掛け時計の購入を検討していて、ふと思いついたアイデア。
普段使っている腕時計を壁に掛ければ、収納場所に困らないうえ、掛け時計の代わりになるのでなかろうか?
ゼンマイを巻く必要のないクオーツ時計にしか通用しない技だが、やってみると案外便利なことがわかった。数か月はそのまま過ごせたので、狭い部屋ならこれで十分かもしれない。
壁掛け腕時計のメリット
部屋の壁はある意味デッドスペース。机や棚の上に時計を置くよりも、壁に掛けた方が場所を取らず、設置場所を選べば視認性もアップする。
たまたま新居でコンクリートの壁に、エアコンのリモコンを引っかけるネジが打ち込んであった。ためしにリモコンを外して腕時計を吊るしてみたところ、何となく掛け時計の代わりになりそうな予感がした。
腕時計を部屋の時計と兼用することができれば、持ち物を減らせて一石二鳥。さらに時計を使わないとき収納する場所も不要になる。
設置場所は出入り口の脇なので、外出時にさっと持ち出せる。家に帰ったらすぐ時計を外して壁に掛ければ邪魔にならない。
ちょうど鍵や財布を玄関近くに置くのと同じ感覚だ。部屋の中で大事なモノの置き場所がわからなくなるリスクを減らせる。
複数設置して視認性を補う
腕時計は文字盤が小さいので、当然ながら遠くからはよく見えない。風防が部屋の照明を反射することもあり、たいして広くない6畳間でも、普通の掛け時計ほど時刻が読みやすいとはいえない。
この問題は部屋の中に複数の腕時計を吊るすことで解決できた。ドア横に加えて、机の前にも別の時計をかけておく。隣室との間仕切壁にはボードが張ってあったので、簡単にピンを刺して吊るせた。
固い革ベルトやDバックルを付けていると厳しいが、薄手のナイロン・パーロンベルトなら自然に掛けられる。
時計収集が趣味なので、使っていないモノはいくつもある。
普段は引き出しで眠っていたコレクションを、表に出して鑑賞できるチャンス。さすがに機械式は面倒だが、クオーツならゼンマイを巻く必要はない。
部屋に2つ時計があることによって、どちらかが止まったり遅れたりしても、早めに異常に気づくことができる。
慣れれば部屋の中の立ち位置から、近い方の時計を無意識にチェックできるようになる。
たまたま黒字に白針の、読み取りやすいミリタリーウォッチばかり持っていたのもよかった。おかげで文字盤が小さくても、時刻は十分読み取れる。
夜光時計が使える
置き時計や掛け時計に比べて、腕時計は種類が豊富だ。特にトリチウムやルミノバの夜光塗料を使った軍用時計は、部屋の中でも重宝する。
暗闇では最強クラスの明るさを誇るトリチウム発光。手持ちのマラソンウォッチを吊るしたら、夜中に時間を確認するのがとても楽になった。
トイレに起きる際、ドア横に夜光時計があれば、電気やスマホを点けることなく現在時刻を確認できる。光の刺激もおだやかで、まぶしくて目が覚めてしまうおそれもない。
地震や停電が起こった際、時計を手に取ってすぐ脱出できるというメリットもある。非常時に照明やバッテリーを必要とせず、夜でも時間を確認できるのは安心だ。
鉄道時計もいい
壁に吊るすのは腕時計で構わないが、少し大きめの懐中時計なら見やすさはさらにアップする。
時計のベルトがだらりと垂れるのはみっともないので、そのまま引っ掛けられる懐中時計なら見栄えもよくなる。
これを機会に、前から欲しかったセイコーの鉄道時計(SVBR003)を買い足そうかどうか悩んだ。直径5cmあるので大きさは十分。吊るしやすいフックが付いていて、精度や信頼性も抜群だ。
数字フォントやスペード型の針はレトロだが、全体的にはモノクロ基調でシックな外観。部屋のインテリアとしても、そこまで違和感は覚えない。
ただし現行のセイコー鉄道時計は、年差仕様でもないのに定価28,000円もするのがネック。国産クオーツでこの価格帯なら、メンテナンスして一生使えるくらいの品質だろう。しかしほかに使うあてのない趣味の懐中時計に、数万円も投資するのはためらわれる。
もはやスマホがあれば腕時計すらいらない時代。いまだに懐中時計が売られているのは、こういう一部のマニア向け。そしてコスプレグッズとして需要があるからだ。
掛け時計との併用
腕時計を壁に掛けるのは良いアイデアだと思ったが、見た目がいまいちな点は否めない。さらに便利にしようと部屋に何本も吊るすと、さすがにやりすぎな感じが出てきた。
実用上は問題ないとはいえ、やはり専用品にはかなわない。「帯に短し」という惜しい感じだ。
これまではBRAUNの目覚まし時計AB40slを卓上で使いまわしていた。ただし新居に備え付けのデスクが幅900×奥行500mmしかなく、場所を取るのが気になってきたところ…
結局シンプルなデザイナーズの掛け時計を検討して、同じくブラウンのBC06を買うことにした。おかげで見た目はすっきりして、時間もわかりやすくなった。血迷って鉄道時計など買わずに、普通の掛け時計に投資してよかったと思う。
ただし扉の脇に設置した夜光時計があまりにも便利だったので、こちらは今でも吊るしたまま。
なんだかんだ見た目が悪いといっても、夜中にチラッと見ただけで時間がわかるのは便利だ。そして万が一、秒針のない掛け時計が止まっても、もう一方の時計を見てすぐに気づくことができる。
実用性を重視した端正な文字盤デザインは、どことなくブラウン製品と似ているように見えなくもない。ドア横にあって持ち運びに便利なため、外出時はほかの高価な時計より、こればかり使うようになってしまった。
防災上の観点からも、一家に一本備えておきたいマラソンウォッチ。玄関脇やトイレの近くに吊るしておくのもおすすめだ。
所有しているのは文字盤にブランド名のないステライルバージョン。見た目がシンプルで気に入っている。