ロードバイク自走で雲取山日帰り登山(鴨沢~三条の湯ルート)

奥多摩のハセツネコースはさんざん走ったが、雲取山にはまだ行ったことがなかった。東京都で最も高い山として、一度は登っておきたい百名山。7月末の日が長い休日に、鴨沢登山口~三条の湯経由で日帰り登山してみた。

ヤマレコ、雲取山

鴨沢登山口までは奥多摩駅からバスで向かうのが普通だが、通い慣れたルートなのでロードバイクで向かってみた。

往路の上りはウォーミングアップ、帰りは始終ダウンヒルという形になり、体力的には無理なく往復可能。多摩川サイクリングロード沿いに都心まで戻ると、100km超のライド&ハイクになった。

雲取山STRAVA雲取山STRAVA

鴨沢登山口~堂所

ソールがフラットなトレランシューズで自転車を漕げないこともないが、上り坂は少々きつい。引き足が使えないので、奥多摩湖までの登坂は少々時間がかかった。

11時に雲取山の鴨沢登山口に到着。バス停にはトイレが併設されていて、ちょっとした売店と自販機もある。これから登るには少々遅い時間なのか、登山口に戻ってくる人しか見なかった。

鴨沢の登山口

舗装路をしばらく登ると、村営の駐車場にたどり着く。夏休みの日曜でほぼ満車。もしかすると、林道沿いに自転車でここまで来ることができたのかもしれない。

いったん林道に出て、細い脇道から再び登山道に入る。

鴨沢からの登山道

尾根伝いの道だが、うっそうとした木が茂っていて眺望は期待できない。鴨沢から山頂まで10km以上あるはずだが、標高差も1,500mはあるので傾斜はそこそこきつい。

東京・山梨・埼玉の県境にあたる山奥とはいえ、百名山で人気があるのだろう。下ってくる登山客と何人もすれ違った。

日陰のせいか、路面はぬかるんでいるところが多い。防水仕様でないシューズだと、すぐに水がしみ込んできてしまう。ところどころ道をゆずり合うような狭い個所もあるが、岩場や鎖場は出てこなかった。

鴨沢からの登山道

出発から1時間ちょっとで堂所(どうどころ)のチェックポイントに到着。一休みしようにも腰かけられるベンチや岩がない。

堂所

適当にぶらつきながら補給を済ませ、手持無沙汰ですぐに出発した。

七ッ石小屋と水場

さらに進むと「七ッ石小屋」という山小屋に辿り着いた。ここで標高1,597m。いつの間にか霧が出てきて、まわりの景色は真っ白。

七ッ石小屋

山小屋ではペットボトルのドリンクを300円で売っている。少し先には水場があるので、そこで水を補給することもできる。

雲取山の水場

今回はトレランバッグに2リットルの水を背負ってきたので、さいわい途中で水が切れることはなかった。

石尾根縦走路~七ッ石山

途中でいくつか分岐点があったが、今回は七ッ石山経由で山頂に向かうことにした。

石尾根縦走路

しばらく歩くと「石尾根縦走路」という尾根道に合流。鷹ノ巣山と東西につながる尾根道で、道幅が広く歩きやすかった。それに比べると、七ッ石山の山頂はその名の通り岩ばかりでゴツゴツしている。ここからしばらく下って、また登り直す。

七ッ石山

石尾根は道が快適でトレランによさそうだと思ったら、南東から走って来る人たちと遭遇した。中には10人以上のグループもあり、普通の登山客よりランナーの方が多いほど。奥多摩駅から雲取山までかなり距離はあると思うが、尾根沿いに往復しているのだろうか。

石尾根縦走路

ヘリポートを過ぎてたところで鹿2頭に出くわした。丹沢の鹿はすぐ逃げるが、雲取山では近寄っても相手にされない。

雲取山の鹿

見た目はかわいいが、スギの木の芽を食べたりヤマビルを媒介したり、いまや害獣扱い。近くにある道の駅「たばやま」の名物は鹿肉のカレーだ。

雲取山山頂

これで山頂かと思ったら途中のピークに過ぎなかった。最後の坂を登って14時過ぎにようやくゴール。山頂にある山小屋では、寝袋を広げて仮眠を取っている先客がいた。

雲取山山頂付近の坂

標高2,017mの雲取山は東京都の最高峰。しかし山梨側を見ると、近くにもっと高い山がある。

雲取山の山頂

山頂には明治時代に設置された三角点がある。埼玉側にも登山道が通じていて、いろいろな方向から登ってくるお客さんで賑わっていた。

三条の湯ルートで下山

鴨沢ルートはぬかるみがきつかったので、帰りは少し遠回りして「三条の湯」方面に向かってみた。

山頂近くは急勾配だが、「三条ダルミ」の分岐点から長い下り坂が続く。トレイルランナーがたくさんいた石尾根に比べて、こちらは誰一人すれ違わない。路面状態も悪くないので、ほとんど走って下山できた。

雲取山、三条の湯ルート

ところどころ路面が崩壊した崖のような難所や岩場もある。通りがかる人もいないので、事故やケガには注意が必要。

kumotoriyama19

ほどなくして「三条の湯」に到着。奥多摩最深部にある秘湯にしては、意外なほど宿泊客がいて繁盛していた。ベンチで休んでいたら「温泉に入っていけ」とすすめられ、調べたところ600円で日帰り入浴も可能だったようだ。

三条の湯

あいにく汗だくで着替えを持ってきていなかったので、温泉に入るのはまたの機会にした。

林道後山線~青梅街道

三条の湯からしばらく進むと、林道後山線に接続。入口にマウンテンバイクが止めてあったので、ここまで自走してくる人もいるようだ。

林道後山線

10kmも続く砂利敷きの道を走って、ようやく国道411号に合流。走りやすいとはいえ、特におもしろみのない林道なので、普通に登山を楽しむなら鴨沢ルートの方がおすすめだ。入口にゲートはあるが、脇をすり抜けて自転車で侵入することもできる。

林道後山線

青梅街道をしばらく歩いて、出発地点に戻ったのは17時頃。下りは走って飛ばしたおかげか、日没前に下山することができた。登山口でバスを待たずに自転車で帰れるのが自走のメリットだ。奥多摩湖から青梅まではずっと下りなので、のんびり走って帰ることができた。

雲取山の日帰り登山、下りで走れば一日で往復することも十分可能だった。悪路も走れるMTBがあれば、林道経由で三条の湯からピストンするのが最短だと思う。