幸楽苑ホールディングスの株主優待は500円分の金券。290円中華そばがなくなってから足が遠のいていたが、久々に行ってみた。
都心に集中出店している日高屋に比べて、幸楽苑は郊外のよくわからない場所によく見られる。住宅街の中の幹線道路沿いとか、フードコードと競争が激しそうな大型モールの前など、他店の逆張りともいえる立地を選ぶところはCoCo壱番屋に近いイメージがある。
野菜300gの味噌野菜ラーメンが一押し
5月としては少し早い冷し中華も出ていたが、600円超で通常のラーメンより割高である。390円の「あっさり中華そば」に対して490円の「二代目醤油ラーメン司」という上位メニューがあるが、しょせん100円のプレミアムなのでどこまで違いがあるかは疑わしい。
日高屋の定番「野菜たっぷりタンメン」のイメージで490円の「塩野菜らーめん」にでもしようかと思ったが、どうも先ほどから視界にちらちら入る「味噌野菜らーめん」の広告が気になる。店の外から店内垂れ幕、メニューのトップで強調されている味噌味の野菜ラーメンは、今シーズン一押しのようだ。
塩味より100円割高になるが、ためしに味噌野菜の方を注文してみた。野菜は300gでたっぷり目だが、日高屋の350gにはかなわない。
しかし特許出願中の「特製デュラム粉ブレンド麺」というのは気になる。チェーン店の500円以下のラーメンで、麺にこだわったメニューというのはあまり見たことがないので期待が高まる。
幸楽苑の厨房にもリンガーハットと同じ、寸胴を斜めに回転させる自動調理器が見かけられた。ロボット寿司ほど高度ではないローテクだが、誰でも均質に野菜を炒められるコンクリートミキサーのような調理法はアイデアものだと思う。
期待通りの太めのちぢれ麺が味噌に合う
野菜はましましというほどではないが、それなりの分量のもやしとキャベツが乗っている。味噌ラーメンにリンガーハットのようなきくらげが入っているのは意外だが、結構量もあってうれしい。スープは醤油ラーメンに比べるとかなり濃厚だが、しょっぱくて飲みきれないというほどではない。味噌ラーメンとしてはちょうどいい塩梅だ。
こだわりの麺は見た目がかなり黄色っぽい。何となく喜多方ラーメンを思い出させるもちもちした太麺で、濃い目の味噌スープとの絡みもよかった。博多ラーメンは細い麺だが、味噌ラーメンというと昔から太めのちぢれ麺というイメージがある。想像を裏切らない、標準的な味噌ラーメンだ。
塩分控えめを心がけていたが、なかなかこくのあるスープなので、水を飲みつつ完飲してしまった。この内容なら、渋谷で800~1,000円出して食べる専門店のラーメンとクオリティは遜色ない。幸楽苑の味噌野菜らーめんはコスパの高い一品だ。