SFPホールディングスの株主優待といえば、使いやすいのはやはり磯丸水産。
額面1,000円のチケットを使ってアレンジした海鮮丼と、昼定食の4種類を紹介したい。
(2020年2月21日更新)
クリエイト優待ならマグロ丼
SFPの親会社である、クリエイト・レストラン・ホールディングスの株主優待も磯丸水産で使える。
ただしクリエイトの食事券は500円単位なので、どうしても安い丼ぶり中心にちまちま使ってしまう。
- まぐろ丼
- まぐろ2色丼(マグロとビントロ)
- まぐろ漬け丼
- ビントロまぐろ丼
- ねぎトロ丼(マグロとネギトロ半々)
※すべて税抜き590円
まぐろ尽くしになるが、以上5種類の最安メニューをローテーションすれば飽きることはない。急いでいるときは、まぐろ漬け丼を注文すると早めに出してくれる。
同じ値段なら2種類のマグロを食べられる2色丼か、ネギトロ丼を頼みたくなるところ。
あえてシンプルなまぐろ丼を頼むのは、脂肪分を排して摂取カロリーを抑えたいとき。ダイエットもしくはアスリート向けの高たんぱくメニューだ。
逆にネットリした脂を楽しみたいならビンチョウマグロやネギトロ丼。普通のマグロと同じ値段で、脂の乗ったトロっぽい味覚を楽しめるのはお得だ。
ネギトロはマグロの中落ちやすき身に油脂を混ぜた物なので、どちらかというと人工的なジャンクフードという感じ。赤身のマグロだと淡泊すぎて、ビントロより味の変化を楽しみたいならネギトロ2色丼もありだ。
SFP優待で丼ぶりプラスアルファ
SFPの千円券なら、マグロ5種より高い丼ぶりも予算の範囲内。
海鮮こぼれ丼やイクラ雲丹丼でなければ税込1,000円に達しないので、オプションでネギトロや味噌汁を追加すればいい。
例えば昨年6月に期間限定で提供されていた「サーモン2種食べ比べ丼」。オーロラと津軽の2種類楽しめる丼ぶりは790円だった。これにネギトロを加えてさらに豪華なミックス丼を自作することができる。
ほかにも「貝3種丼(880円)」といった微妙な価格帯のメニューに、100円のとろろを合わせたりすることもある。
コスパを考えればマグロ丼のバリエーションで十分。しかしたまにはこうした変わり種にトッピングを加えて、豪華な海鮮丼をアレンジしてみるのも楽しみだ。
休日や夜間に入店して丼ぶりメニューが高いときは、889円の「雲丹クリームパスタ」を頼んでみたりする。
値段の割にウニの量は控えめだったので、これなら夜の定番「磯丸の蟹チャーハン(599円)」を頼んだ方がよかったかもしれない。
夜間の居酒屋タイムは締めとして、同じ値段で「鳥良の鶏らー麺」も選べる。
599円の主食を選んだ場合は、「ヤリイカのトマト煮込み」(499円)などと組み合わせると金額のきりがいい。
299~399円の肴メニューでは物足りず、ひとりで貝やイカを焼くのも寂しいものだ。浜焼きは同店の名物だが、調理が面倒くさそうなのでまだ試したことがない。
ランチタイム昼定食の違い
そして磯丸水産のランチタイムには、丼ぶり以外の昼定食が用意されている。
いずれも800~900円台の高価格帯になり、ボリュームも総じて大きめ。生海苔味噌汁でなくうどんを選ぶと、刺身ベースでも相当腹いっぱいになれる。
2020年2月現在の定食ラインナップは以下の4種。
- 大判アジフライ定食…860円
- 鯖の塩焼き御膳…860円
- まぐろ2種盛り定食…990円
- お刺身の盛り合わせ御膳…990円
上記価格は税抜きだが、半年前はそれぞれ852円、991円だった。消費税10%の増税に合わせて、いつの間にか本体価格も値上がりしたようだ。
「定食」「御膳」と名前が違うとおり、御膳の方にだけポテトサラダとプチデザート(杏仁豆腐)が付いてくる。いずれもごはんの大盛りは無料で、味噌汁かうどんを選ぶことができる。
とろろうどんか味噌汁か
単品メニューで比べると、生海苔味噌汁100円に対して「とろろこんぶうどん」は180円。見た感じ中身は一緒なので、うどんを頼んだ方がお得といえる。
しかしおかずとの組み合わせによっては、うどんだと食べ切れないくらいの量になってしまう。
食べたことのない定食メニューを開拓すべく、今期のSFP優待を使って4品順番に試してみることにした。
鯖の塩焼き御膳
もともとサバ好きなので、磯丸で昼定食といえばこれを頼むパターンが多い。
昨年末に10周年記念の鯖カレーが特別価格で出たときは、ひたすら鯖ばかり食べて優待券を消化してしまった。
SFP1,000円コースの場合は端数が出るので、キムチやとろろなど安い単品を組み合わせる。オプションでうどんを選べば、こんな豪華ランチをあつらえることができる。
この日の週替わりおかずはコロッケ。そして別の日に訪れると、めずらしいことにチーズ入りのアジフライが出てきた。
たまには大判アジフライの定食を頼もうか悩んでいた時だったので、これはうれしいサプライズ。サバとアジを両方楽しめて、さらに一品ネギトロ追加という盛りだくさんのランチになった。
磯丸水産の塩焼きサバは半身でそこそこ大きい方。いつ頼んでも脂が乗っていて外れがない。昨年不漁で価格が高騰したサンマに比べれば、いまのところ安定供給される無難な大衆魚といえる。
