6月期限の松屋株主優待券がもう少し余っているが、もうハンバーグは食べ飽きた。チーズ入りにトマトソースもデミグラスソースも満喫したので、牛丼以外の松屋系列店を開拓してみたいと思う。
松屋がとんかつ屋を始めたのは知っていたが、いまいちなじみがなかった。調べてみると最近店舗数が増えて、立川駅では北口にも南口にもあるらしい。さらに北口店の2階には「ヽ松(てんまつ)」というお店までできていた。こちらは同じとんかつでなく天ぷらで、そばのメニューもある。ただし優待券の使用可能リストには入っていない。
天丼(梅)で500円のワンコインだから、てんやの天丼並盛と同じ値段だ。牛丼より天丼・カツ丼の分野にまだ開拓の余地ありということで、一気に殴り込みをかけているようだ。どちらも揚げ物なので毎日食べたいとは思わないが、日本人的に「牛丼より上品な料理」という認識があるのか、わりと高齢層のお客さんも見かける。
トマトチーズのおもしろトンカツもあり
ひらがなの「松のや」と漢字の「松乃屋」で違いがあるのかわからないが、とりあえず今日はいったのは松のやの方。松屋と同じ券売機式だが、優待券があるのでそのままテーブルに案内してもらう。
優待券でオーダーできるのは、カツ丼、定食ともに上のロース150gまで。ヒレかつやささみかつもいけるが、とりあえず一番値段が高い690円のロースかつ定食(上)をお願いした。
店舗限定だが、上ロース100円引きとか、おろし/味噌ロース定食ワンコインフェアのキャンペーンが開催されている。中には「たっぷりチーズのトマトささみかつ定食」など、松屋のハンバーグを彷彿させるおもしろメニューもある。トンカツにチーズは合いそうだが、トマトソースはどうなのだろう…。
「かつや」感謝祭より安い「松のや」
先日100円引き券を使って再訪した「かつや」の方では、期間限定の感謝祭で160gのダブルロースかつ定食が税込み853円。
これでも通常より160円引きなのだが、松のやの上定食はデフォルト690円なので、ずっと安い。このまま店舗が増えれば「かつや」は「松のや」に駆逐されそうだ。
150gの上ロース定食はかなりのボリューム
ロースかつ定食の150gはなかなか圧巻のボリューム。極厚切りのトンカツを大きめに5分割して、真ん中はあえて断面を見せて肉の厚みをアピールしている。油はよく切ってあるのでさほど必要性はなさそうだが、とんかつ部分には金網が敷いてある。皿と接触してかつが冷えるのを抑える効果はあるかもしれない。
さらに謎のゴマとすり鉢がついてきた。とんかつにかけるためと思うが、何となく金網の下に落ちたりして食べにくくなりそうだったので、ゴマはご飯にかけて食べた。さらに、カツカレー用なのか福神漬けが盛り放題というのがうれしかった。漬物が豪華、味噌汁付きというのも、かつやと変わらないサービスだ。
とんかつ用には中濃ソースと特製ソースの二種類が用意されている。特製の方は結構薄めで脂っこいとんかつにかけてもあまり味が感じられない。ステーキのどんのオニオンソースのような感じだ。中濃ソースより濃い味が好きなら、卓上には醤油も置いてある。
最近かつやでは80gの梅ばかり食べていたが、上の150gとなるとかなり食べごたえがあるとわかった。スーパーで売っているとんかつ用豚肉の2倍…いや3倍はありそうな厚みなので、3切れくらい食べただけでもうお腹いっぱいになる。ご飯もなかなかの盛りっぷりで大満足だ。カレーではないが福神漬けをたくさん載せていただいた。
サービス券がもらえるのも「かつや」っぽい
松のやでは、ついでにサービス券がもらえるところまで「かつや」っぽい。株主優待と併用できるかわからないが、今度行ったらコロッケ1個でもサービスしてもらおうと思う。
松屋のかつどん新業態は、ネーミングからなにから既存の「かつや」を意識して勝負を仕掛けているようである。味もボリュームも悪くなく値段が安いとなれば、結構流行りそうだ。かつやもてんやも、他にライバル店が思いつかないので、もはやレッドオーシャンな牛丼業界から他の丼ものに進出しようという松屋の戦略は正しいかもしれない。
吉野家もゼンショーもとっくに多業種展開しているので、これまで牛丼一筋だった松屋の方が不思議ともいえる。その分、財務状態は健全で投資先としては魅力的だったのだが、いきなりファミレスとか回転寿司でなく、カツ丼・天丼に進出というのが堅実さが松屋っぽい。
牛丼屋で培ったメニュー開発のノウハウを駆使して、トマトとんかつならぬブラウンソースとんかつとか、いろいろ挑戦してみてほしいものだ。松屋のトンカツ屋に今後も期待したい。