渋谷ヒカリエのカイルア・ウィークエンド(ゼットン株主優待)

読みにくい名前だが、渋谷のヒカリエ7階にKailua Weekend(カイルア・ウィークエンド)というハワイ料理のお店がある。ここで、ゼットンという会社の株主優待券が使える。

ゼットンの優待はロイヤルホストと同じく、持株が増えるほど還元率が増えるレアな方式だ。使える場所は限られるが、しゃれたお店が好きなら優待目当てで集中投資してもよいかもしれない。

ついでに横浜マリンタワー、名古屋テレビ塔、徳川園、徳川美術館の入場券ももらえる。マリンタワーはまだしも、名古屋の優待券は東京でもらっても、なかなか使いづらい。

ゼットンの社名の由来

原宿~表参道を中心にハワイ料理を提供している会社だが、気になる社名の由来について調べてみた。公式サイトには説明が見つからないが、Wikipediaによると舌と呑むで、舌呑(ぜっとん)ということらしい。名古屋に本店を置く会社でもあり、何となくB級グルメの香りがする。

ある程度の年齢の人なら、ウルトラマンの怪獣ゼットンとしか思いつかないだろう。最後のアルファベットZという名前の通り、ウルトラマンを死に追いやった最強の怪獣である。

バルタン星人と似ているが、顔があるのかどうかも定かでない抽象的な外観が、底知れない凶悪さをあらわしている。改めて描いてみると、腹に卵を抱えたゴキブリに蛾の触覚を付けたようで、かなり気色悪い。四肢はナメック星人のようだ。

飲食店としてはどうかという気もするが、とりあえず強そうだし社名としては悪くないと思っていた。世の子供たちを恐怖のどん底に陥れた最強の怪獣が、ハワイ風のレストランで東京を侵略しようとしている。

ヒカリエの7階でアサイーボウルを食べられる

渋谷駅東口直結のヒカリエは、地下深くに移転した東横線からのアクセスがよい。高層フロアの飲食店も数が豊富で、ごみごみした街中に繰り出すより便利だ。

夕方 5時過ぎの店内は半分くらいの埋まり具合だが、結構混むお店なのか早い時間なのに「2時間制です」と念を押された。最近、藍屋とか和食よへいとか、渋い和風ファミレスでシニアに混ざって食事ばかりしていたので、若向きのお店で緊張する。

客層は仕事の打合せをしているグループや、女性の一人客が目立っていた。早めに仕事を上がって、ストレス解消に生クリーム山盛りのパンケーキを突っついているようだ。

アサイーボウルに興味があったが、1,000円の優待券では少々お釣りが多くてもったいない。150円のマラサダと組み合わせられないかと聞いてみたが、そちらはテイクアウト専用とのことだった。

カイルアのふりかけフィッシュプレート

無難にロコモコでもよいかと思ったが、最近ステーキのどんやガストでハンバーグばかり食べている気がする。たまには魚を食べようと思って、920円の「タルタルFURIKAKEフィッシュ・プレート」をお願いしてみた。

テーブルの上でSPAM缶が小物入れとして使われている。さすがにヒカリエの高級店でスパムを出すのはどうかと思ったが、飾りだけでメニューには含まれていないようだ。

ワンプレート千円の価格は場所柄しょうがないかと思ったが、見た目以上にボリュームがあって満足できた。店員さんが料理の説明をしてくれて、ルッコラと○○…何か聞き慣れない名前の野菜だったが、2種類のサラダもおいしかった。

ご飯は何らかの雑穀が混ぜ込んであり、圧縮してあるが茶碗一杯分は量がある。魚も味付きのふりかけと一緒に揚げているようで、タルタルソースをつけず、そのままでも十分食べられる。写真では隠れているが、後ろにカボチャを練ったサラダもある。

ハワイ料理というと、アボカドとか野菜多めでヘルシーに思われるが、ハンバーグとか揚げ物中心で味付けも濃い目に感じる。基本的にファーストフードだが、マクドナルドにサラダメニューがあるように、ちょっとだけ野菜を加えて罪悪感を弱めようとしているのかもしれない。

ハワイの揚げパン「マラサダ」は売り切れ

カイルア・ウィークエンドの隠れた名物は、マラサダという揚げパンである。お店に入らなくてもテイクアウト用の窓口で、1個150円で購入できる。物価の高い渋谷駅界隈で、手軽に買い食いできるスポットでひそかに重宝していた。

しかし19時の閉店前にも関わらず、マラサダはすでに売り切れだった。ここに行列ができているのは見たことがないが、ヒカリエ名物として口コミで人気がでてきたのだろうか。

よく考えれば、デパートの高層飲食フロアで150円のジャンクフードを販売しているというのもおかしな話だ。ほかの店舗にも迷惑に違いない。カイルアのマラサダは、どん亭のワンコインランチのように、極めて数量を絞った「おとり商品」なのかもしれない。

勝手な妄想だが「わざわざ7階まで上がって来たのに売り切れとは悔しい。憂さ晴らしにパンケーキでも食べてやろう」という顧客の心理を狙っている気もする。