネギ入れ放題)。本日のおすすめネタや季節ごとのフェアメニューには目もくれず、ひたすらちらし丼を頼む日々が続いていた。
ちらし丼のアレンジ
昔は同料金だった丼と握りが3月の値上げで差別化され、貧民は最安の海鮮丼一択になった。しかし魚屋路のランチ丼には、大盛り無料というサービスが付く。磯丸水産でもご飯大盛りは100円かかるから、これにネギ味噌汁を数杯お代わりしてガリもたらふく頬張れば、非常にコスパの高い優待ランチが完成する。
毎週通って大盛り丼を頼んでいると、さすがに店員さんにも覚えられてしまう。曜日によって気前のいい職人さんにあたると、信じられないほどデカ盛りで圧縮された白米が出てくることがある。
これはサービスなのか嫌がらせなのかと悩みつつも、ガリをおかずに根性で完食してみせるというバトルが続いていた。シャリ好きにはたまらない隠れた名店。店内にある無料トッピングを駆使して、ガリ丼、抹茶飯など、創作メニューの開発にいそしむこともできる。
そんな思い出たっぷりの日替わりちらし丼がなくなってしまうのは残念なことだ。ユーザーとしては不満だが、客単価が上がりそうなので株主としては経営戦略を評価したい。
握りランチの内容変更
丼に代わって新たに増えた握りのランチ3品を比べてみよう。
最安の「握り10貫ランチ」は570円。「価格破壊!!平日超得!」という宣伝文句が並んでおり、たしかにイクラやサーモンも含む構成でトータル570円というのは安い(一貫平均57円)。
その上の「握り中とろランチ」は690円なので、プラス120円するとマグロが中トロに替わる。魚屋路で120円といえば、イカゲソやエビ、かんぴょう・おしんこなどネギトロ以外の巻物が一品頼める値段だ。
一方、中トロ単品は2貫で360円。同じく通常マグロは160円。1貫あたりの差額は100円だから、プラス120円の中トロに変更するのは損した気もする。実際には、まとめて2貫注文する分の割引も含まれていたりするかもしれない。微妙な差額については何とも言えない。
最上位の「ダブル中とろランチ」になると、860円で中トロもう1貫とサラダが追加される。中とろランチからの差額は170円。旧メニューでサラダは100円相当だったから、中トロ1貫分の差額は70円。グレードアップするならダブルで11貫にしてもらった方がお得だ。
ランチの高級メニューには、名物の「海鮮どーーん」や特選ランチという大物も控えている。しかしどちらも単品で1,000円を超えるので、日常利用としてはアウト・オブ・予算。誕生日やクリスマスなど、ハレの日にとっておきたいスペシャルメニューだ。
利用頻度の高いお店は、こうして自主的にメリハリをつけるのが飽きずに通うコツといえる。すかいらーくの優待券は利回りがよいが、さすがに毎回1,000円ペースで使ってしまうと1,000株ホルダーでも1年もたない。
最安握り10貫の評価
新メニューの実力を確かめるため、本日オーダーしたのは最安570円握り。コスト的に中トロ追加は魅力にとぼしいため、今後は毎回これを頼むことになると思う。あとはまれに大トロ100円フェアなどに遭遇したら、単品で追加するくらいだ。
ランチの握り10貫は、いずれも旧メニューにあったネギトロ巻とかっぱ巻きが消えている。その代り追加されたのはネギトロ軍艦といなり寿司が1巻ずつ。シャリのボリュームは減ったが、ネギトロ自体の量は増えたのでないかと思う。個人的にいなりは好物なので、ランチ握りに加えられたのは歓迎したい。
細かい変更点では、握りの間に挟まれていた緑のぎざぎざ(人造バラン)がなくなった。もともと単なる飾りつけで食べるのに邪魔だったので、消えてくれたのはありがたい。プラスチック製のストロー廃止と同じ流れなのかもしれない。盛り付けの見た目は少し寂しくなったが、そんなものはどうでもいい。
マグロやサーモン、ハマチという定番品は相変わらず。単品2貫310円のイクラ軍艦という高級ネタも含めて、1貫あたり57円で食べられるというのはリーズナブルだ。ネギトロ軍艦もネタにボリュームがあり、少しずつ巻物で食べるより満足度は上がった気がする。
寿司屋のガリガリ君
握り10巻のうち最安570円のランチに関しては、ちらし丼に代わってかなりコスパの高い寿司定食が出てきたという印象だ。それほどありがたみを感じなかったサラダの抱き合わせがなくなったのもグッド。
握りなので丼のように大盛りできないが、足りない分は味噌汁やガリを詰め込んで間に合わせる。毎回大量のガリを消費して帰るので、きっとお店の人からは裏でガリガリ君と呼ばれていることだろう。
吉野家で無料の紅ショウガは辛くてそれほど食べられないが、魚屋路の甘酢漬けはいくらでも食べられる。生姜など家で調理するのも面倒な食材なので、寿司屋で無料で食べられるのはうれしいサービスだ。