【吉野家優待】わずか490円で食べられる独創的な豚生姜焼き定食

クリスマスイブのランチは吉野家でごちそう。最近優待券をアークミール系列店でばかり使っているので、たまには本家の吉野家の方もチェックしてみたい。

今年のご当地鍋膳はなぜか辛い

いつの間にか、吉野家のメニューがすき家並みに増えていた。メニュー表も数ページの冊子になり、豚丼・牛丼のバリエーションとしてサラシア牛丼、鰻重が定番化した。

新メニューの豚スタミナ丼や牛カルビ生姜焼き丼も増え、賑やかになっている。カレーもプレーンな黒カレーにスタミナ、ベジ、チーズといろいろな具材が乗ったバージョンがある。

冬の定番、牛すき鍋膳といきたいところだが、650円~なので牛丼屋としてはやや割高。昨年は地域限定の一品を探して日本中走り回ったが、コンプリートできなかった。

今年は辛辛キムチ、旨辛味噌となぜか全国的に辛いメニューばかりである。あまり変化がなくて食べ歩こうという気がしない。

地味な生姜焼きの魅力

メニューを眺めていて気になったのが地味な「豚生姜焼き定食」。並みで490円と、似たような豚生姜焼き丼より40円高いが、定食の方がゆっくり味わえて健康にもいいと聞いたことがある。

同じく牛カルビの生姜焼きは650円もするので、豚肉の方がだいぶリーズナブルだ。牛カルビに関しては、なぜか生姜のつかないプレーンな定食の方が10円安いという謎がある。吉野家の定番メニューは一通り試したので、今まで見向きもしなかった定食系を攻めてみようと思った。

もともと豚の生姜焼きは好きだ。定食屋でトンカツやチキン南蛮があっても、たいてい生姜焼きを頼む。塩辛い味付けが好みだからか、プレーンなステーキよりタレに漬けこんだ肉の方が旨味を感じて幸せに感じる。

一度、水道橋のお店で分厚い生姜焼きステーキをいただいたが、この世のものとは思えない絶品だった。死ぬ前に食べたい料理の一つが、おいしい生姜焼きだ。

吉野家の生姜焼きは謎の創作料理

吉野家の豚生姜焼きはパッと見た感じ普通だが、なぜか生姜が分離されて刺身のわさびのように盛り付けてある。トッピングとして添えられている白いケースはマヨネーズらしい。

肉もよく見ると、豚丼に乗っているタイプの極薄肉だ。松屋のトンテキとまではいかなくても、生姜焼きなのでもう少し厚みがある肉を想像していた。

ためしに肉だけ口に含んでみても、豚丼と変わった感じがしない。タレも丼ものと共通だ。付け合わせの生姜と絡めてみても、何かサンマに大根おろしを乗せて食べているような不思議な感じがする。

さらにマヨネーズをかけて混ぜてみると、屋台で食べるお好み焼きのできそこないみたいだ。豚・生姜・マヨネーズの味が混ざっただけの、わけのわからなジャンク料理と化してしまった。小学生が絵具で絵を描こうとして、混ぜすぎてグレーになってしまった感じだ。

戦時中の食糧難を連想した

吉野家の生姜焼き定食は400円台なので、まともな定食屋や居酒屋のランチで食べるより半額くらいの値段だ。牛丼・豚丼は安物と割り切って食べるから気にならないのかもしれないが、定食スタイルで極薄肉が出てくると何か違和感を覚える。見慣れた料理が、食糧事情で代用食にすり替わってしまったような…

戦時中に雑穀やすいとんばかり食べていた人たちが、白米に憧れた気持ちがわかった。いつかお金を稼いで本物の生姜焼きが食べたい…そんな学生アルバイト時代の気分を思い出させるような体験ができた。