一級建築士学科の独学勉強法~TAC法令集に色鉛筆3色で線引き

学科試験に持ち込む建築基準関連法令集で、おすすめはTAC建築士講座の2冊組みだ。

大型で読みやすく、さらに建築基準法と関連法令を2つに分けて持ち運べるセパレート式が画期的。試験場に持ち運ぶにもカフェで勉強する際にも、薄くて軽く済むのはありがたい。

線引きマニュアルが公開されている

総合資格の法令集も大型で読みやすいが、購入後に住所や電話番号の個人情報を提供しないと線引きデータを提供してもらえない。スクール受講を勧める営業電話がかかってくることは、覚悟しないといけない。

その点、TACは線引き個所がウェブで公開されている。講師室ブログから毎年最新のPDFファイルをダウンロードできる。これだけでもTACの法令集を選ぶメリットがある。おすすめのマーカーペンまで解説されていて、いたれりつくせりだ。

TACのマニュアルを活用して、他社の法令集にマーキングする荒業も可能。縦書きでも横書きでも中身は同じだから、必要個所だけ下線を引けば済む。流用されるリスクも覚悟でノウハウを公開している、TACのオープンソース戦略を評価したい。

インデックスシール貼りのコツ

学科の受験で誰もが行う最初の儀式は、法令集のインデックスシール貼りだ。過去に受験した際は、この作業すら苦痛で途中放棄してしまった。しかし、コツさえつかめば集中して1時間で終えられることがわかった。

効率的なシール貼りのポイントは、中身を読まないことだ。シールを貼りながら、章立てや構成を把握しようと考えない方がいい。内容を理解するのは後回しにして、シールを貼る間は単純作業に徹した方がベターだ。

勉強中に法令集を持ち歩くと、どうしても端部のシールがカバンの中で潰れてしまう。その点、TACの法令集なら表紙と中身を分離できる。厚紙のカバー部分を左右逆にして、シールを保護するかたちで中身を挟むと、インデックスが潰れにくいとわかった。

「確認申請」「別表1」など横に出ているインデックスは頻繁に参照するが、上端の用語関連はほとんど使う機会がない。法規を勉強する過程で、「どこに何が書いてあるか」くらいは徐々にイメージできてくる。

自作のインデックス作りに精を出すより、法令集の章立てをノートに書きだして、並び順を暗記する方が有意義だと思う。試験本番では悠長にインデックスを探すヒマすらなく、勘で「この辺に書いてあるはず」とページが開けるようにならないと時間的に厳しい。その目的では、右端のシールだけで検索には十分といえる。

線引きはフリクション推奨

TACのマニュアルによると、推奨はパイロットのフリクション。ボールペンだが、間違ったらこすって消すことができる。平成30年版の最新情報では、以下の6本が推奨されている。

  1. オレンジマーカー
  2. オレンジ0.5mm
  3. ピンクマーカー
  4. ソフトブルーマーカー
  5. ライトブルー0.5mm
  6. イエローマーカー

近くの文具屋に行って探したが、ソフトブルーやライトブルーという微妙な色は置いていなかった。アマゾンや楽天なら10色セットが手に入るので、通販で購入した方が早い。

推奨されているフリクションでもよかったが、インクの色が薄いのであまり好みでない。それよりも、たまたま文具店で見つけたぺんてるの「ハンディラインS」が気になった。蛍光ペンなのにノック式で、キャップを着脱する手間がなく作業が早そうに思われた。

しかし法令集の紙は電話帳のようにペラペラなので、蛍光ペンを使うと裏写りがひどいとわかった。また青は色が濃すぎて、かえって文字が読みにくくなる。

せっかく買いそろえたので最初の数条はハンディラインでマーキングしてみたが、汚くなるのですぐにあきらめた。フリクションは「ボールペンなのに消せる」という特徴だけでなく、「色が薄めなので法令集にちょうどいい」というメリットがあるようだ。

塗り分けは3色でいい

線引きを始めてみると、複数のペンで塗り分けるのは手間がかかるとわかった。TACは6本もすすめているが、作業を進めるうち以下の3本で済むように思われた。おすすめは以下の塗り分け方法。

  1. 重要項目・用語定義(赤色)…ポジティブ
  2. 除外規定(青色)…ネガティブ
  3. 関連条項(黄色)…リンク

TACの6本も、オレンジとブルーは重要度に応じてマーカーと0.5mmを使い分けているだけだ。用語定義のピンクは、重要項目のオレンジと兼ねてもよさそうに見える。

フリクションを買う前に、手元にある三菱の赤青鉛筆を使ってみた。これに適当な黄色の色鉛筆を組み合わせると、とりあえず3色の塗り分けは間に合う。

三菱の鉛筆はレトロなVERMILION / PRUSSIAN BLUEで、蛍光ペンのようにチカチカせず目にやさしい。インクが裏写りしたり、定規の縁にインクが付いてペン先が汚れる心配もない。

色鉛筆とマーカーのハイブリッド

三菱の赤青鉛筆は両端から芯が出ているので、持ち替えの手間が少なく、塗り分けをスピードアップできることに気づいた。色鉛筆なので、インクが乾く時間を気にせず、次々ページをめくって作業できるのもメリットだ。

家にあった古い色鉛筆は、間違っても消しゴムが使えないのが難点だった。最近はステッドラーなどから「消せる色鉛筆」が出ているので、そちらを使った方がいいと思う。スタビロの黄色鉛筆は水彩用に「水で溶ける」タイプだったが、特ににじんで困るようなことはなかった。

受験勉強の終盤では、用語定義や重要個所をさらに蛍光ペンで重ね塗りして、目立つように工夫した。ベタ塗り個所が多すぎると、大事な部分が埋もれて効果が薄れてしまう。塗り分けは見た目のバランスも重要だ。

法令集の線引き例

法令集の線引き例(クリックで拡大)

最終的に、マニュアルどおり色鉛筆で下線を引きつつ、ここぞという部分だけマーカーで強調するハイブリッドな塗り方に落ち着いた。重要/除外の2色を基本に、あとは各自の好みで塗り方を工夫すればよいと思う。TACのマニュアルでは線引き指示されていないが、頻出なので塗り足した条文もあったりした。

書き込みはどこまで許されるか?

試験場に持ち込む法令集には、アンダーラインなど最低限の書き込みだけ認められている。試験前に審査官が1冊ずつ確認するので、万が一の没収リスクを避けるため、余計なことは書かない方がいい。あまりひどいと、没収どころか退場(即失格)という噂もある。

関連法案・条文など必要な情報は法令集にあらかじめ印刷されている。これ以上のメモなど、文字情報は自分で書き込まない方が無難だろう。万が一にも法令集を没収されると、法規は放棄したも同じ。一科目でも足切り点にかかったらアウトな試験なので、シャレにならない。

基本的にアンダーラインはOK。文章の「囲み」はどうなのかわからなかったが、試験本番のチェックで何も言われなかったので、問題ないようだ。下線もマーカーも引いて、それでも目立たせたい最重要個所は、文章ごと線で囲む技が使える。

法規の勉強過程で、条文を参照するたびにフリーハンドのシャーペンで下線を上書きした。回数を重ねるほど黒々と目立ってくるので、一目で重要度がわかるという工夫だ。

確認申請関連で頻出の法6条1項などは、線引きしすぎて真っ黒になってしまった。さすがにやり過ぎたかと思ったが、アンダーラインだけなので試験本番のチェックもパスできた。