ロマサガRSをプレイしていて、旧作リメイク版に課金したくなる罠

ロマサガRSで遊んでいると、旧作で使ったことのない主人公やサブキャラが出てきて興味をそそられる。

昔のロマサガはストーリーに自由度があったので、数回プレイしたくらいではすべてのイベントを網羅できない。時間的には他のRPGより数倍プレイしたはずなのに、最後まで消化不良だった。

お粗末なガチャに課金したいとは思わないが、同じ値段でスマホ版ロマサガ2・3は買ってもいいかなと思う。何となくロマサガRSが、オールドゲーマーのリメイク版アプリ購買意欲を喚起するプロモーション活動に見えてきた。

ロマサガの魅力はフリーシナリオ

90年代のロマサガはひとえに、「フリーシナリオ」や「ひらめき技」といった、やり込みを喚起する要素がユニークだったといえる。ゲーム内の選択肢によって、LAW-NEUTRAL-CHAOSに属性変化するマルチシナリオは女神転生IIで既出だったが、ここまで自由度のあるシナリオはロマサガが初めてだった。

当然、バグやゲームバランスの崩壊リスクも伴うが、リセットしても何とか再挑戦できるレベルだった。その点、真・女神転生IIはバグが多すぎて、プレイ続行不可能だった。途中まではおもしろかったが、クリアできなかった悔しいRPGのひとつだ。

ソーシャルゲームのRSにマッチするかわからないが、伝統のフリーシナリオはぜひ実装してほしいと思う。どこかの時点で、パーティーに入れられるキャラや育成傾向が不可逆的になるとか。

グロイ敵キャラと名曲BGM

ロマサガは味方・敵キャラの魅力で訴求する部分もあるが、そこはほかのゲームと大差ない。当時のFFと共通して、敵キャラのドット絵がグロイ部分はそそられる。しかし、シリアスな敵グラフィックの禍々しさでいうと、ウィザードリィの方が上回っている。

また、ロマサガ最大の売りは伊藤賢治作曲のBGMであると言っても過言でない。RSでは新曲が聴けるというのも、ダウンロードした理由のひとつ。というより、いつも通り作業用BGMとしてバトル曲メドレーを流していたら、スマホアプリが出ていることを知ったのがそもそものきっかけだ。

いまだに発売され続ける名曲集のアルバム。最新版はピアノや弦楽器中心のアレンジで、普段使いに重宝しそうだ。

スーファミ版ロマサガ1~3をプレイした思い出を、それぞれ振り返ってみようと思う。

ロマサガ1

過去のプレイ歴を振り返ると、ロマサガ1は訳がわからなすぎて途中で挫折。サルーインまではたどりついたが、さっぱり勝てなかった。最終試練と冥府は行けたが、巨人の里は見たことがない。

スーファミなのにファミコン版FFを彷彿させる素朴なグラフィック。漢字だけ大きい不思議なフォント、GB版と少し似ていて、サブキャラを殺したり仲間を犠牲にできる、殺伐とした選択肢。

レトロな画面を見るだけで懐かしい。再びスマホ向けにリメイクされたら、1はぜひ再挑戦してみたいゲームだ。

ロマサガ2

ロマサガ2は何度かバグや中ボスが強すぎてくじけながらも、根性でクリア。予備知識なしにラスボスの七英雄と戦って、白いお面から血が流れたりする演出は気色悪かった。たまたま修得していた大剣技の「乱れ雪月花」を連発しつつ、長時間戦って何とか倒せた。

2016年に発売されたスマホ版ロマサガ2は、旧作よりグラフィックがきれいになって、ボスキャラにアニメーションがついているのは魅力的だ。Android版は2,200円なので、RSのガチャに課金するよりはロマサガ2を買って再びプレイしたい。

2のオープニングBGMを聴くだけで血が騒ぐ。ひらめきや陣形の登場、斬新な皇位継承システムなど、ゲームとしての魅力は三作品のうちトップだろう。当時リアルタイムで遊べたことは、幸せだったとしか言いようがない。

ロマサガ3

ロマサガ3は普通にプレイすると、四魔貴族のフォルネウス戦で詰んだ。だいぶ後になってからやり直したが、その頃にはネットで手軽に攻略法を調べられるようになったので楽勝。しかしアスラ道場でレベル上げに励んでいるうち、他が忙しくなってクリアできずに終わってしまった。

その後、腰を落ち着けてやり直す暇がなかったので、終盤戦やラスボスはゲーム動画を見て想像する程度。今年発売されるらしい、スマホ向けのHDリマスター版に興味津々だ。今度こそ最後までクリアしてみたいと思う。

RSは旧作リメイク版の宣伝か

ひょっとするとロマサガRSは、これらのリメイク版アプリに誘導するためのプロモーションに過ぎないのではなかろうか。旧作ユーザーがなつかしく思って調べたら、スマホで遊べる売り切りゲームが出ているという流れだ。

同じ2~3千円払うなら、コスプレの萌え絵が手に入る(かもしれない)ガチャを10連回すより、オリジナルのリマスター版を買った方がお得だと思う。一般的な評価は2がベストだが、ロマサガ1・3どれも捨てがたい。

RSをやっていたら、何となく今まで遊んだことのないサガフロやミンストレルソングにも興味が出てきた。それぞれスーファミ版のロマサガ張りにフリーなシナリオだとしたら、何度もプレイして相当ひまつぶしできそうだ。

シニアのゲーマーが増えそう

この流れでGB版もリマスターされたら、サガシリーズで死ぬまで遊べるかもしれない。端末がゲームボーイからスマホに変わったくらいで、30年前とやっていることは変わらない。同じく30年後は、ゴーグルをつけてARでロマサガGOとか言ってそうな気もする。

もはや課金というよりも、古いゲームに時間を取られすぎる方が問題だ。当時は受験や仕事で忙しくプレイできなかった名作RPGを、子育てや退職後に楽しむ人たちがきっと増えると思う。

ガチャとスタミナ概念のない売り切りゲームなら、老後にパチンコや競馬にはまるよりましだろう。欲を言えば、ロマサガRS内で貯めた無償ジュエルでスクエニの他アプリも買えるとうれしい。