元祖「回らない回転ずし」渋谷の魚べいは格安108円均一で安さも魅力

「回らない回転ずし」というキャッチコピーで一世を風靡した渋谷の魚べい。行列でなかなか行く機会がなかったが、仕事のついでにようやくチャレンジできた。

最近の寿司屋は高速&低速レーンのハイブリッド型

今となってはめずらしくない完全オーダー型の回転寿司。そもそも回転ずしで何周もしているネタなんて、干からびて全然おいしくなさそうなので、同じ値段なら個別にオーダーしたいとは誰もが考えるところ。思い切って回転レーンをやめて、直線型の高速レーンに特化したところに魚べいの革新性があった。

その後、かっぱ寿司、くら寿司、スシローの業界3強もこぞって高速レーンを導入し、今では普通になってしまったシステム。回転レーンを眺めて衝動買いしてしまう要素も残し、2段構成にするのが標準的になってきている。

魚べいのシャリはロボットが握っている

魚べいでは完全オーダー制だが、タッチパネルで注文してから手元に寿司が届くまでの時間は1分くらいだった。レーンは3段あるので、他のお客さんとバッティングしても、渋滞することはない。1つのトレーに3皿載るので、3個ずつオーダーすると輸送効率がよい。

注文しなかったが、ハンバーグや焼肉だけでなく、焼きトウモロコシやハムチーズかつなど異色のネタもあり。

注文用のタブレットは、放っておくと勝手にCMがはじまる。郊外のイオンモールとかにあるフードコートで渡される、完成お知らせブザーのようだ

バックヤードでは、シャリを握るロボットを導入して、大量注文を捌いているらしい。正直、凡人にはネタの新鮮さくらいしか違いがわからないので、職人が人手で握っていようが、ロボットがつくっていようが構わない。むしろ機械的に製造された寿司の方が、「調理に時間がかからず新鮮でうまい」という逆転現象が起こるかもしれない。

ほぼすべてのネタが税込108円均一

魚べい渋谷店で驚くべき点は他にもあり、渋谷駅前の立地にも関わらず、ほぼすべてのネタが税込み108円均一という低価格。マグロやサーモンはいうに及ばず、赤貝・つぶ貝など貝類まで2個で一律108円。値段のわりに、ネタが小さくてしょぼいということもない。一応、中とろや生エビで「一貫だけ」という高級ラインもある。

これならマックや牛丼屋に行く感覚で、6個くらい寿司をつまんで軽食を済ませても324円。決済もSuicaでOK。寿司屋のファーストフード化が進んでいる。店内は、店員さんもお客さんもほぼ全員外国人で、異国情緒を満喫できる。京都にある畳敷きのカプセルホテルのように、外国人旅行客向けに独自進化を遂げた日本文化ともいえそうだ。