グルメ杵屋株主優待で信州そば「そじ坊」のざるそばランチ  

ロンフーダイニングのチャーハン&麻婆豆腐に続き、杵屋の株主優待でそば屋チェーンのそじ坊へ。

変な店名だが、店員さんのユニフォームを見ると「蕎路坊」というらしい。街中では見かけないが、オフィスビルやショッピングモールに出店している。安価な立ち食いソバと競合するのを避けているのだろうが、いまいち印象が薄いそば屋だ。

モールで買物していて「ハンバーグも中華も飽きたしあっさりした蕎麦でも…」というときに、たまたま見かけて入る店という感じがする。わざわざ「そじ坊に食べに行きたい」とは思わないが、普通の和食料理屋は高いのでなんとなくそば屋を選ぶ。消極的だが意外とそんなお店が繁盛するのかもしれない。

おつまみにそばチップスが出る

テーブルに座ると、サービスでそばチップスが出てきた。薄味のベビースターラーメンのような感じで、とりあえずそばが茹であがるまで暇をつぶすには悪くないおつまみだ。

メニューを見たら、ウェブサイトに出ている価格よりざるそばが47円高かった。かけそばも税抜500円のはずだが、ここでは547円する。そばチップスか、付け合わせのデザート代が含まれているのかもしれない。

卓上に信州のそば屋らしく善光寺の唐辛子が置いてある。「開封後要冷蔵」と書いてあるのが気になるが、昔から飲食店に置いてある醤油や唐辛子は悪くならないのだろうか。

唐辛子は防虫・防カビ効果があって米びつにも入れられるはずだが、保存状態が悪いとダニがわくらしい。今さら気にしてもしょうがないが、回転が悪そうなお店の卓上調味料には用心した方がよさそうだ。

ざるそばの味は富士そばと変わらない

神田や浅草にありそうな本格的なそば屋に比べると、ざるそばは1枚でも量が少し多めだった。味は正直、富士そばと変わらない。なか卯で出てくる水っぽいざるそばよりは断然ましだが、高級店の十割蕎麦とまではいかない。場所代とサービス料がプラスされた、座って食べられる立ち食いそばという印象だ。

わさびにこだわりがあるようなので盛大に入れてみたら、辛すぎて涙が出た。頼めばそば湯も出てくるかもしれないが、冷たいそば茶があったので、それで間に合わせた。

小皿に持ってある丸いのは銀杏かと思ったが、よく見ると小型のみたらし団子だった。おかずかデザートか迷う甘すぎない一品で、なかなかセンスがよいと思う。

ちょうど先日、天童で食べた山形名物の板そばに比べると、味も量も物足りないのは仕方ない。そばの名店はなぜか東京より地方に多い気がする。

板そばに慣れると2~3人前ないと食べた気がしないが、老舗でざるそば2枚も頼めば1,000円は超える。江戸前の寿司と蕎麦はちょっとつまむくらいで、腹を膨らませるものではないという流儀があるのだろう。その点、信州そばのそじ坊は、味も値段も立ち食いと高級店の中間という感じがした。

東京のそば屋といえば、長らく火災で閉店していた神田のやぶそばが昨年10月に営業再開したようだ。量が少なくて値は張るが、鰻のきくかわ、甘味の竹むらとセットで食べ歩きしたい観光名所。歴史的建造物がどんな風に復旧したのか確認してみたい。