ダイオーズ株主総会2017参加で無料コーヒーセット200杯分ゲット

一部の企業で「株主総会に出ると食事が出たりお土産がもらえる」と聞いて興味を持ったが、これまで平日は仕事で忙しく、土日もわざわざ出かけるのが面倒で行ったことがなかった。晴れてフリーになったので、水曜日開催のダイオーズの株主総会に出てみた。長年株投資は続けてきたが、上場企業の株主総会に参加するのは初めてである。

雨の日に電車賃をかけてまで参加する意味

事前に届いた招集通知によると、開催場所は埼玉の川口駅とある。京浜東北線だが、自宅からスムーズに乗り換えできるルートがないので、いったん都心に出ないとならなかった。JRと私鉄を乗り継いで電車賃は往復 2,000円近くかかった。

株主総会参加でもらえるコーヒー200杯は、バルクで買えば1個10円くらいだろう。交通費に出かける時間や手間も含めるとまったく割に合わない。まあ一度くらいは社会勉強や話のネタということで参加してみても悪くないだろう。

川口駅の改札から会場まで行列

天候は運悪く梅雨時の土砂降りである。こんな日に1時間以上かけて埼玉県に向かうのもばかばかしく思えてきたが、苦労して手に入れた無料のコーヒーはさぞかしおいしいだろう。

川口駅の改札を出ると、株主総会の看板を持った人が道案内していた。いつか他の駅でも見たことがある光景だ。地味なイベントだが、よほど多くの人が集まるのだろう。電車を降りて会場に向かう人混みは、浮間船戸駅の板橋Cityマラソンや、さいたま新都心駅のクリテリウムのようである。

会場の川口総合文化センター・リリアメインホールは相当大きいコンサートホールのようだ。年々参加する株主が増えているそうで、苦労してまだ都心に近い大きな会場を抑えることができたという説明だった。来年も同じリリアで開催予定とのことだ。

早めに着いたので駅前でコーヒーでも飲んでから向かおうと思ったが、そこはダイオーズなので会場で無料のコーヒーくらい振る舞っているのではないかと思って直行してみた。

しかし受付でもホール内でも飲食物の提供は一切なく、招集通知を見ると確かに「株主総会のスムーズな運営のため、会場内でのコーヒー等、飲料のご提供はございません」と書いてあった。

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全国の暇な個人株主が2,877人参加

受付ではコンパニオンではなく、おそらくプロパーの社員と思われる方々が案内されていた。自分も含め、ほとんどの株主はお土産目当ての下司な輩と思われるが、嫌な顔一つせず丁寧に接客されていたのが印象に残った。もっとも、少ない投資額とはいえ株主は会社のオーナーであることに変わりはないから、無下に扱われる筋合いもないはずだが。

まわりを見回すと、いかにも暇そうなおっちゃん、おばちゃんばかりで、お互いに暇人と思われるのが恥ずかしいのか、目を合わさずこそこそと足早に会場に向かっていく。たまにスーツ姿のサラリーマン風な人もいるが、1時間強で終わったので都合をつければ仕事の合間に出ることも可能だろう。

ホール内は撮影禁止だったが、1階はほぼ満席で2~3階も含めると2千人以上いそうだった。すぐに集計された参加人数は2,877人。これだけの人数をスムーズに捌くには、それなりにイベント運営のノウハウが必要だろう。毎年開催なので、スタッフの方々も手際よく慣れている風だった。

議決権行使書を忘れても会場記入でOK

入場時に事前送付された議決権行使書の紙を見せる必要があるが、大量に届く株主総会関連の郵便は真っ先に捨ててしまうので、無意識に抜き取って処分してしまっていたようだ。

議題や決算書の冊子は暇つぶしに眺めようと思って持って来たのに、間抜けだった。幸い、用紙を忘れてもその場で住所氏名を記入して株主照合してもらえたので、問題なく入れた。

入口でもらった入場票の下部を切り取って、出口の回収箱に入れるとコーヒーがもらえるようだ。すなわちお土産をゲットするなら途中入場不可の株主総会で最後までいないといけないことになる。どうせたいした内容でないだろうから、できるだけ早く終わってくれることを願う。

刑事ドラマによく使われるダイオーズ

総会開始までの待ち時間に、会場でダイオーズの商品が出ているテレビドラマのダイジェスト版が上映されていた。オフィスに置いてあるコーヒーや水のサーバーだが、職場で俳優が一息入れるとか、何気なく背景に数秒映りこんでいたりする。

普段テレビを見ていてそんな細かいところを意識することはなかったが、サブリミナルな宣伝効果はありそうだ。コーヒーマシンが出てくるのは刑事ドラマばかりだった。残業とか徹夜とか、つらい職場を演出するのにオフィス備え付けのコーヒーサービスはマッチしている。ドラマに出てくる刑事はたいていダイオーズ中毒なようだ。

