土用の丑の日は株主優待で磯丸水産へ。千円以下で食べられるうな丼

前回、ディナータイムのお会計時にもらった磯丸水産の「雨の日クーポン」。500円引きとわりがよいので、毎日天気予報で降水確率を見張って使える日を待っていた。しかし連日の猛暑で0%の日が続き、気がつけば有効期限の7/20を迎えてしまった。

7月前半の長雨はすごかったが、その後は一転して晴天続き。まさか1週間待ってもクーポンを使える日がないとは残念だった。気を取り直して、単価が安いランチタイムに今度はウナギを食べに行ってみた。

上村うなぎ屋のうな重

土用の丑の日。ウナギの旬は秋から冬だが、そもそも天然もののウナギは貴重すぎて食べた記憶がない。先日、出張ついでに行ってみた熊本の老舗うなぎ店でも、仕入れは宮崎県産の養殖ものとのことだった。

人吉市にある上村うなぎ屋は行列ができる人気店。ちょっとがんばって頼んでみた、うな丼より高い「うな重2,900円」。豪華な重箱の蓋を開けると鰻がぎっしり。さすが値段に見合うボリュームで大満足だった。東京の名店で同じ値段を払って食べるより、2倍くらいうなぎの量が多く思われた。

九州におけるうなぎの焼き方は謎だが、上村のうなぎはどちらかというと、関西風のパリッとした焼き方に近い。醤油が甘口文化なせいか、タレもやや甘めに感じた。

昔は「近所の川で子供がうなぎを捕って売りに来ていた」という話だ。数年前に大阪の淀川でうなぎが捕れると話題になったが、この熊本内陸の盆地まで、マリアナ海域の産卵場所からわざわざ遡上してきたのだろうか。日本三大急流の球磨川を上ってくるとは、ウナギの生命力ははかり知れない。

いまだに生態が謎というニホンウナギのミステリアスさが、ウナギ料理の価値を高めている。実は世界のどこかで完全養殖に成功して、がっぽり稼いでいるウナギ長者がいてもおかしくない。原油のように、価格を見ながら流通量をコントロールしているのだろう。

株主優待で食べられるうなぎ

1,000円以下で食べられるうな丼が天然もののはずはない。養殖ならビニールハウスで年中飼育されているので、むしろニーズに合わせて多めに出荷される7~8月の方が安くてよさそうだ。暑さが続いて夏バテ気味だったので、ぜひウナギを食べてスタミナをつけたいところ。

学生時代、夏になると毎年食堂にうな丼が出ていたのでよくごちそうになった。外で食べようと思えば敷居の高い専門店しかなかった気もするが、最近は牛丼チェーンでもうなぎを扱っている。

株主優待で食べられるうなぎ料理といえば、最安ラインは吉野家の鰻重一枚盛。790円で軽く牛丼2杯は食べられる値段だが、鰻重としては格安である。

先日、夢庵にランチに行ったら季節のうなぎ料理を勧められたが、こちらは吸い物付きで2,499円。せいぜい599円で日替わりランチが食べられるファミレスとしては破格の値付けだ。鹿児島県産なので食材の質はよさそうが、うな重に2,000円出すなら、野田岩や神田のきくかわで楽しみたい。

磯丸のうな丼は千円以下でお吸い物付き

磯丸水産のうな丼は税込971円で味噌汁付き。吉野家よりは高級だが、国産うなぎとはうたっていない。クリエイトの優待券500円を2枚分漏れなく使うため、150円の単品ネギトロも追加してみた。

「寿司屋の味噌汁は外れがない」と思っているが、磯丸水産のも例外ではなかった。魚介のダシがよく出ていて、牛丼屋のインスタントな風味とはレベルが違う。磯丸のうな丼には、追加オーダー100円以上の価値あるお吸い物が付いてくる。

千円以下のうな丼なのでさほど期待はしていなかったが、平日ランチにはちょうどいいくらいのボリュームだ。上村うなぎ屋の2,900円うな重は、たまの法事に親戚が来たら連れて行くというような、よそ行きのごちそうというイメージ。サラリーマンの普段使いには、磯丸のうな丼でちょうどいい。

通年提供してほしいうな丼

出本は不明でもうなぎはうなぎ。味も焼き加減も悪くなかった。磯丸水産だと、他の海鮮丼に比べてうな丼がとりわけ高いというイメージはない。食材が手に入るなら、年中提供しても売れそうなメニューに思われた。

絶滅危惧種で年々希少価値が上がっているウナギだが、ハモや穴子より脂の旨味があってやはりおいしい。養殖でも輸入でも安価に食べられるなら大歓迎だ。