うかい株主優待でブラッスリーの巨大ロティサリーチキン感想

外食系株主優待における最高峰のひとつ、「うかい」の食事券を使って高級ランチをいただいた。

場所は東京・大手町のル・プーレ ブラッスリー。平日ランチで一番高い、2,750円のロティサリーチキンのセットを選んだ。

お値段相応に一人前としては巨大なチキン。たっぷり時間をかけて骨の髄までしゃぶりつくした。

うかい株主優待の使い道

うかいの優待は最低100株で、3,000円の食事券または特選牛肉をもらえる。

うかいの株主優待

現在は配当・優待利回りともそれぞれ1%を下回るくらい。運用先としては、あまりおすすめできない。

今回は株主優待のコレクター趣味で収集してみた。

ガラスの森チケットは使い切れず

もう一種類、うかいが運営する「箱根ガラスの森」の飲食券付き入場券が5枚ももらえる。せっかくなので、箱根観光のついでに2日連続で通ってチケットを消化してみた。

うかい株主優待~箱根ガラスの森美術館で連日パスタランチ
東京の八王子付近で高級料亭を展開する株式会社うかい。株主優待は100株で年1回3,000円の食事券がもらえる。さらに追加...

料理はよかったのでもう一度行ってみようかと思ったが、あいにく昨年の台風19号被害で箱根登山鉄道は運休・振替輸送中。

登山を楽しむにしても山道は荒れていそうだし、冬はかなり寒いだろう。残念だが2月末期限の残り3枚は、使うことなく終わりそうだ。

うかい鳥山・竹亭は高すぎた

通常版の優待券は八王子にある鳥山・竹亭を筆頭として、関東近郊「とうふ屋うかい」「うかい亭」などで使える。

うかいといえば、京王高尾山口の駅前に専用のバス停が設けられている。前から気になっていた例の送迎バスは、近くにある鳥山・竹亭まで連れて行ってくれるようだ。

いよいよ株主優待で未知のエリアを開拓できるかと思ったが、メニューを調べたら超高級だった。もっとも安い平日限定ランチコースで以下の価格。

  • うかい鳥山…お昼のコース5,370円~
  • うかい竹亭…昼膳 5,050円~

その他のレストランを調べても似たような価格帯。都心の店舗や言うに及ばず、とうふ屋の大和田店(八王子市内)が昼膳3,850円と若干安いくらい。

うかいの優待券で食事を楽しむには、単元株では間に合わなかったようだ。

ブラッスリーのランチなら3千円以下

しぶとく調べてみたところ、大手町にあるル・プーレ ブラッスリーなら平日ランチに手が届くとわかった。

最安で「本日の鶏料理のセット」が1,650円から。これならチケット1枚でも間に合う。

東京駅周辺の高級レストランなど、めったに行く機会はない。高尾山の隠れ家的な料亭はまた今度にして、リーズナブルなブラッスリーに行ってみることにした。

ル・プーレの立地と店内

ル・プーレは大手町といっても皇居の堀に面している。そのため東京駅3ブロックくらいの距離があり、歩くと10分ほどかかる。

ブラッスリーうかいのテラス席

観光客がふらっと立ち寄る雰囲気でもなく、近くで働くビジネスマン御用達という印象だ。

ほかのお客さんとしては、高そうなスーツを着た外国人のグループがランチミーティングにいそしんでいた。

ブラッスリーうかいの店内

暖かい季節ならテラス席から皇居の眺望を楽しめる。お堀の先は江戸城跡地の東御苑であるため緑も豊か。東御苑は無料で入れるエリアなので、食後に散歩してまわるのもいい。

平日ランチでロティサリーチキン

今回は3,000円の優待券を使うつもりで、一番高い「ロティサリーチキンのセット」(2,750円)を選んだ。2人で来たら鶏料理セット×2でもいいと思う。

ブラッスリーうかいのランチメニュー

チキンセットの構成内容はパン・サラダとスープ、チキンとローストポテト。食後のコーヒーは紅茶も選べる。

看板メニューのロティサリーチキンは、注文を聞いてからオーブンで焼いてくれるようだ。キッチンの奥にある専用のオーブンで、串に刺された鶏もも肉がゆっくり回転しながら火にあぶられていた。

スープとサラダ。パンはおかわり自由

焼き上がりを待つ間にパンとスープをいただいた。

説明によるとスープには北海道産エゾブタのソーセージが一切れ入っている。液体にひたされて柔らかくなっていても、しっかり塩味が効いていてコクのある味わいだった。

ブラッスリーうかいのランチスープ

パンは温めてもらえるが、少量ずつなのですぐに食べ終わる。その後2回おかわりをもらった。

続くサラダは生ハムとトマト。他店のランチに比べると、1人前にしてはサラダの量が多いと思う。トマトはドライトマトになっていて甘みが濃縮されていた。

ブラッスリーうかいのランチサラダ

ここまで早いペースで食べてしまったので、チキンが焼き上がるまで5分くらい待つことになった。

フライドチキンより油が少ない

プレートにゴロンと乗せられた鶏肉は2つ。ケンタッキー・フライド・チキンの2ピース分に相当する量だ。

ブラッスリーうかいのロティサリーチキン

骨付きステーキみたいな感じで考えると、さすが3千円近くの高級セットだけあってボリュームは半端でない。

ただしケンタッキーとは違って焼いている最中に油が落ちるため、皮はパリッとあっさりしている。フライドチキンより「巨大な焼き鳥」、もしくはフランス版ケバブといった感じ。

