伝説のすた丼、株主優待ジェフグルメカードで定食2種食べ比べ

株主優待でもらったジェフグルメカードは全国の「すた丼」で使える。

基本は豚丼屋だがあえて丼ぶりメニューは避け、定食の定番「すたみな焼き」と「生姜焼き」を2種類食べ比べてみた。毎月29日の「肉の日」に行くと、お肉が1.5倍増しになるサービスがついてくる。

新型コロナウイルス対策で営業時間は短縮されているが、お店は開いていて店内飲食も問題なく可能。出前館と提携した宅配枠やテイクアウトのお客さんも多く、自粛ムードでもすた丼は根強い人気をほこっていた。

すた丼は定食を選んでも安い

吉野家や松屋と同じく、すた丼も通常の丼ぶりだけでなく定食バージョンが用意されている。代表メニューの「すた丼」「生姜丼」に対応するのは「すたみな焼き定食」と「生姜焼き定食」。

定食は値段が10円高くなり、丼ぶりのように卵は付いてこない。その代り千切りキャベツと漬物が付属する。

定食の方が料理をゆっくり味わえて消化によい。またお肉にかかったタレをお皿に残せるので、塩分の摂取量も調整できる。

大人としては丼ぶりメシをがさつにかき込むよりも、優雅に定食を味わいたい。ほかの牛丼チェーンのように、定食と丼物の値段がたいして変わらないのが、すた丼の特徴だ。

すた丼と吉野家の料金比較

吉野家の豚丼は現在並盛で371円。これに対して、すた丼は並盛630円(どちらも税込)。

豚肉が主原料の同じ丼ぶりでも、税込ベースで価格が259円も違う。

すた丼のメニュー

すた丼の場合は味噌汁と生卵が付いてくるので、吉野家のサイドメニューに換算すると143円プラスした価値がある。またすた丼はデフォルトでご飯もお肉も量が多く、牛丼チェーンの大盛りに匹敵するボリュームがある。

吉野家で豚丼を大盛りにすると、180円も価格がアップしてしまう。大盛り+セットメニューの条件で比較すると、すた丼の630円丼ぶりは決してコスパが悪いわけではない。

ジェフグルメカードの使い方

すた丼での注文方法は、入店後に券売機で食券を買う方式だ。この機械はジェフグルメカードに対応していない。

チケットを使うには先に店員さんに声をかけて、注文と同時に券を渡せばOK。すぐにお釣りも現金で返してもらえる。

差額を気にせず好きな料理を試せるうえ、安いメニューを頼めばその分、多めにお釣りを現金化できてお得といえる。

ジェフグルメに期限はないが、新型コロナウイルスのせいで使えるお店が減ってきている。可能な限り早めに使い切るか、差額を現金化してもらう方が安心だ。

ほかの牛丼チェーンより味は上

毎回注文を受けてから肉を焼いてくれるのだが、厨房から出てくるスピードがやたら早い。

豚肉の重量を測って出来合いのタレと混ぜて炒めるだけ。火力の強い業務用コンロと中華鍋があれば、一瞬で火が通るのだろう。

調理に無駄な時間や手間をかけない方が、素材の鮮度を保てて料理もおいしくなる。

すた丼と他店の豚丼を比べると、価格差以上に味の違いを感じてしまう。職人が調理した焼肉という感じで、チェーン店のいかにもレトルトっぽい豚肉・牛肉とは一線を画する。

すた丼は吉野家でいえば高価格帯の「牛カルビ丼」に匹敵するクオリティーだ。

ニンニク入りのタレが香ばしい

すたみな焼きは豚肉の鮮度や厚みもさることながら、こだわりのニンニク醤油ダレが絶品。

すたみな焼き定食

すたみな焼き定食

少々味は濃い目だが、結構多めに入っているニンニクの香りが食欲をそそる。最近はニンニクも高くてあまり自炊で使わないせいか、久々に香りをかぐだけで幸せな気分になれる。

定食のお皿に残ったタレは、そのまま千切りキャベツに付けてもおいしい。最後に残ったタレももったいないので、結局ご飯にかけて食べてしまった。

卓上にあるオリジナルの「すたみなドレッシング」も似たような味。ニンニクを入れた特濃のゴマダレという感じで、キャベツだけでなくライスにもかけたくなってしまう。

すたみなドレッシング

ご飯の量が多いおかげでそれほど負担を感じないが、これ一食で塩分摂取量は10グラムを超えるのではないかと思う。

毎月29日は肉の日1.5倍

2回目はお肉が1.5倍サービスになる29日(肉の日)を狙って来店してみた。

肉の日対象のメニューはすた丼と生姜丼およびその定食版、とろろ入りの「とろすた丼」計5品のみだ。キムチやチーズ入りのすた丼、カレーや油そばはサービスの対象外になる。

肉の日看板

肉の日は通常料金で「肉増し」オプションが追加され、これだけで160円分の価値がある。

すた丼に行くなら間違いなく毎月29日がおすすめ。前回よりお客さんも2倍以上増えていた。

生姜焼きはしょっぱすぎる

次に頼んだのはすたみな焼き定食と同じ640円の生姜焼き定食。肉の量は確かに多い。おかずのお皿を埋め尽くすほど、豚肉が盛りつけられている。

生姜焼き定食

生姜焼き定食(肉1.5倍)

生姜焼きも合格レベルのクオリティーだが、それほど生姜の風味は強くなく普通の塩ダレという感じ。しかも前回より明らかに味が濃く、しょっぱすぎてご飯なしでは食べられない。

味付けにはお店や板前さんによって個体差があるだろう。しかしこれまでの経験からすると、すた丼の味付けは他の牛丼チェーンより明らかに濃い目だ。

若いうちは刺激的だが、歳をとると味覚が変わってだんだんきつくなってくる。健康上の懸念もある。

臭いさえ気にならなければ、生姜焼きよりニンニク入りすたみな焼きを選んだ方が楽しめる。わざわざすた丼に来た甲斐があるというものだ。

すた丼の掟とは

丼ぶりを完食すると器の底に見えてくる「掟」という漢字。店内の看板や店員さんのTシャツにも、いたるところに掟やメッセージが書かれている。

すた丼の掟

壁の説明によると、

其の壱 絶対、すた丼を喰うべし

其の弐 いつ何時も、すた丼を喰うべし

(つづく…)

これはギャグだろうか。

もはや掟というよりも洗脳。別に食べたくて好きで来ているわけだから文句はないが、強要される筋合いはない。

論理的に考えると、看板メニューの「すた丼」以外は食べるな(おすすめじゃない)という意味だろうか。定食の生姜焼きに比べれば、確かにすたみな焼きの方がおいしかった。

暑苦しさで損をしているかも

居酒屋やラーメン屋でたまに見かけるノリだが、別に私語厳禁とかスープ完飲とか厳しいルールは課されていない。店員さんもいたってフレンドリーだった。

もともとデカ盛りが売りのお店だから、ジャンクなテーマパークという狂った雰囲気を出すのは悪くない。ただ店構えからして女性客や高齢者は入りにくそうだ。

ニンニク醤油ダレがおいしいのは間違いないので、暑苦しい見た目で「伝説のすた丼」を敬遠している層がいるとしたらもったいない。

吉野家のようにライザップとコラボしたりして、ヘルシー系のメニューも増やしてはどうだろうか。

「すた庵」とか「すた亭」みたいな感じで、和風の別店舗にしてもいいと思う。あのニンニク風味のタレを使って、しゃぶしゃぶ食べ放題してみたい。