ロマンシングサガ リ・ユニバースは、一定レベルまでクリアするとVH4-1-5の定番クエストを周回する単調作業になる。そこから上の難易度が半端ないので、ともかくキャラのピースを稼ぎつつ能力値上げに励むしかない。螺旋回廊の残り、29~30階をクリアするには、あと1週間は育成が必要だろう。
さすがにこれだと飽きるので、一軍パーティーを育成するかたわらマイナーAキャラを育てる余興を始めてみた。とりあえずスタイル一覧の下の方から、「モンスターっぽい見た目」のキャラを寄せ集めてつくった野獣チームを紹介しよう。
Sa・Ga伝統のモンスタープレイ
ゲームボーイ版サガの定番プレイとして、「モンスター4匹パーティー攻略」というのがある。スタート時に選べる種族として、人間やエスパーの他にモンスターが用意されている。たまにドロップする敵の肉を食べさせると、別の敵キャラに「進化する」システムだった。
全員モンスターだと、装備品や能力アップのアイテムを買う必要のない省エネパーティーを構成できる。肉を食べてどんなキャラに進化するか、それぞれの使える/使えない必殺技の研究など、当時ほかのRPGにはない刺激的な要素だった。
キャラとして強化できる要素は少ないが、サガ1で4匹とも最上位のスーパースライムに仕立てると無敵の強さになる。スライム系は攻撃が吸収・回復を兼ねるので、シンプルに打たれ強い。チェーンソーを使わず、まともにラスボスの「かみ」を倒せたのは、このスライムパーティーだけだった気がする。
スーファミのロマサガでは、わき役として人外キャラが登場することはあっても、GB版のように「肉を食う」演出はなかった。そしてスマホゲームのRSもロマサガシリーズがベースなので、初期サガの「食うか食われるか」殺伐とした世界観は鳴りを潜めている。
パーティー構成例、アスラ軍団
とりあえず手持ちスタイルの中から、ケモノっぽい見た目のキャラを選んでみた。雰囲気だけでも魔界塔士Sa・Ga風というパーティー例だ。
- クーンS/A
- ゲラ=ハS
- ヴァルドーA
- アスラA
- シエロA
アスラだけは形状が人型なので、ドット絵の非人間性からすると「ようせい」や「ゆきだるま」に替えてもよさそうだ。ただし、アスラはAスタイルにも関わらず耐性属性のボーナスがすばらしいので、ぜひパーティーに起用したい。
サガ フロンティア以降はやったことがないので、唯一S/Aそろっているクーンがどういう素性なのかはわからない。Sの方は見た目が半人間で、ロックマンみたいなイラストが気持ち悪い。しかしドット絵はAキャラのイヌと変わらず持ち技が強力なので、クーンはSを起用せざるをえない。
Aキャラでもこだわりのドット絵
マイナーキャラと見せかけて、野獣キャラのドット絵はそこそこ凝っている。たとえばバトル中の気絶ポーズ。ゲラ=ハは敵側に突っ伏してくたばり、シエロは仰向けに行儀よく倒れる。クーンは車に轢かれたキツネのようで、ヴァルドーは原形をとどめないくらい潰れる。
バルタン星人そっくりなヴァルドーが、ダメージを受けるときの「ビックリした」ポーズは愛嬌がある。弱小シエロの売りは、もはやかわいいモグラのドット絵だけともいえる。戦闘後の勝利ポーズで、シエロは帽子を脱いでよろこびをアピールする。
一瞬だけだが、シエロはカットインの技終了後にも帽子を脱いだ決めポーズを見せてくれる。さらに瀕死時の帽子を押さえてかがみ込む姿もユーモラスだ。
Aキャラの中でも人気のない方だと思うが、こんな気のきいた演出は他で見たことがない。
ドット絵への執拗なこだわり
ロマサガRSは萌え系のスタイルイラストより、実はドット絵の方が見どころが多い。戦闘時も背景画像の高解像度に比べて、キャラのドットは妙に荒い。このあたりはスーファミ時代の旧作ファンを意識したサービスと思われる。敵も味方も懐かしのドット絵表現で通している。
