ゼットン優待で名古屋の金山ソウル。一押しは話題のチーズダッカルビ

ゼットンの株主優待は系列レストランで使える飲食券だが、ついでに横浜のマリンタワーや名古屋のテレビ塔の入場券がついてくる。マリンタワーはゼットンが再開発に関わり、1階でレストランTHE BUNDを営業している。名古屋はさすがおひざ元とあって、テレビ塔だけでなく徳川園と徳川美術館という渋い観光地のチケットをもらえる。

マリンタワーは東京から近いので久々に上ってみたが、せっかくなので名古屋の名所も訪ねてみようと思った。5月末の使用期限まで残り時間がなく、わざわざ優待消化のために旅行するのも微妙なので、東海~近畿圏の友人にまとめて会う旅程を立てた。春休みの18きっぷ発売シーズンを狙って、東京から鈍行で旅する計画だ。

名古屋の金山駅にある韓国料理店

とりあえず名古屋に着いて腹ごしらえしようと思ったら、金山駅直結のアスナルという商業施設にゼットン系列の韓国料理店が入居している。他にも蕎麦屋や和食系など、名古屋のゼットンレストランはバリエーションが豊富だ。

アスナルの2階に上ると、優待でよく通うサルヴァトーレ・クオモも見えてきた。電車の中でいろいろおやつを食べたので、さすがに今日はピザ食べ放題という気分でない。駅直結という意味では、こちらも便利な優待レストランだ。

目指す金山ソウルは3階にあり、平日の14時頃でテーブルも空いていた。他のお客さんも10人くらいいるが、ほとんど女性という不思議な状況。普通のサラリーマンはもうオフィスに戻って仕事しているということだろうか。ちょうど入学式のシーズンなのか、電車には正装した親子を何組も見た。金山ソウルにも入学式後の遅いランチか、そういう母子が2組くらいいる。

大流行のチーズダッカルビ

ランチセットは定番の石焼きビビンバが950円からある。プルコギやサムギョプサルにサムゲタンと、メジャーな韓国料理は一通りそろえてある感じだ。夜は友人と酒盛りする予定だったので、大人し目に「チーズダッカルビ」を選んでみた。もう一品、チーズを絡めたカルメギサルという似た料理もあるが、これはさすがに聞いたことがない。

韓国料理はそれほど詳しくなく、正直ダッカルビとプルコギの違いもよくわからない。どちら「甘めのタレを絡めた肉野菜炒め」というイメージだが、食材が鶏肉か牛肉かの違いだろうか。ダッカルビにチーズを絡めたメニューは今、新大久保あたりで大流行らしい。経緯はわからないが、野菜炒めにとろけるチーズをたっぷりかけたビジュアルは食欲をそそる。

金山ソウルのダッカルビはトッポギがふんだんに混ぜてあるのがうれしい。モチモチした食材が好物なので、すいとんみたいな甘辛餅炒めのトッポギも大好きである。もう一種類の棒状の塊はどうやらジャガイモのようだった。

肉野菜炒めにとろけるチーズ

別皿で用意されたチーズを惜しみなくかけると、メニュー写真のように何とも魅力的な料理に仕上がる。辛そうな炒めものにチーズのまろやかさが組み合わさって、食べる前からよだれが出そうな雰囲気だ。とろけるチーズの攻撃力はすごい。王将とか日高屋の肉野菜炒めにも、チーズをトッピングしたら売れそうな気がする。

食感としては、具材に下味をつけたチーズフォンデュという印象だ。チーズの塩気とタレの甘さが合わさって、何とも言えない複雑な味に感じる。少し味が濃すぎる気もするが、15穀米のご飯が進む。冷たいコーラとかビールを飲みながら食べると、胃の中でチーズが固まって死ぬらしい。そんな都市伝説を彷彿させるくらい、本格的なチーズ料理だった。

ランチセットにはドリンクバーもついていて、自家製のレモネードやお酢のドリンクが充実している。千円ちょっとでここまで充実した韓国料理を味わえて、さらにドリンク・コーヒーが飲み放題とくれば、なかなか気の利いたサービスだ。さすが名古屋の食文化は素晴らしい。ゼットン系列のレストランは基本的にメニューが切りのいい税込み価格で、小銭のお釣りが出ないのもうれしいところだ。

浜松のサルヴァトーレ・クオモ

数日後、また鈍行で東京に戻る際に、今度はサルヴァトーレに寄ってみようと思った。金山駅を通過したときはまだランチに早かったのでスルーして、次の乗り換えタイミングでクオモの浜松店に寄ってみることにした。

駅の北口からザザシティ浜松内の店舗まで約500m。歩けない距離ではないが、駅直結だったアスナル金山に比べるとやや遠い。ようやくたどり着いたと思ったら、平日14時過ぎでお客さんが少なかったのか、もうランチが終わってしまったようだ。

14:30のラストオーダーまでまだ時間があるのに、早めに店じまいしてしまったのは残念。こういうマイペースなところは静岡の文化なのかもしれない。仕方なく駅構内のパン屋で適当に昼食を済ませた。

アスナル金山は優待消化に便利

旅先では日ごろ使う機会がない株主優待券を消化して、各地のレアな店舗を開拓するチャンスだ。また18きっぷで旅することになったら、駅近くの優待対応店をチェックしておきたい。

とりあえず名古屋の金山駅アスナルには、さらにゼットン系の定番アロハテーブル、柿安の三尺三寸箸なんていうめずらしいレストランもある。柿安の株主優待を惣菜や和菓子の口福堂以外で使えるところは少ないので、ぜひ一度試してみたい。

観光地や温泉街まで来て、わざわざファミレスや牛丼チェーンで食事するのも、味気ないと思われるかもしれない。ときどき東京から遊びに行く熱海や湯河原でも、ガストやジョナサンばかり通っている。

いずれ経済的に余裕ができて好きなものを注文できるようになったら、地元の名物料理を楽しめるだろう。今はゼットンの千円ランチやサルヴァトーレの食べ放題で、十分幸せに感じる。