3社合同定期券の利用が解禁されてから、予想通りすかいらーく優待の使用先はもっぱらガストになってしまった。たまには夢庵や魚屋路で魚も食べたいが、期間限定100円引きという特典を考えると、ついついガストに足が向いてしまう。
最安ミートドリアや日替わりランチもそろそろ飽きてきたので、アプリに出ていたクーポンを使って秋の企画メニューを試してみた。
劣化したクーポンの魅力度回復
すかいらーくアプリに各レストランのクーポンが統合されて一段と便利になった。ダウンロード数が伸び悩んだのか、ごちガストのスロットを回すにはアプリ画面を見せる必要がある。まわりと見ていると徐々にアプリを活用するお客さんが増えてきたが、肝心のアプリクーポンはどんどん劣化しているように思う。
最初はガストでも50~100円引きのメニューがざらにあったが、ここ数か月はお子様ランチやドリンクバー程度しかラインナップされていない。途中からアプリの通知をONにするとレベルの高いクーポンが表示されるという二段階制に変わったが、設定変更してもたいしたクーポンは出てこない。
バーミヤンやジョナサンのクーポンも似た感じなので、もうアプリは終わったかと思ったが、9月に入ってからにわかに割引率の高いクーポンが復活してきた。特に秋のフェアメニュー、牡蠣や牛タン料理には100円引きの特典が付いていたりする。
もともと高いが定期券の100円引きも併用可能。株主優待の500円より少し予算を増やして、季節の企画メニューも試してみた。
アプリで50円引き牡蠣メニュー
まずは単品定価699円の「牡蠣ときのこの和風スパゲティ」。広島産牡蠣メニューの中では、カキフライに次いで安いが主食級のメニュー。あっさり和風パスタに、さらにレモン汁を絞る仕組みになっていて、季節的には夏に出してもうけそうなメニューだった。レモン入りということで、はなまるうどんのぶっかけを連想させる。
牡蠣はしっかり3個は入っていて、味もしみていておいしい。スパゲティ自体はあまり下記の風味がしないが、それとは別に茹で牡蠣としてだけでも楽しめる。問題は、きわめてローカロリーなので速攻でお腹が空いてしまうことだ。おかずとして299円の「おつまみカキフライ」を追加するくらいがちょうどいいメニューに思われる。
牡蠣+海老+トマト=オムライス
続いて試したのは「牡蠣と海老のトマトクリームオムライス」。こちらはアプリクーポンで50円引き。通常版オムライスはビーフシチューソースだが、わざわざソースまで変えてくるところにガストの意気込みを感じる。
ケチャップやデミグラスでなく、酸っぱいトマトソースのオムライスというのは新鮮だ。名古屋のデカ盛りオムライス店で一度試した味付けだが、定番化してもいいと思う。えんどうやパプリカの配置で彩りもよく、単品799円と値は張るがガストの中ではクオリティーの高いメニューに感じる。
黄色いライスは「牡蠣のだしが効いたピラフ」とのことだが、ほとんど味はしない。オムライスの卵はなくても成立しそうな牡蠣トマトピラフ、海老まで入って見た目以上に満足度は高い。クーポンの提供期間が短かったのは残念だが、ぜひまたリピートしたい一品に思われた。
100円引きの牛たん焼き定食
昨晩、倍バーグした翌日にまた肉というのは気が咎めたが、クーポン期限が今日までだったので試してみた「牛たん焼き定食」。こちらは1,099円がアプリ経由で100円引きになる。
ガストで千円超えるとは、ミックスグリルより高級なメニューだ。十三穀米は大盛り無料だったのでもちろん依頼。定期券も使って100円引きすると、税込みでも千円を下回り優待券利用の効率が悪かったので、サイドメニューの199円「おつまみ煮玉子&キムチ」も追加。
一瞬、フォンデュチーズソースを追加して端数を補おうと思ったが、さすがに牛タンにチーズソースは冒涜的な気がしてやめておいた。チーズINのハンバーグと同様、きっと合う組み合わせだと思うが、牛たんエキスはぜひ単品で味わいたい。
仙台にはよく行くので、伊達・喜助・利休・善次郎の大手チェーンからローカル店まで含めて牛タン料理はたいてい制覇している。とはいえ地元でも高いことに変わりはないので、わざわざ仙台まで来て吉野家の麦とろ御膳を食べたりもする。
最近牛タンを食べたのは和民のランチ以来だ。「厚切り」という名前とは裏腹に、1,200円ならしょせんこの程度かと思われる肉の薄さだった。ガストの1,099円牛タンはどうだろう。
メニューの隅に「※地域名物をイメージした商品です。アメリカ産牛肉使用」とわざわざ書いてあるので、さほど期待もしていない。仙台の高級牛タン店でも、牛肉自体はアメリカやオーストラリア産というのはよく知られた事実だ。わざわざガストの千円牛タンで、「仙台牛でない」とクレームを付ける野暮な客もいないと思う。