ロックブーケの術発動前の待機ポーズ、気絶と勝利ポーズはいずれもすばらしいクオリティーだ。
まわりの青い幽霊みたいな取り巻きまで忠実に再現されているので、黒い翼のSSよりSスタイルの方が見ていて楽しめる。
人外キャラの拡張可能性
A~Sスタイルの人外キャラを育成して、今後SSスタイルがリリースされる可能性はあるのだろうか。
いみじくもヴァルドーはスマホ版RSのオリジナルキャラだから、上位互換でロブスター族の先祖ボストンくらい登場してもおかしくない。シエロもロマサガ2では蟻エピソードに関連するモール族だったから、いずれターム戦のクエスト追加とともに脚光を浴びる可能性はある。
アスラが進化するとしたら、せいぜい「節分の鬼」イベントくらいだろうか。敵キャラとしては最上位クラスだが、RSでは今のところヴァンパイアレディやセフィラスと同程度の扱い。ロマサガ3の道場ネタに終始しているあたり、残念ながら一発屋にしか見えない。
ゲラ=ハもゲッコ族やトカゲキャラの上位互換が思いつかない。こちらもせいぜいSどまりな気がする。ロマサガ2であれほど個性的だった「ゆきだるま」でさえ、クリスマスイベントでもSSは出なかった。
唯一クーンだけは、サガフロ内での立ち位置によってはSSに化ける可能性がある。バーバラよろしくA・Sが出ているあたり、SSスタイルの追加はボルカノ・ウンディーネと同じくらい期待できそうだ。
おっさんパーティー
さらにアスラ軍団に次ぐ三軍ちーむとして、おっさんばかりのパーティー構成も考えてみた。いかにも人気がなく、スタイルリストの末端で忘れ去られていそうなキワモノばかり。特にウォードのイラスト・ドット絵にいたっては、もはや変質者にしか見えない。
見た目で選んだので、今回は攻撃が斬属性に偏っている。あまり術キャラは使いこなせていないので、回復術は持たないがシン・ドゥの活躍には期待できそうだ。
二軍が育ってきたら、メインストーリーHardでしか手に入らない、技覚醒用の砂集めなど担当させたい。パーティーの戦闘力が2万を超えることには、各キャラの経験値も99999でカンストするはずなので、毎日の洞窟修練クエストに出してもよいかと思う。
こんな感じでマイナーなキャラを発掘していけば、かなり長くゲームを楽しめそうな気がする。しかしAスタイルは極限まで育てても、SSの能力にかなわないと思う。新しく出たイベントを攻略する際には、主力パーティーもそこそこ鍛えておいた方がいいだろう。
旧作エピソードの追加は望み薄
ロマサガRSはここ2か月の傾向を見ると、旧作のストーリー再現より、クリスマスや正月といったイベント限定キャラの作成に力を入れているらしい。確かにその方が限定ガチャを訴求できて、売上も増えるだろう。
ロマサガといっても、旧作を懐かしがってプレイする中年ユーザー層は案外少数派なのかもしれない。露出度の高い女性キャライラスト、主要キャラの限定スタイルで攻めてくるあたり、RSはあくまで最近のソシャゲ路線とみえる。無課金で拡張性のないAキャラ育成を楽しむ古参ファンなど、お呼びでないのだろう。
しかし、万が一シエロやアスラのSSキャラが追加される事態にそなえて、天井ガチャ用のジュエルは温存しておきたい気持ちもある。ロックブーケのテンプテーション(女性キャラ縛り)のように、人外キャラでないとこなせないマニアックなミッションが出てきたらおもしろい。
そんなことを考えていたら、運営元から次回フェスの予告が発表された。予想通りのバレンタインデーで、またもや女性キャラのコスプレ限定スタイル登場だ。アルジャーノンといえばロマサガ3のネズミ退治だが、旧作エピソードはもはやパロディーのネタ元でしかないらしい。