男は黙って松屋のカルビ焼肉定食【株主優待編】

6月末の優待券期日が迫ってきたので、週末のランチは最後の1枚を握りしめて松屋へ。牛丼チェーン店の中では、「値段に関わらずどれでも好きなメニューOK(※W定食は除く)」という粋な計らいのお食事券。月に一度の贅沢を楽しんできた。

50周年記念、牛焼肉定食500円キャンペーンの誘惑

松屋に50年の歴史があるとは知らなかった。ウェブサイトの会社沿革を見ると、確かに1966年、中華飯店「松屋」創業と書かれている。一方、吉野家はそれより67年も前の1899年に、魚市場で開業したらしい。100年の歴史を誇る日本の牛丼文化。このまま株式会社金剛組のような、世界最古の飲食チェーン店を目指してがんばってほしい。

普段は590円の牛焼肉定食がワンコインで食べられるのは魅力的に思われたが、優待券を使ってわざわざ値引きされているメニューを頼むのはしゃくなので、普通の焼肉定食よりちょっと高級なカルビ焼肉定食(630円)の方をオーダーしてみた。

後から店内のメニューを見ると、ブラウンソースハンバーグ定食に目玉焼きが載った650円のメニューが一番高かったので、ちょっと後悔した。W定食は追加料金が必要だが、ここまでなら優待券で頼めそうだ。

手作りのカルビ焼肉定食を再評価

カルビの肉は、注文してからシェフが鉄板で焼いてくれる。時間はかかるが、期間限定のトンテキ定食と同じで、手料理のぬくもりを感じる。焼肉には意外なことに大根おろしが添えてあって、濃いタレに飽きたら口の中をリフレッシュすることができる。

松屋でライス大盛りを頼むと、牛丼用のどんぶりに、これでもかという量で盛ってくる。たいていおかずが先になくなってしまうので、サラダ・味噌汁は最後まで温存しておいた方がよい。

前回頼んだ「豚バラ肉と長ネギの生姜焼き定食」はまだメニューに並んでいて、そちらに比べると、カルビ焼肉は味の深みに欠ける気がした。しかし定番メニューとして、いつ行っても食べられる安心感がある。

牛丼屋であえて割高の定食を頼むメリット

先日、日経新聞のコラムで、「牛丼屋ではどんぶりでなく定食を頼んだ方が、食べる時間が長く、よく噛むようになるので健康に良い」と書かれていた。「うまい、やすい、はやい」が売りの牛丼屋。注文してから出てくるまでは早くても、食べるのはゆっくり時間をかけた方が体によさそうだ。どんぶりの飯をかき込むよりも、箸を使って定食を丁寧に食べる方が、見た目もスマートだ。

たとえ懐寂しく牛丼屋の末席に連なることがあっても、大人としては余裕を持って優雅に焼肉定食を嗜みたいものだ。