サガミチェーンの株主優待で味の民芸へ。先日は新宿の紀伊国屋地下街でJINJINと水山をはしごしたところだが、郊外のファミレス店でも優待券が使える。
お店の前を通るたびに気になっていた「味の民芸」だが、飲食店にしては渋いネーミングだ。Googleで「民芸」と検索すると、民芸品や民芸運動などより味の民芸公式サイトや各店のぐるなびが上位に出る。
店内やメニューが微妙に名古屋風
瓦葺の重厚な建物はほかのファミレスと一線を画する。外観にこだわる飲食店といえば、コメダ珈琲とか味噌煮込みうどんの山本屋を連想するが、それもそのはずサガミチェーンの発祥は名古屋である。
店内は想像通り、民家風のしつらえで黒々とした柱と小屋組みが見える。照明も障子張りで和風に徹している。
店内になぜかロボカップのポスターがあり、どうやら2017年は名城大学~愛知県立・工業大学で開催らしい。ファミレスのお客さんがロボカップに興味を持つのか不明だが、さりげなく名古屋の観光案内が散りばめられている。
デザートの「抹茶の宝箱」が気になる
メニューは千円前後の定食や丼ものが中心だが、丼ランチには必ずうどんがついてくる。どうも水山と同じく手延べの麺にこだわったうどんが売りらしい。せっかくなので、うどんメニューの中で最安の「民芸ちゃんぽんうどん」を頼んでみた。税込で896円なので、リンガーハットあたりよりはもう少し高い。
デザートのメニューも「お殿様の抹茶パフェ」など、何となく盛り方とネーミングに名古屋テイストを感じる。升の中に枯山水の庭園が表現された「抹茶の宝箱」も気になる。中身はアイスに白玉、グラノーラとマスカルポーネクリームらしいが、抹茶と黒豆を庭に見立てたセンスに脱帽である。
ごま油が香ばしい民芸ちゃんぽんうどん
民芸ちゃんぽんうどんは、とんこつ味でないしょうゆベースのスープにうどんが入っている。具は白菜中心ににんじん、豚肉、きくらげやタコも入っていてバリエーション豊富である。
普通のかけ汁だとあっさりしすぎるところ、ごま油を垂らして風味を高めている。さらに一緒についてきた胡椒をかけると香りがアップする。なかなか工夫がこらされた技ありの一品だ。
麺は少し扁平な断面形状だが、なぜかときどき幅広のものが混ざっていたりする。これもきしめんを連想させる名古屋アピールだろうか。
謎のうどん食べ放題イベント
お会計を済ませてレジの横を見ると、「手延べうどん食べ放題」のチラシが置いてあった。千円強で天ぷら付きのうどんが食べ放題…。ざるうどんがタワー上に積み重なったデザインを見ると、わんこそば風にうどんがエンドレスに出てくるのだろう。
うどんの食べ放題とは聞いたことがないが、具がないと飽きてしまいそうだ。「天ぷらは食べ放題でない」としっかり注釈がついているので、限られた天ぷらをいかにうまく配分して、うどんの単調さを紛らわせるかが勝負と思われる。こういうデカ盛り食べ放題な企画も名古屋らしいといえるだろうか。後日参加してみた。