タイベック製THINK AERO軽量ブリーフケースの傷んだハンドルを改造

2年くらい前に買った、リュウドのTHINK AEROブリーフケース。ツバメノートとコラボしたThinking Power Notebookシリーズと関係あるのか、

表のポケットにでかでかとマスコットアイコンの「スカルおじさん」がプリントされている。

限定販売のブラック、ロゴなしモデル

実はかつて、この余計な「スカルおじさん」のない、シンプルなブラックカラーが販売されていた。マスコットのチープなキーホルダーも付いてきた気がするが、すぐに捨ててしまった。

ホワイトは汚れが目立ちそうだし、カーキ色はカジュアルすぎる。タイベックのブラック色は遠目からはほとんど革製にしか見えない、絶妙なテカリとツヤがある。ビジネス用にはブラック以外あり得ない。

このバッグを持っていると、駅で見知らぬおじさんに声をかけられることがある。マニアなおじさんにトイレで話しかけられてもうれしくはないが、近くで見ると予想を裏切る紙製品なので、インパクトがあるのかもしれない。

防水素材なはずなので雨の日もがんがん使ったが、一向に壊れる気配もない。少し引っ掛けて塗装が剥げ、中の白い素材が見えているところもあるが、油性マジックで簡単に補修できそうだ。使い込むほどに皺が増えてきて、革製品のように微妙な経年変化を楽しめるアイテムでもある。

高機能素材タイベックの魅力

原料はポリエチレンの米国デュポン社製TIVEK。軽量の紙なのに耐久性があり、さらに通気性・耐水性も備えるという万能素材だ。しかも価格は化繊と同程度なのだから、これでバッグをつくれば便利に違いない。

重さは200g程度。9.5cmのマチがあるので、A4サイズの書類はもちろん、ノートPCや小物も余裕で収納できる。内張りの中にクッション素材が挟まれていて、多少の衝撃吸収性はある。

ジッパーが片側だけ長めに開いて、バッグからはみ出る長尺物を納められるとか、底部にある隠しカードポケットとか、地味に機能も満載だ。内側には両サイドにポケットが合計6個ある。外側のポケットもスマホを入れるのにちょうどよいサイズだ。

公式サイトのイラスト通り、底のポケットにSuicaのカードを入れて、駅の改札を通れるか実験してみた。反応は問題なかったが、勢い余って鞄の中身を改札の機械にぶつけてしまいそうだ。うまく位置が決まらなかったときに後続の人に迷惑をかけるので、やるなら相当練習しておいた方がよい。

トラベルバッグはロゴが惜しい

これで自転車に乗るとき用に、ショルダーベルトが付いていれば完璧なのに…と思っていたら、さらに大容量でベルト付きのトラベルバッグやトートバッグが発売されていた。

しかし、TRAVELにはブラック色があるものの、例のスカルおじさんが印刷されていて残念だ。塗料やスプレーで塗りつぶせるかもしれないが、タイベックの微妙なツヤ感を維持できるか自信がない。

手持ちのブリーフケースも、内側にはしっかりスカルおじさんがいてさりげなく自己主張している。よくThinkingすれば、このロゴは不要だと思うのだが…。

SIWAよりフォーマルな印象

ほかにもタイベック製のバッグや小物は販売されているが、オールブラックでビジネスに使えそうなブリーフケースというのはこれ以外見たためしがない。

唯一、SIWAのブリーフケースが似ている競合品だが、あちらは和紙のようなマットな質感でだいぶ見た目が異なる。皺の部分も白く目立つので、あえてそれを売りにするのでなければ、仕事用に使うには違和感ありそうだ。

SIWAシリーズは深澤直人デザインのため、価格もTHINK AEROの3倍近くするのがデメリットだ。

ジャケットにリュックは似合わない

スーツも処分したし、手提げの書類鞄は不要ではないかと思う。買物や旅行用に使っている大き目のバックパックを兼用すれば、さらに荷物を少なくできるはずだ。

しかし、ジャケットやシャツ姿にリュックを背負うのは何となく子もっぽくてダサい気がする。肩のベルトで服に皺がつくのも気になるし、夏場はバッグに触れている背中に汗をかく。自分的には、自転車に乗るときだけかついで、降りたら手持ちスタイルになる3wayならぎりぎりOKだ。

少々高いが、ラゲッジレーベルから革製のシックな3wayバッグも出ている。去年nano universeのBRIEFING別注で、ミニマムな2wayスタイルのバッグが出ていて気になったが、そちらは迷っているうちに売り切れてしまった。

見た目も考えて、やはりブリーフケースも1個は持っておきたいと思うと、軽くてかさばらないTHINK AEROは重宝する。使わない時は適当に丸めてタンスに突っ込んでおいてもへこたれないし、カビも生えない。

劣化したハンドルを革でカバー

便利なバッグだが、長年使っているうちに持ち手の部分が傷んで色落ちしてきた。ここだけ耐久性に問題があるのか、バッグと同色の薄い布が巻かれている。しかし、補強目的で巻いてあるにしては丈夫でないらしく、1年経つと目に見えて劣化してきた。

自分の手の汗をたっぷり吸って、いろんな雑菌が繁殖しているかと思うと、我ながら素手で持つのがはばかられる。2年経つと、人前でもさすがに恥ずかしいレベルまで色褪せしてきた。

対策を考えたところ、THINK AEROにちょうどフィットしそうな、細めのハンドルカバーがあるのを見つけた。柔らかい革製でボタンで留めるだけなので、予想通りばっちりフィットした。

ここだけ厚めの革素材になって、見た目のバランスが崩れるのは残念だが、しっとりした感触で持ち手の快適さは格段にアップした。

はみ出た汚い布を除去

ところがよく見ると、今度は革のハンドルカバーより下地の布の方がちょっとはみ出てしまっている。

ここまで来たからには、できる限り見た目を整えたい。布の破れた個所から、ハンドル下地が本体と同じ黒いタイベックであることを確認できたので、思い切ってカッターでかっさばいてみた。

紙と一緒に縫い込まれている部分は取れなかったが、全体的に目立たない程度に古い布を除去できた。あらためて観察すると、色褪せどころか得体のしれない茶色に変色していてやばい。汚物は消毒だ。

ハンドルを手術したおかげを、見た目は多少ましになった。街中でホワイトやブラウンのモデルを持っている人はたまに見かけるが、ロゴなしのブラックを持っている人はまだ見たことがない。せっかく手に入れてメンテしてきたレア製品なので、壊れるまで使い込んでタイベックの限界に挑戦してみたいと思う。