仕事はひまになったので、いつか取りたいと思っていた一級建築士の資格試験に再挑戦してみた。とりあえず学科は市販テキストとウェブの無料コンテンツのみ利用して、独学でのチャレンジ。過去問もろくに解けず決して十分な勉強量ではなかったが、学科はかろうじて合格できた。
専門学校の標準コースに通えば数十万は下らない学科試験。自分が払ったのは市販のテキストと問題集で、せいぜい2万円くらいだろうか。参考書の多くは図書館で借りて、ネットに出ていた無料教材も参考にした。
思い切り勉強に集中できる環境と時間がたっぷりあれば、学科は独学で受かるのも不可能でない。今回は単に運が良かっただけにも感じるが、どんな風に試験を受けたのか説明してみよう。
過去に受験経験あり
ずっと昔に受験資格を得られたタイミングで、一級建築士の試験を受けてみたことがある。興味本位だったのでモチベーションも上がらず、春先から仕事が忙しくなると、あっさり勉強をあきらめてしまった。法令集の線引きどころか、インデックスシールを貼る時点で挫折してしまった根性なしだ。
7月には一応受験会場に行ってみたが、適当に選択肢を選んでもまったく当たらず不合格。最後まで会場に残って課題文を持ち帰ったので、「どんな問題が出て、どのくらいの時間で解くのか」という試験のイメージだけはつかめた。
4月中旬から勉強開始
生活に余裕が出てきたので、久々にまた一級建築士でも受けてみようと思った。4月に受験申し込みをして、中旬くらいからぼちぼち勉強スタート。よく考えると、この時点ですでに普通の受験生よりだいぶ後れを取っていた。
7/23の試験日までわずか3か月。とりあえずテキストを揃えて法令集の線引きから始めたが、一般的なスクールのカリキュラムからすると、かなり厳しい日程だ。ましてや独学で現場経験もなく、一人で調べなければならないことが山ほどある。
相当不利な状況に見えたが、唯一の強みは「暇だった」ことだ。7月までは他にすることがなかったので、ほぼ100%受験勉強に専念できた。普通に働きながらだと、3か月でゼロから合格レベルに達するのは難しいと思う。
科目足切り点ぎりぎり
試験中は微妙な感触だったが、ふたを開けてみると自己採点94点でかろうじてクリア。2017年の合格基準点は87点と例年より低かったらしいが、科目ごとの足切り点は据え置き。ボーダーすれすれ11点の科目があったので肝を冷やしたが、9月に無事合格通知も届いた。
合計点数に余裕はあっても、科目の足切りが怖い試験。得意科目で点数を稼ぎつつも、全科目まんべんなくクリアするバランス感覚が問われる。
短期間の詰め込み勉強で、手が回らなかった科目は如実に点数が低かった。ぎりぎりボーダーラインに引っかかったのは、本当に「運がよかっただけ」としか言いようがない。
結果的に首の皮一枚つながったので、勝てば官軍。現実世界なら骨も動脈も断たれて命はないと思うが、試験というゲームの世界ではHP1でも生き残ればセーフだ。前向きに考えれば、予備校にも通わず最低限のコストで効率よく勉強できたといえる。
運頼みで再現性の低いメソッドだが、「こんな感じでも学科に受かった」という勉強法を紹介していこうと思う。