長年迷っていたが、とうとう最後のスーツを売り払った。
万が一、お堅い企業の面接を受けるとか、親戚・友人の結婚式に呼ばれるとか、綱町三井倶楽部でセレブな授賞式に出席するとか可能性を妄想していたが、結局ここ2年スーツに袖を通す機会がなかった。
ミニマリスト、遂にスーツを処分する
ミニマリストに転向して服を減らしたが、一応社会人としてスーツ1着はキープしておこうと思っていた。しかし、クローゼットの中にぶら下がっている出番のないスーツは、意外と場所を取る。
会社も辞めたし、たまの打ち合わせもカジュアルなジャケパンで間に合う。この歳になって、まわりで結婚しそうな知り合いも思いつかないので、そろそろ潮時かと思って古着屋で売ることにした。
10年前のスーツもなんとか売れた
10年以上前に買ったエディフィスのネイビースーツ。生地も良い品で当時は5万円くらいした気もするが、古着の買取価格は700円だった。
売却前にクリーニングに出すのも面倒なので、脇の下にこびり付いていた白い汗染みだけ、軽くウェットティッシュッシュで拭っておいた。経験的にクリーニング済みの服の方が高く売れるが、買い値が低ければ赤字になりかねない。
無名ブランドの革靴も買取OK
スーツと一緒にフォーマルな革靴やネクタイ・ベルトも売り払った。靴はスペインのMEERMIN(メルミン)というブランドで、こちらも4~5万した気がする。いまいちマイナーなので値段がつくかわからなかったが、ダメもとで持って行ったら3,000円と意外な高値で買い取ってもらえた。
ストレートチップだが、よく見ると縫い目が表に出ない仕様になっている。何年も足を通していなかったが、細すぎず太すぎず足にフィットする良いシューズだった。
スーツのレンタルサービス
おかげで押し入れはすっきりしたが、ある意味「もうスーツが必要な場所には出ない」と決心したことになる。ミニマリストとして、一線を越えてしまった感がある。もっとも過去2年スーツを着なかったのだから、来週急に必要になるということもないだろう。
一応調べたところ、冠婚葬祭用のスーツのレンタルサービスがあるようだ。3泊4日で5,000円くらいの相場だが、家で保管しておくストレスを考えると、毎年そのくらい払うことになっても、その都度借りた方が気が楽だ。葬式と結婚式に併用できるブラックのスーツ、革靴から白シャツ、ネクタイまでセットで借りられるサービスもある。
白シャツは家にある適当なもので間に合うだろう。革靴も、先日磨いたばかりのパラブーツがある。これも売るか迷ったが、ソールに穴が開いているのでおそらく無理だろう。
冠婚葬祭でカジュアルなスリッポンとは、” Oxford Not Brogues”が合言葉のキングスマンな英国紳士に怒られそうだ。しかしそこは日本の折衷文化。スニーカーや草履とかでなければ、親戚のおばちゃんにも文句を言われることもなかろう。
急に葬儀で必要になったときに備えて、レンタルサービスは一度事前に試しておいた方がよいかもしれない。セット内容にバッグは含まれないが、こちらは手持ちの紙製ブリーフケースで間に合いそうだ。
スーツを売るならブックオフよりトレファク
ブックオフの株主なので、できればそちらで売ってポイントも集約したいところだ。しかし、近所のブックオフではスーツやネクタイの買取は行っておらず、革靴もヒールに修理の跡があり、取り扱い不可とのことだった。ソールは革だが、すり減って来たので踵のゴムだけ貼り直ししていたようだ。
仕方なくトレジャーファクトリーの中でも、ブランド物に特化していそうなスタイル店に行ってみた。値段は上記の通りだが、持ち込んだスーツも革靴もネクタイもベルトもすべて買い取ってもらえた。
初めての利用でも、その場でアプリを落として査定額10%アップ。ブックオフで断られるような品物やブランド品でも、トレジャーファクトリースタイルなら引き取ってもらえる可能性がある。似たような古着屋チェーンのドンドンダウンでも、スーツは売れた記憶がある。
喪服のレンタル市場に期待
女性向けのドレスやバッグのレンタルサービスが流行っているが、キラーコンテンツは喪服ではないかと思う。ブランドバッグは生活必需品でないが、葬式に喪服を着てこないのは、さすがにミニマリストでも気が引ける。
数あるシェアリングサービスの中でも、冠婚葬祭用品のレンタルは見込みがある。病院の近くには必ずお見舞い用の花屋と果物屋があるように、駅前や葬儀場の近くに実店舗があって、その場で試着・レンタルできるともっと便利だ。
ウェディングドレスならデザインのバリエーションが必要だが、喪服ならワンパターンでよい。地味で目立たないことが重要だから、多少サイズが合わなくても古着でも構わない。それこそブックオフなどが、全国店舗で喪服の「その場でレンタルサービス」を始めてくれるとありがたい。