ソシャゲは課金ガチャより無料ガチャ、連続ログインで病みつきになる

ロマサガRSは開始後2か月でイベント・ガチャの展開がマンネリ化してきて、もはや惰性でプレイを続けている状態といえる。ガチャも1日1回の無料分しか回さないが、「つまらないのに続けている」というのも、依存症の一形態なのだろうか。

実際にソシャゲをプレイして気づいたのは、「ガチャ」よりむしろ危険なのは、「スタミナ」という概念だ。そしてスタミナに似た感じでプレイを習慣づける要素が、ほかにも導入されている。

一方で収益の根幹であるはずのガチャ自体は、なぜかそれほど魅力がないように感じる。あくまでロマサガRSに限った話だが、ひょっとするとソシャゲ業界全体でガチャが飽きられはじめているのかもしれない。

1日1回無料ガチャ

スタミナと同じ性質を持つのが、「1日1回まわせる無料ガチャ」というシステムだ。これも毎朝起きたらすぐに回さないと、損した気分になる。

無料ガチャは「S以上」など保証がなく、出るのはいつも地味なAキャラばかり。確率的には1%くらいSSが出てもおかしくないはずだが、アカウント2つで50回まわしたくらいではSどまりだった。

ガチャを回す行為を習慣化させることで、有償型に誘導したいという運営側の魂胆がうかがえる。しかし、一部のユーザーにとって課金への心理的なハードルはものすごく高い。無料ガチャはどちらかというと、スタミナ制と同じく毎日のプレイを習慣化させるための仕組みと考えられる。

連続ログイン報酬

「連続ログイン」も無料ガチャと似たようなもので、ここ3週間は朝起きてトイレに行く前にアプリを起動するのが習慣になってきた。そして最初に無料ガチャを回して出たキャラで、その日の運勢を占うようなかたちだ。

毎朝ニュース番組の占いを楽しみにしている人は、依存症と呼べるのだろうか。同様に、毎朝ソシャゲにログインして無料型を回す人は、問題といえるのだろうか。

別のソシャゲだが、かれこれ2年近く連続ログイン達成している知り合いもいる。そのゲームで連続ログインの報酬がどの程度あるのか知らないが、ある意味ものすごい努力のたまものといえる。それを聞くと自分もロマサガRSのサービスが続く限り、何年でも連続ログインを続けたい気分がしてくる。

連続ログインとは、小学生が夏休みに毎日記入する、歯磨き達成カレンダーみたいなものだろう。たいした報酬などないが、コツコツスタンプをためると何かうれしい気分がしてくる。まさにこの手のゲーミフィケーションの元ネタといえるのが、連続ログインのシステムだ。

RSのガチャは魅力に乏しい

スタミナ回復に比べると、ロマサガRSでガチャに課金するインセンティブはおそろしく低い。ある意味、良心的ともいえるサービスだが、値付けをミスしたために儲からなさすぎて、早晩サービス終了になってしまうのが怖いくらいだ。

ロマサガRSのガチャがいまいちな理由を整理すると、

  • 1回まわすのに300ジュエル(=円)もかかる
  • 10連続で回しても、排出が保証されるのは「S以上(SSは無保証)」
  • SSキャラを入手しても、育成に時間がかかり即戦力にならない
  • SSキャラを多く集めたとしても、攻略が圧倒的に有利なわけでもない
  • 各キャラの技やアビリティーに特徴が少ない(絵柄が違うだけ)
  • キャラのイラストに魅力が少ない(個人的感想だが…)
  • キャラを集めても、人に自慢できない(まわりでやっている人がいない)
  • 今のところソーシャル要素がなく、他のプレイヤーにキャラを見せる機会がない

ガチャを回さなくてもプレイできる

中盤以降はSSキャラが複数いないと難易度的にクエストをこなせなくなる。それでもA~S弱小キャラを無理やり強化すれば、力技で敵を倒せないこともない。ロマサガRSでは「敵の行動パターン」という運要素も大きく影響する。

「全員SS+最適な攻撃防御属性」が要求されるのは、Very Hardのボス戦くらいで、やり込みユーザー向けの余興だ。そこまで行くと、さすがにガチャを回してSSキャラを漏れなく集めないとパーティー編成が難しい。

以上の「攻略」という要素を抜きにして、キャラの「コレクション」を目的にするには、魅力がなさすぎる。スクウェア・エニックスがあえてガチャの魅力をおとしめたのは、射幸性を下げて短期収益より長期ユーザーの確保を目的としたとか、ほかに理由があるのかもしれない。

端的にガチャは「高すぎる」

誰に見せるでもないスマホ内のキャラリストを充実させて喜ぶのは、自己満足でしかない。その対価としては値段が高すぎる。1980年代に流行ったビックリマンやカードダスにたとえると、何が出るかわからないのに10枚セット3,000円払うような感覚だ。

ガチャの値段が1/10なら多少回してもよさそうな気もするが、確率要素を含むため期待値は低い。そして中にはアイシャなど、絵柄的に見たくない、あるいは能力が低すぎて当たってもうれしくないSSキャラが含まれている。

イベントごとに出てくる限定キャラを課金してコンプリートしたい人とは、どういう人種だろう。攻略サイトを運営していたりプレイ動画を公開して稼ぐアフィリエイターの人が、投資として回しているだけな気もする。

ガチャ以外のビジネスモデル

素人目に見ても、ロマサガRSで課金するインセンティブは低い。そこは無理なくプレイを続けさせて、長期的にプレイヤーを育てようという、大手のスクウェア・エニックスらしい目論見が見え隠れする。

ひょっとすると、ガチャ以外に他ゲームやアニメ、商品とのコラボなど、別のビジネスモデルが意図されている可能性もある。そのうちゲームの中に、関係ない広告が出てきてもおかしくない。

今朝の日経新聞で、ゲーム会社のガチャ課金不振(減益)のニュースが出ていた。依存をつくりだすメカニズムとしては秀逸だが、あまりにもてはやされたため、単なるキャラ集めは飽きられてきたようにも見える。

とりあえずウェブメディアと同じで、ユーザーを集めておけば何かしらマネタイズできる可能性は出てくる。その点で、無課金ユーザーもとりこにするスタミナや無料ガチャという仕組みは、よくできていると思う。