株主優待でかっぱ寿司へ。ロボットが握る100円回転寿司の味は?

アトムとカッパ・クリエイトの株主優待カード。東京都内ではコロワイド系の店舗が使いやすいが、かっぱ寿司は郊外にも広く分布している。せっかく株主になったので、ランチタイムの営業状況を見てみようと、近くの店舗を訪問してみた。

スシロー上場だが、売上下方修正のかっぱ寿司

回転寿司といえば土日は常に混んでいる印象だが、大手3社(かっぱ寿司、くら寿司、スシロー)のうち、未上場だったスシローのIPOが正式に決まった。株主優待も行われるようなので楽しみだが、利回りはくらコーポレーション並みにしょぼくなりそうだ。

一方、かっぱ寿司といえば先日、業績の大幅下方修正が発表されたばかりで雲行きが怪しい。他のコロワイド店舗で転用できるとはいえ、優待カードは使えるうちに使っておいた方がよい気がする。

ロードサイドのかっぱ寿司は最近リニューアルしたとのことでピカピカの外装。300mもいかないところにくら寿司もあり、ほかにもファミレスや牛丼屋がひしめいている幹線道路で競争は激しそうだ。看板は巨大だが、飲食店にしてはやけにあっさりしたデザインが無印良品のようである。

特にランチ専用メニューはなく、基本1皿100円(税抜)で2貫のメニューを淡々と選んでいく。得ネタ・旬ネタ・極みネタは1貫で100~180円だったりするが、さほど違いがわからない自分は100円で修業を積むとする。

卓上のタッチパネルでオーダーすると、自分の座席の色に合わせて運ばれてくる。魚べいの高速レーンのように目の前で止まってくれないので、取り逃さないように緊張する。お客さんが増えてくると皿の色がかぶるので、ネタで見分けるのに間違えそうだ。

魚屋路の半額以下だが悪くないかっぱ寿司

メニューを見ると、マグロもサーモンも貝類も定番にぎりはすべて100円。高級そうな赤貝まで100円なので試してみたかったが、残念ながら完売だった。タブレットに表示されるネタはメニュー表の半分くらいで、季節柄出ていないネタも多いらしい。

とりあえず寒ブリとか頼んでみたが、先日魚屋路で食べた260円のものに比べると半分くらいのボリュームに感じた。さすがに目の前でさばいてくれたネタに比べると新鮮味も違う気がしたが、それでも100円なら悪くない気もする。

軍艦のウニも100円。この値段ならまあ許せるかというサイズのネタが乗っていて、味もウニで間違いない。これもこれでいい。

同じ100円でも手間のかかりそうな炙りもの。その中でもさらに複雑そうな「ステーキ風まぐろ焦がし醤油直火炙り」とか「サーモンチーズマヨ直火炙り」を頼んでみた。

シンプルなまぐろ単品に比べるとネタの厚みが半分くらいになっているが、一応炙ってあって醤油味もする。

サーモンはチーズにマヨネーズまで乗せると、味はうまいが何の食べ物だかわからなくなる。

最後はいなりと卵の合盛り、鉄火巻で締めた。これらも普通においしい。今日は8皿食べて税込864円だった。優待ポイントの精算システムもコロワイド系列店と同じだ。

100円の回転寿司はロボットが握っている

最近の回転寿司のシステムをよくわかっていなかったが、100円均一のところは職人でなくロボットが握っているそうだ。鈴茂器工やオーディオテクニカが製造していて、Youtubeの動画を見るとなかなか興味深い。テンポよくシャリや巻物が量産される光景は見ていて飽きないので、ロボット寿司として、むしろ厨房を見せた方が盛り上がるのではないかと思う(公式サイトには、機械が握っているとかは一切書かれていない)。

どうりでシャリの握り方が少しゆるいと感じたが、寒ブリ以外は魚屋路と味の違いがわからなかった。魚屋路でまぐろは160円だが、サーモン・ぶりは210円。職人が握っておよそ2倍の価格となれば、今のところ自分には100円寿司で十分だ。いずれ物足りなくなったら、かっぱ寿司の極みネタを攻めるか、魚屋路に通う日が来るかもしれない。

寿司といえば、昔は来客用に築地の高い寿司屋も開拓していたが、人付き合いが減ってめっきり行く機会がなくなった。江戸前の味付けしてある凝った寿司もおもしろいが、自分一人で食べるなら100円回転寿司でもスーパーの値下げ品でも満足できる。寿司を食べるスタイルはピンからキリまであるので、TPOに合わせてお店を選べばよいのだろう。