一級建築士学科試験~3か月で合格を果たした独学スケジュール例

受験を申し込んだ4月半ばから法令集やテキストを揃えて勉強開始。7/23の学科試験本番まで、実質3ヵ月で詰め込み学習した。

4月から7月までに行った作業を振り返ってみたい。知識ゼロからスタートしても、各科目これだけやればボーダーに達するという目安になるはずだ。

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4月中旬:法令集線引き

まずは何より法令集の線引き。シール貼りは思ったより早く1時間で済んだが、線引きの方はさすがに集中しても丸2日かかった。条文を読んだり理解するというプロセスはまったく無視して、機械的にマニュアルからトレースするだけでもこれだけかかる。

線引きは忍耐力を高める写経のような訓練だと思って、淡々とやるしかない。ここで仕事が忙しくて線引きに1週間もかかるようななら、到底合格は望めない。中途半端に時間を無駄にするより、いさぎよく今年の受験は諦めた方がいいかもしれない。

4月後半:構造の参考書・テキスト

法令集が片付いたら、個人的に苦手意識の強い構造力学から勉強をスタート。正直、三角関数すら忘れていたので、図書館で借りた参考書をもとに基礎の基礎から学び直した。ベクトルや力のつり合いはまだしも、偶力のモーメントなどは直感的に理解しにくい。

数日準備して静定梁くらいは解けるようになった段階から、メインテキストと定めた『スピード学習帳』に着手。目次に従って、1日2~3単位くらいのペースで進めていった。幸い計算問題は半分くらいで終わり、残りは各種構造や材料の知識なので、ノートに要点をまとめながら暗記していった。

自宅とカフェをローテーションしながら、1日4~5時間くらいの勉強を継続。この時点ではまだ気持ちに余裕があり、趣味のブログを書いたりランチは外食しながら、のんびり進めていた。少し予定をオーバーしたが、4月中には構力のテキストを一通り終えた。

5月初旬~中盤:施工に挫折し法規へ

次は施工に着手したが、土工事・山留めまで来たところでまったく理解できないと悟った。「親杭横矢板」とか「ソイルセメント柱列壁」とか、字面だけ見てもそれが一体何なのか想像もつかない。

ここで冷静に図書館に行って、施工関連の参考書を入手。テキストはいったん中断し、構造と同じく参考書を先に読むことにした。探せば公営の図書館にも、各種施工方法を図入りで詳しく解説している本がある。

施工をテコ入れしている間、テキストは先に法規のパートを進めてみることにした。意味を理解するというより完全な暗記科目なので、コツが分かれば取り組みやすい。問われたことに対して、参照すべき条文や表がわかればほぼ解ける。問題は時間制限がタイトなので、法令集を見なくても回答できる割合をいかに増やせるかだ。

5/21までかかって消防法などの関連法令まで一通り課題をこなした。すべての知識は法令集に書いてあるので、構造や施工のように理解に苦しむことはない。法律の文章が特許のように回りくどいところがあるので、たまにネットで見解をググった方がわかりやすいこともある。

5月下旬:施工を再開

法規の後は施工にカムバック。鉄筋工事から再開して6/5までに残りを終えた。やはり先に参考書に目を通した方がスムーズだった。

S造、RC造、SRC造の部分は、鉄筋の型番など構造後半とややかぶるところがある。型枠工事や屋根工事のディティールは、『ゼロからわかる~』にイラスト入りで詳しく載っていたので助かった。

月末は気持ちに余裕ができたのか、温泉に泊まりに行ったりして休養を取った。記録を見ると5日間も勉強から離れていたようだ。後々過去問を解く時間がなくなるとわかっていれば、そんな余裕はなかったように思う。

6月中盤:環境・設備を経て計画へ

6月初旬に施工が完了し、環境・設備に着手した。実はここから2週間ほぼ入院したが、かえって邪魔が入らず勉強に集中することができた。「車いす用の便器は通常より座面が高い」など、計画分野の病院関連は身をもって学ぶこともできた。手術室の空調は寒いくらいの正圧だと実感した。

環境はわずか5日間のハイペースで終え、続く計画も6日間で完了した。学生時代は意匠系だったので、まだ勘が働く分野だったといえるかもしれない。実務で設計をしていないと寸法設計やサッシの収まりはチンプンカンプンだが、暗記する内容は他科目より少なかったといえる。

建築史の実例は得意なつもりだったが、戦後の住宅・集合住宅は守備範囲外で意外とてこずった。ここでTACブログから「井澤講師の勉強部屋」を発見して、スマホで読み始めた。計画分野の「実例暗記法」というページが大変参考になる。

また空調・給排水と電気設備は事前に参考書で読んでいたので、イメージをつかみやすかった。現場経験がなければ構造や施工と同様に、設備関係の入門本も1冊目を通しておいた方がよいだろう。

病院に入院したおかげで、外を出歩くこともできず思い切り勉強に集中できた。夜9時消灯で3食付きの健康生活なので、朝4台から起きて共用スペースで朝日を浴びながら勉強できた。

もし持病や故障があるなら、試験前のタイミングで入院するのはありかもしれない。強制的に俗界から切り離されて、学習がはかどること請け合いだ。

6月下旬:法規の復習

『スピード学習帳』のテキストは全科目一通り終えたが、いくつか問題を見直したらすっかり忘れていることに気づいた。特に法規がひどい。生まれて初めて勉強する分野だからか、1カ月も放置しているとほとんど忘れ去られてしまう。日常生活とは無縁なのも、記憶に残りにくい理由かと思う。

法規はテキストの線引きだけでノートを取っていなかったので、10日ほどかけてまとめ直すことにした。必須情報は法令集に書いてあるのでノートは不要かもしれないが、自分で表を書いてみないと把握しにくい部分もある。頻出の建蔽率・容積率と高さ制限は解法をチャート化して整理した。

7月上旬~中旬: TACの比較暗記法

構造と施工の復習を兼ねて、TACの井澤講師ブログを読み進めた。もっと早く知っていれば効率よく勉強できたと思うが、今から過去問を解く時間を削ってでも通読する価値があると思った。

構造の地震力計算に出てくる振動特性係数Rtや、高さ方向の分布関数Aiはブログを読んでようやく意味を理解できた。QudとQunの違いなど、テキストになかったうんちくが山ほどあって目からうろこだった。

食事時やトイレに行く際もスマホでブログを読み続け、要点をまとめノートに追記。施工まで一通り復習できたと思ったら、すでに試験本番まで残り一週間を切っていた。

7月下旬:過去問3年分

ようやく着手できた過去問題集。平成28年からさかのぼりつつ進めて、結局H26まで3年分しか解けなかった。時間どおりに問題を解いて解説も確認しながらだと、1年分進めるのに2日はかかる。試験前日ギリギリまで過去問に取り組んだ。

とりあえず法規は時間無制限のハンデで挑んでみたらH28は98点、H27は102点。足切り点にも引っかからなかったので少し安心した。次に時間どおりに解いてみたら法規の点数がガタ落ちしてH26は93点。ぎりぎり合格レベルとはいえ、際どいラインだった。本番もトータル94点だったので、直前に解いた過去問の正答率は実力に近かったといえる。

実際にはテキストやTACブログで幅広く過去問を学習していたともいえる。いろんな教材でフォローできていれば、「まとめて解いた過去問の年数」はあまり気にしなくてもよかったのかもしれない。

学科は「過去問20年分解けば受かる試験」といわれるが、それだけ問題を取り寄せるのがまず大変だ。2日で1年分として、20年なら40日かかる計算。過去問を解く時間は余裕をもって確保しておいた方がいい。

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