立川の北口、モノレール沿いに広大な空き地がある。「西の新宿」とか「東京西部で一人勝ち」と言われるほど栄えている(?)立川駅周辺だが、最後に残った旧米軍跡地も立飛ホールディングスの多目的ホール建設で完了となる予定だ。
立川駅前にヤギの群れが…
この春先から、ホールの建設予定地にヤギが放たれているのに気づいた。初めはびっくりしたが、説明書きを読むと見世物ではなく除草が目的らしい。水田の合鴨農法のように、除草剤に頼らないエコな草むしりといえそうだ。
とはいえ、立川駅北口のモノレール沿いは、イケアに向かって伊勢丹や高島屋が立ち並ぶおしゃれゾーンだ。新宿でいえばアルタ前に突然ヤギが出現したようなシュールな光景は、かなりインパクトがある。イケアの宣伝で「スウェーデンから連れてこられたヤギさんたち」といわれてもおかしくない。
案の定、たまたま通りがかった親子連れには無料動物園として大人気だったが、何度か通りかかると異様な光景にも慣れてしまった。夏に入るとヤギたちも暑くてつらそうだったが、広大な敷地で熱心に草をはむ働き者の姿に心を打たれたものだ。金網越しにスマホのカメラを向けても、ヤギたちは食事に夢中で全然かまってくれない。
流鏑馬のためヤギ終了?
そんなヤギ除草も、8月31日で終了という告知が出ていた。「流鏑馬の準備のため」という理由が謎だが、今どきのやぶさめはヤギに乗ってやるのだろうか。
「たくさんの人が僕たちに会いに来てくれて本当に楽しかったです!」というヤギ一同の手紙を読むと目頭が熱くなる。むろん、ヤギ当人は何とも思ってないだろうが。
除草ヤギ貸し出し中
改めて調べてみると、ヤギを使ったエコな除草法はUR都市機構の実証実験を経て、次々と実用化されているところらしい。自宅の庭の草取り用に、牧場からヤギをレンタルしてくれるサービスもあるようなので、庭や空き地の雑草が気になる人は視察してみてはいかがだろうか。
この夏、家族で昭和記念公園のレインボープールに行くなら、立川駅のヤギも見せると子供たちに喜ばれるだろう。ついでにイケアでザリガニ料理を食べて、フロム中武でたこ焼きでも買って帰れば、立川ライフを満喫できること請け合いだ。