この日はオプションを味噌汁にして正解だった。塩焼きに揚げ物、ポテトサラダも加えてさらにとろろうどんだと、ご飯並盛でも破壊的ボリュームに近くなる。
お刺身の盛り合わせ御膳
同じく「御膳」扱いのお刺身盛り合わせ。今日はマグロとサーモン、カンパチという品ぞろえだった。
見た目的に刺身が4種類あるかと思ったら、白身はカンパチがダブっていたのでちょっとがっかり。
しかしカンパチは丼ぶりで頼むとサーモン・イクラ同等の高級魚。マグロでなくこれが2倍あるのはサービスといえる。
3切れずつある刺身の裏には、大量のツマが仕込まれている。お刺身盛り合わせの影の主役はこの大根と大葉。水気がやや多いが、地味なツマ好きにはたまらない一品だった。
家では生の大根など食べないから、口直しというより消化促進・栄養向上の積極的メリットが大きい。磯丸水産に「ツマだけ単品」なんてメニューはないので、ここぞとばかりにおいしくいただいた。
今回のおかずはめずらしく揚げ出し豆腐。タレが濃いのでご飯がすすむうえ、デザートのアンニンドウフも甘みが増したように感じられた。
まぐろ2種盛り定食
マグロの赤身とビンチョウをたっぷり乗せた、マグロ好きのための定食メニュー。
ほかのお客さんが頼んでいたものと見比べた結果、刺身の部分は単品「まぐろ2種盛り(699円)」とまったく同じらしい。
これにご飯と味噌汁またはとろろうどん、漬物・おかずが付いて990円という定食セットになる。価格は高いが「御膳」ではないので、ポテトサラダとデザートは付いてこない。週替わりの一品は普通のコロッケだった。
マグロの刺身は一見して身が分厚い。安い方の丼ぶりに乗ってくる刺身に比べると、およそ2倍は厚みがある。そのせいか、ビントロの方は普段とまったく違った滑らかな舌触りに感じた。
今までは単に「マグロの白い版」としか認識していなかったビンチョウ。しかしステーキ並みの厚切りになると、中トロくらいの贅沢な霜降り肉に感じられる。赤身の方は相変わらずがっしりした噛みごたえで、2色あると飽きずに両方楽しめる。
マグロはどちらも4枚ずつあり、普通の丼ぶりだと各8枚くらい。厚みが2倍だとすると、この盛り合わせだけで丼ぶり2杯分のネタの量に相当する。
吉野家の「アタマの大盛り」に相当する豪華なつまみ。磯丸で飲むなら下手に貝とか頼んで焼くよりも、まぐろ2種盛りをつついた方がお得な気がする。
おかずのコロッケは特に工夫がなく、スーパーに行けば1個50円くらいで売られているレベル。この定食はあくまで桶に盛られた肉厚マグロがメインだった。
大判アジフライ定食
定食4種のなかでも最も地味なアジフライ。
スーパーでも買える安い惣菜を、刺身がメインの磯丸水産でわざわざ食べる理由が思いつかない。気が進まず後回しにしてきたが、定食全種コンプリートのため注文してみた。
午前中に高尾山に登山してきたため、お腹はペコペコ。ご飯は大盛りのうえ味噌市汁ではなく、とろろうどんを選択した。
テーブルに届いた料理を見て仰天。アジフライが予想以上にでかい。
大人が手の平いっぱい広げたくらいの面積がある。こんなに巨大なアジフライは他で見たことがない。「大判」というのはウソではなかった。しかも2枚ある。
見た目が派手なだけでなく、味もそれなりのクオリティー。そもそも揚げたてのアジフライなんて、そうそう味わえる代物でもない。さすが磯丸水産は魚のフライにも抜かりがない。
アジフライが新鮮なせいか、ソースをかけなくても素材の味を楽しめる。しかし途中から飽きてくるので、2枚目は付属のブルドックソースとからしをつけていただいた。
ソースをかけすぎると魚の風味が消えてしまうので、ほんの数滴落とす程度でいいと思う。
ちなみにこの大判アジフライは1枚499円の単品でも注文できる。この金額・内容の揚げ物が2枚付いてくるとは、なかなか太っ腹なランチ定食だ。
差額調整のために追加注文したのが、比較的少量のとろろでよかった。味はついていないので醤油を垂らし、ご飯にかけて味の変化を楽しめた。
うどんは汁を吸ってのびてしまったのか、なぜかおつゆがほんの少ししか入っていない。そのわりには、とろろ昆布がたっぷり乗っているので、若干塩気が強すぎた。
大盛りライスもなかなか凶悪なボリュームなので、普通に考えると完食できるかきわどい量だ。ただでさえ磯丸定食のうどん変更は胃にたまるというのに、今回は揚げ物とのセットだった。
平常時であれば、さすがに途中で苦しくなったと思う。今回は登山中のおやつもスキップして腹を空かせてきたため、淡々と箸を進めて完食できた。
磯丸史上最大のボリューム
磯丸水産の大判アジフライ定食は、メニューの写真ではわからない破壊的なサイズだった。
普通の丼ものなら大盛りは100円アップ。定食のご飯は無料で増量りできるため、860円でもリーズナブルと言えなくない。
「ご飯大盛り+うどん変更」のオプションにより、費用対カロリーは磯丸最大級のデカ盛りランチに化ける。
とろろと合わせて税込合計1,056円。優待券の差額は電子マネー不可なので、おとなしく現金でお支払いして今期のSFPチケットはすべて終了した。
昨年中にクリエイトもSFPも株式は売却してしまったので、しばらく磯丸水産に行けるあてはない。新型肺炎の流行がひと段落したら、また買い戻してもいいかなと思う。