はま寿司のとろ三昧セールでトロ縛り6品堪能。ニシンやイワシまで…

昨晩、近所の温泉にあるサウナでぼんやりテレビを眺めていたら、はま寿司のCMが目に入った。以前、魚屋路で見かけたのと同じ「大とろ100円セール」…平日なら税抜90円なので、はま寿司の方がさらにお得か。

ウェブサイトで確認したところ、さらに穴子やイワシのとろも100円という「冬のとろ三昧」キャンペーンだとわかった。マグロやサーモン以外のトロなんて食べた記憶がない。期間限定ということもあるので、さっそく翌日のランチタイムに、はま寿司に向かってみた。

受付にペッパー

混んでいそうな時間を外して13時過ぎに訪れたが、平日でも数名並んでいる。魚屋路ならまず空席がある時間帯だし、同じ価格帯のかっぱ寿司でも待たされたことはない。大とろキャンペーンのおかげか、「平日90円」という宣伝効果のおかげか、回転寿司の中でも人気があるようだ。

久々に来たお店では、順番待ちのチケット発行機がペッパーになっていた。完全に置き換わったのではなく、タッチパネル部分だけ移植して連動させている。はじめてペッパーと真剣に向き合い、コミュニケーションをとった気がする。

ロボットがお店のユニフォームを着ているが、見た目は別にどうでもいい。順番が呼ばれると、レシートに印字された番号を入力して座席の札をもらうという、妙な認証システムも導入されていた。ほかのお客さんになりすまして席を横取りするトラブルでもあったのだろうか。ユーザーとしては手間が増えるだけなので、意図がよくわからない。

さらにいただけないのは、発券機からチケットが出てくる勢いが強すぎて、紙が床に落ちてしまう点だ。癖がついて丸まったチケットが、券売機の奥深くに転がり込んでしまい、床に這いつくばって手を伸ばす羽目になってしまった。2回ともそうだったので、単に運が悪かったというより機械の設計ミスに思われる。

とりあえずトロ縛り5品

今日は「とろ三昧」目当てで来たので、ほかのメニューには目もくれない。ひとまず卓上に並んだとろ関連のメニュー表を左から順番にオーダー。卓上のタブレットでは、どうやら4皿ずつしか注文を受け付けてくれないらしい。

注文を待っていると、はま寿司の回転システムが2段構成の高速レーンに置き換わっていることに気づいた。

いまどき、目の前をぐるぐる回り続けている、乾いた寿司ネタを手に取る人も少ないのだろう。「衝動取り・宣伝効果」より、食材廃棄コストの方が高くつきそうだ。「無駄なゴミを出さない」という意味では、歓迎したいリニューアルに思われる。

2回に分けて注文し、手元にそろった大とろ5品。

  • 大とろ(マグロ)
  • とろびんちょう
  • とろ穴子
  • とろにしん(酢〆)
  • とろいわし

大とろ、びんちょうは察しがつくものの、にしんやいわしのトロがどんな味なのか興味津々。大とろはさすがに100円で1貫だが、ほかのは2貫ずつもらえるのもありがたい。

大トロよりビンチョウがうまい不思議

とりあえず一口目は大とろから行ってみたが、何となく「柔らかい魚だな」くらいの印象で終わってしまった。はま寿司の寿司ネタはすかいらーく系の魚屋路に比べるとやや小ぶり。そこは職人とロボット製造、コストの差だともいえるが、どのネタも一口でパクパク食べられてしまうので味気がない。

次に食べた「とろびんちょう」は、期待通りのマグロの脂身という感じだった。なぜか大トロよりビンチョウの方に旨味が多い。2個目もよく味わいながら食べたが、個体差というわけでもなさそうだ。

マグロの大とろというのは、庶民が食べ慣れない異国の料理に近いといえる。むしろ脂の乗ったビンチョウの方が、慣れ親しんだお寿司の味で素直に楽しめるのかもしれない。

穴子のとろについては、心持ち脂肪分が多いかなと感じる程度。にしんは酢締めだが、いわしの方もやや生臭くて変わった味がした。この3品は別にとろでなく、普通の寿司ネタでいいかなと思った。

大とろサーモンは元々100円

とろメニューのうち「大とろサーモンいくらのせ」は150円だが、「※いくらなしもございます」と下に注釈がある。サーモンは今回のキャンペーンと関係なく元から100円の定番メニューだが、比較のため追加で注文してみた。

大とろサーモンは「山わさび」と付いている方のメニューを選ばないと、さび抜きになってしまう。こちらはまあ、想像通りの脂身が多いサーモン。やはり通い慣れた魚屋路よりシャリもネタも小ぶりで、ちょっと寂しい。

近年、アンチエイジングや美容効果が注目されるサーモンだが、とろになると効果が薄まってしまう気がする。値段とサイズが同じなら、普通のサーモンでも楽しめる気がした。もともとマグロに比べれば油分多めなので、とろでなくても十分おいしい。

とろ三昧の後味

とろ三昧ということで今日は目当ての6皿食べて終了。これ以上トロばかり食べても飽きてしまってもったいないと思う。量は少なめなので胃にもたれる感覚はないが、最後は「かっぱ」か「かんぴょう巻き」でキリッと締めてもよかったかなと思う。

何となく寿司屋では、腹八分にとどめて巻き物で終えるのが正しい気がする。礼儀とか作法というより、「口の中がさっぱりする」という実用的な効果があるのだろう。

築地の寿司屋でお任せコースを頼むと、「最後に好きな一品」を選べるときがある。若い頃は当然、ここぞとばかりに大トロやウニを頼んだものだ。しかし後味としては、こってりしすぎて締めに最適といえない。

ここでぐっと気持ちを抑えてかんぴょう巻きでも注文すれば、お得意と認めてもらえそうに思った。いずれ歳を重ねれば、寿司屋で渋い頼み方ができるのだろうとも…

それから数十年経ってみると、郊外に引っ越してそもそも築地に行かなくなった。そして、はま寿司の平日90円寿司で十分満足してしまっている。人生どう転ぶかわからないものだ。