最初に肉を炙る用のコンロが運ばれてくる。牛タン自体は熟成して調理済みに思われるので、ちょっと加熱する程度で問題ないだろう。こういう凝った仕掛けは仙台の牛タン店にないので、「地域名物をイメージした」というのは「ガスト風にちょっと工夫してみた」というポジティブな宣言なのだろう。
ガストの牛タンは稀に見る極小肉
定食が届いた第一印象は「肉ちっちゃ!」。300円プラスして9切れに増やしても、焼け石に水だろう。特別飼育された羊サイズの小型牛から生成されたのではないかと思うくらい、スモールサイズの牛タンだ。ハンバーグなら100円で倍にしてくれるのに、ガストの牛タンは想像以上にしょぼい。
そもそもガストで牛タンとは、吉野家で鰻重を食べるようなミスマッチ。大人しくジャンクなミックスグリルでも注文しておけばよかったと後悔する。牛タン自体の味は悪くないが、評価する以前に2口くらいで終わってしまう寂しさだ。
付け合わせの南蛮味噌唐辛子は結構辛くて本格的。とろろのわさびもピリッと効いて、これに煮玉子キムチを合わせると、いろいろ辛すぎた。十三穀米は大盛りで正解だったが、なぜか信じられないくらいアツアツに加熱されている。
ご飯が熱すぎて喉を通らないという経験もめずらしいが、どうやら冷たいとろろをかける用に、わざと加熱してあるのでないかと思う。おかげでとろろを混ぜてもちょうど適温、ほかほかご飯をいただける。
ごちガストは最後も外れた
近所のガストにはさすがに毎日通い過ぎて気まずくなってきたので、遠出して別の店舗に行ってみた。5kmくらい歩けば次のガストが分布している。クーポンと定期券を含めても1,000円超という、ガストにしては久々の大盤振る舞い。いよいよごちガストを当てるときが来たかと思ったが、キャンペーン最終日もやはり外れた。
その代り、めずらしくドリンクバー99円の紙製クーポンをレジでもらえた。アプリクーポンのセットドリンクバー179円よりさらに有利な特典だ。有効期限は今月末までと、微妙に短い。
ガストの牛タンはいまいちだったが、広島産の牡蠣料理はどちらも当たりだった。クーポンは週替わりくらいでローテーションするようなので、カキフライや牡蠣の漬け丼もクーポンが出たら試してみたいと思う。
牡蠣づくし和膳もクーポン登場
予想通り、牛たん定食と入れ替わりで1,099円「牡蠣づくし!カキフライと牡蠣の漬けご飯和膳」の期間限定クーポンが登場した。値引き率の低いすかいらーくアプリとしては奮発の100円引きだ。
例によって定期券利用だと優待券のきりがよい1,000円に届かないので、今回は199円サイドメニューから「ピリ辛キムチ冷奴」を追加。場合によってはフォンデュチーズソースで、カキフライをチーズ化するのもありかと思う。その場合は、事前に「タルタルソース抜き」と伝えておいた方がいいだろう。
秋の企画メニューとしては牛たんに次ぐ高価格帯だが、ほかの牡蠣メニューはクオリティーが高かったので期待が高まる。広島産の牡蠣は小ぶりだが、旨味は本格派。しっかり火を通して調理されているのも安心だ。
カキフライは揚げたてを用意してくれるのか、空いている時間帯にしては結構待たされた。早すぎるピザやスパゲッティーのデリバリー時間に比べると、ガストとしては手の込んだメニューなのだろう。
揚げ立てカキフライ
お膳がテーブルに乗ったとたん、ふわっと漂う牡蠣の香りが食欲をそそる。漬けご飯の方から醸し出される磯の香りが何ともたまらない。アツアツのカキフライにレモン汁を絞ってタルタルソースでいただく至福。写真どおり合計6個の牡蠣を楽しめる、名前に恥じない牡蠣尽くしメニューだ。
ご飯は「漬け」といいつつ、上にかけられているタレからはあまり牡蠣の味がしない。刻み海苔を乗せたシンプルなキノコご飯という感じだ。オムライスと同様、ガストのいう「牡蠣の出汁」にはあまり期待しない方がいい。
ピリ辛キムチの冷ややっこは、結構量がある。この組み合わせはスーパーで素材を買って簡単に作れるので、自炊のレパートリーとして押さえておくと便利だ。
当選とは縁のなかったごちガストがやっと終わったので、レジでのお会計が少し早くなった。すかいらーくの新優待カードはレシートに残額が印刷されるが、いちいち覚えてはいられない。毎回お支払い時に確認してもらうのは面倒だ。
さいわいテレホンカード並みに薄いので、財布に何枚か入れておいてもそれほどかさ張らない。残額ゼロでうっかり自腹にならないよう、予備は数枚忍ばせておきたい。