ロティサリーチキンは焼かれる前にハーブや香辛料で下ごしらえされている。食べるとほのかに香る程度で全体的に薄味。お皿に乗せられてくるマスタードを乗せて、好みの塩加減に調整する食べ方だ。

食感としては感謝祭に食べる七面鳥の丸焼きに似ている。プレートに振りかけられている緑色のものはグレービーソースで、まさにサンクスギビングデイ。

ターキーのかわりに小ぶりの鶏肉を丸ごと食べて、ひとりでパーティーしている気分が味わえる。

チキンは手づかみOKか

チキンは一応ナイフとフォークでいただくのだが、骨付きなのでなかなか身を外しにくい。20分くらい必死で鶏肉と格闘することになる。

おおむねナイフで取れる部分はそぎ落とせたと思ったら、最後は素手でつかんでかぶりつく。

ブラッスリーうかいのロティサリーチキン

お店の格からすれば、チキンをわしづかみするかどうか迷うところ。

欧米では骨付き肉を手づかみで食べる風習があると思う。しかしここは大手町の皇居前。ほかにチキンを食べているお客さんもいないので、どうやって食べたらいいか悩む。

どうせ自分ひとりだし、せっかくのチキンを骨に付いたまま残してしまうのはもったいない。あまり意地汚くならないように、おとなしく両手でつかんで骨までしゃぶらせてもらった。

卓上におしぼりはあったが、食後に新しいものと交換してもらえた。

ル・プーレのロティサリーは基本的に手づかみでもOK。ただし会食のメンバーによっては、ゲストや偉い人の食べ方に従うのが無難というイメージだ。

コーヒーにはピーカンナッツ付き

食後のコーヒーはお願いするとミルクも付けてくれる。さらにココアとキャラメル味のピーカンナッツが2粒付いてくるのがうれしい。

ブラッスリーうかいのコーヒー

お土産用としてしか買ったことのない高級品で、マカデミアナッツ入りのハワイアンホーストより上品な感じ。粉っぽくいため、チョコレートトリュフと似た食感になる。

ちなみにコーヒー用のスプーンは、見たことのない平べったい形状だった。あとから調べたところ、illy(イリー)のOMBRAというスプーンで市販されていることがわかった。

たしかにミルクや砂糖を混ぜるだけなら、へらのような形で十分。収納もかさ張らないし、水が溜まらず乾きやすい。

コーヒー用のスプーンとしては、案外合理的なデザインかもしれない。

丸ごとチキンでお腹いっぱい

お会計の際、金額が税込表示だったことに気づいた。

優待券を利用する場合はお釣りが出ないので、2,750円のロティサリーセットだと250円端数が出てしまう。

ブラッスリーうかいのレシート

ル・プーレでランチを楽しむなら「本日の鶏料理」を2セット頼む方が無駄がない。これをひとりで2人前注文することはできるのだろうか。

チキンが焼けるのを待ち、ナイフとフォークでじっくり食べたらトータル1時間かかった。ロティサリーチキンを頼む際は、時間に余裕をもって来店した方がいいだろう。

ブラッスリーうかいの庭園

1人前にしてはボリュームたっぷり。しかも油の少ないチキンなので、筋トレ・ダイエット用の高タンパク質メニューとしても使える気がする。

皇居のまわりをランニングしたあと、シャワーや銭湯で汗を流してからチキンを食べると気持ちよさそうだ。

駅ナカ洋菓子店でも優待は使える

うかいの優待券は、ほかにも「アトリエうかい」という洋菓子店で利用できたようだ。

同梱のパンフレットに記載がなく失念していたが、実はチケットの裏に書いてあった。

うかいの株主優待利用可能店舗

調布や品川の駅ビルに入っているので、クッキーやサブレの詰め合わせと交換するのもあり。予算1,000円程度から豊富に商品がそろっている。

箱根ガラスの森も含めて、うかいの株主優待は首都圏在住でないと使い切るのが難しい。地方であれば牛肉と交換するしか使い道がないだろう。

ただしうかいのレストランは普段縁のない高級店ばかり。本来は最低300株(優待9,000円分)くらい投資して楽しむべき銘柄だったといえる。

ブラッスリーうかいの外観

庶民としてはブラッスリーのランチでも十分、非日常体験を味わえた。

東京駅の近くとしては落ち着いたロケーションが穴場的。東京観光に来た知り合いを案内してもよさそうな気がする。