「ブラック企業にダイオーズのブラックコーヒー」…何となくネガティブな印象を受けてしまったが、まあ会社の経費で缶コーヒーよりおいしい焙煎コーヒーが飲めると思えば恵まれた福利厚生といえるか。

業績が順調すぎるのも不安

株主総会が始まると役員紹介の後に30分ほど社長の議事進行、事業状況のプレゼンがあった。お昼にコーヒーを飲み損ねたのと、リリアの快適なシートのおかげでスライド3枚目くらいから爆睡してしまった。もともとBtoBな会社なので、何をやっているのかわからない。ダイオーズを導入するような大企業で働いたこともないので、実際のサービスを見たこともない。

売上・利益とも微増して順調であることはわかった。会社経営していた経験から、決算のタイミングに合わせて赤字に見せたり粉飾したりは朝飯前と知っているので、絵に描いたように毎年単調増加している数値はかえって嘘くさく見えてしまう。

株主からの質疑対応で勉強になった点

社長のスピーチの後は、会場の株主からの質問タイムに移った。合計で7名質問して30分くらいかかった。決算や事業内容に関するまじめな質問と、100株の単元株でも株主優待をもらえるようにしてほしいとか、どうでもいい要望が半々くらいだった。

後者は会場から拍手が起こったり盛り上がる場面もあったが、経営陣も即答できず「検討します」としか答えられないので、内心早く終わってほしかった。質問していた人も、会場をなごませるためのサクラだったかもしれない。

まじめな方の質問の回答で学んだのは、ダイオーズはアメリカでも積極的に事業展開していて、経営破綻した投資先の買収とはいえ焙煎工場も手に入れたようだ。

水事業の状況については、「セグメントごとの売上を計算していない」とお茶を濁していたのはまさかと思ったが、消沈激しいBtoCにはほとんど手を付けていないので安泰とのことだった。ダイオーズは自社配送のリターナブル方式だが、他社のワンウェイ方式(顧客側でボトルはゴミ廃棄)はヤマト運輸の値上げでかなり厳しい状況なようだ。

ダイオーズの株主構成は97%個人株主だということもわかった。2年後に創立50周年なので、優待を2倍にしてくれとか記念のクオカードをくれという要望が出ていたが、この調子で無料コーヒーを配りまくっていれば、株価も当面安泰だろう。

拍手で過半数決議する理由

最後に役員選任の決議が行われたが、会場からの拍手で過半数を計っているのはどうも不正確に思われた。回数を重ねてだんだん飽きてくると、拍手の数もまばらになってくるが、特に厳密に数えずに次々可決されていく。

あとから株主総会の仕組みを調べたら、議決権行使書の郵送やインサイダーの持株ですでに過半数は超えているので、会場で採決を取るのは儀式的なものに過ぎないようだ。ますます株主総会に参加する意味はないと思った。

コーヒー100+200杯は割に合うか?

7月上旬に届くコーヒーセットが楽しみだ。300株でもらえる100杯分のコーヒーと合わせれば300杯分、1日3杯飲んで3ヵ月もつ量だが、スーパーの最安コーヒー粉も値段はたかが知れている。よほどダイオーズのコーヒーがおいしいとかでなければ、在庫に場所を取りそうだし持株の処分を検討するだろう。

今週末はワタミの定時株主総会も予定されている。そちらは会場の飲食物やお土産もらえると明記されているものの、休日なのでもっと混みそうだ。事業内容はダイオーズより興味を持てそうだが、毎回送られてくる株主通信でも十分把握できる。

大株主であれば参加して経営状況を細かく把握する意味もあるかもしれないが、優待やお土産目当ての単元株ホルダーなら総会の中身はどうでもいいといえる。

10日後に届いたコーヒーセット

そして約束通り届いたコーヒー200杯分のセット。一つ勘違いしていたのは、1杯ごとのフィルター付きドリップバッグではなく、5杯は抽出できる40g(アイスブレンドは70g)のパックになっているという点だ。

D-Lineスーパーブレンド、ライトブレンド、モカとアイスの4種類それぞれ50杯で合計200杯分という計算になる。粉は適当な保管容器に何袋分か移し替えて使うのがよさそうである。

フィルター代も節約できるかと思ったが、そこまで甘くはなかった。ユニフレームのコーヒーバネットが引き続き活躍しそうだ。200杯分でも思ったほどのサイズではなかったので、冷凍庫にすべて収まった。

ダイオーズは9月の権利確定まで300株持っていれば、さらに100杯分もらえることになる。当面コーヒー代は節約できそうだが、1日平均2~3杯飲むとして、外のカフェを利用することもある。どのくらいのペースで消費できるか観察してみたい。うまくいけばもう二度と、スーパーでコーヒー粉を買う必要がなくなるかもしれない。