一級建築士学科試験に完全独学でギリギリ合格した話(製図は落ちた)

退職して暇になったので、いつか取りたいと思っていた一級建築士の資格試験に挑戦してみた。市販テキストとウェブの無料コンテンツのみ利用して、独学・自己流でのチャレンジ。

過去問もろくに解けず決して十分な勉強量ではなかったが、学科はかろうじて合格できた。その後の製図試験は残念ながら落ちてしまったので、来年の対策を検討中だ。

専門学校の標準コースに通えば30万円は下らない学科試験。自分が払ったのは市販のテキストと問題集でせいぜい2万円くらいだろう。仕事や家庭の環境が許せば、3ヵ月間思い切り集中して独学で通るのも不可能ではない。

スポンサードリンク

こんな人間でも学科は受かった

学部は建築学科を出たが、大学院から他業種に転向して建築業界との関わりはない。設計事務所などでまともに働いた経験はないが、修士の研究が実務経験として認められた。法改正前のペーパーワークだけで受験資格を得られたゆとり世代だ。

卒業後はIT企業の経営やプログラミングに携わっていたので、現場経験は皆無。20年近く前に学部で習ったことはほとんど忘れてしまっている。特に構力は選択必修なのに単位を落とし続け、4年の卒業前にぎりぎりクリアできた劣等生だった。

設計演習ばかり熱心にやっていたので、そもそも資格試験に必要な知識はほとんど身に付けなかった。建築史だけは多少勘が働くが、法規は門外漢。構造力学や環境工学の計算問題は苦手で、設備・施工は何を言っているのかイメージすら湧かない。

一度受験したので全体像はわかる

ずっと昔に、受験資格を得られたので記念受験してみたことがある。趣味の範囲だったのでモチベーションも上がらず、仕事が忙しすぎて挫折。法令集の線引きどころか、インデックスシール貼りの時点で諦めてしまったへなちょこだ。

7月に一応受験会場に行ってみたが、運頼みの4択回答も当たらず不合格。根性で最後まで残って問題文を持ち帰ったので、「どんな問題が出て、どのくらいの時間で解くのか」というイメージだけはつかめた。

その際、勉強はしていなかったが総合資格の無料模試も試しに受けてみた。もちろん結果はさんざんだったが、その後の面談や電話の営業活動がしつこかった記憶がある。まだ学生の身分だったので50万円の授業料など払えるわけがない。また受験するなら絶対独学でやろうと心に決めた瞬間だった。

その後社会人になってから、時間に余裕ができたのでまた受験を申し込んでみたこともある。しかし結局仕事と両立できず、法令集も買わず試験会場にすら行かない始末だった。ようやく重い腰を上げて本気で勉強に取り組めたのは、会社を辞めてフリーになってから。

4月中旬からようやく勉強開始

退職後はしばらく地方に短期移住したり、資産運用を考えたりで忙しくしていた。たまたま体を壊して半年ほど療養することになったので、暇な時間にまた建築士でも受けようかと思った。

とはいえ過去に受験勉強を挫折した経験があるので、あまり気が進まない。資格を取ったらすぐに仕事に使えるというモチベーションもなく、他にもやりたい趣味があるので後回しになってしまった。4月に受験申し込みをして、中旬くらいからぼちぼち勉強をスタートした。

7/23の試験日までわずか3か月。とりあえずテキストを揃えて法令集の線引きから始めたが、一般的なスクールのカリキュラムからすると、かなり厳しいスケジュールだ。ましてや独学で現場経験もないので、一人で調べて覚えなければならないことが山ほどある。

状況としては相当不利に見えたが、唯一のメリットは実質無職の療養中なので時間が有り余っているということだ。6月に2週間ほど入院して手術を受けたが、術後の痛みが取れたらリハビリ以外は思い切り勉強に専念することができた。退院後もしばらく松葉杖生活だったが、下手に動き回れない分、さらに集中できたといえる。

科目足切り点ぎりぎりでクリア

試験中は微妙な感触だったが、ふたを開けてみると自己採点94点でかろうじてクリア。2017年の合格基準点は87点と例年より低かったらしいが、科目ごとの足切り点は据え置き。ボーダーすれすれ11点があったので肝を冷やしたが、9月に無事合格通知も届いた。

合計点数に余裕はあっても、科目ごとの足切りが怖い試験といえる。短期間でバランスよくこなせたとは言い難く、その結果が如実に表れた感じだ。得意科目で点数を稼ぎつつも、全科目まんべんなくクリアするバランス感覚が問われる。

とはいえ首の皮一枚つながったので、結果的に勝てば官軍。現実世界なら骨も動脈も断たれて命はないと思うが、試験というゲームの世界ではHP1でも生き残ればセーフだ。前向きに考えれば、学校にも通わず最低限の時間とコストで、効率よく勉強できたといえるのかもしれない。

さすがに製図は通らなかった

8月以降はフリーで引き受けた仕事が忙しくなり、体調も回復して出張の回数が増えた。知り合いから製図版を借りてぼちぼち練習を始めたが、二次試験はどうも独学では成長している手ごたえがなく勉強しにくい。

学科試験前の3ヵ月で燃え尽きてしまったのかもしれない。暑い中、慣れない手描きで製図版に向かうのも気が乗らず、試験本場まで十分な作図枚数をこなせなかった。制限時間内に何とか図面は描き上げたが、いろんなミスや根本的な知識不足が重なってランク3で不合格。

製図の方は再挑戦する予定だが、スクールは高いのでやはり今年も独学で進めてみようと考えている。「事前にこなした課題に偏りがあると危険」とか、ノウハウと試験の傾向は何となくつかめた。今やネットや通販で格安の教材も手に入る時代なので、各方面に手配すれば必要な情報は何とか手に入りそうな気がする。

スポンサードリンク