人生の終盤に差しかかってから、ようやく決意したヒゲ脱毛…。実際に店舗でカウンセリングを受けてみたRINXと湘南美容外科について、率直な感想を述べてみようと思う。
RINXのINNOVATIONは痛みも少なく問題なし
「10回パス税込59,800円」のキャンペーンに魅かれ、第一候補として訪問したRINXは、白衣を着たイケメンが丁寧に対応してくれて、非常に印象はよかった。契約前の見込み客に対して、30分くらいヒゲの伸びるメカニズムを講義してくれたり、気軽にパッチテストも受けされてもらえたりしたので、価格面での思い違いがなければRINXに決めていたと思う。
エステ系の光脱毛の中では、男性の毛に特化して独自開発したイノベーションという装置が売りだが、試しに何か所か当ててもらった感じでは痛みは少なかった。少なくともかつてTBCで経験したニードル脱毛とは雲泥の差だ。そこは10年以上の技術進化もあったかもしれないが、数万本の毛穴に針を突っ込んで電気ショックをやるよりは、広い範囲に光線照射して一網打尽にする方が効率的に思われる。
骨に近いからか、あごの下が一番刺激を感じたが、ピリッとする程度で問題なかった。このペースで顔全体30分もあれば完了するとのことなので、2週間~1ヶ月に1回の施術は始まってみればあっけないものだろう。
キャンペーン価格と実負担費用の乖離が著しい
さて、一通りの説明とパッチテストが終わって見積費用のご相談になる。実はすでに面談冒頭で「10回パスのキャンペーンは他のエステを試したリピーター向けで、永久脱毛するには実際20~30回は照射必要」と言われており、モチベーションが半減していた。
確かにウェブサイトには「脱毛に必要な回数には個人差がある」と書かれていたが、キャンペーンの5回や10回パスでは、多少ヒゲが薄くなって目立たなくなる程度、という認識らしい。自分はそれほどヒゲが濃いわけではなく標準的なところと思うが、話の流れで何となく最低20回は必要、あとは部位ごとにカスタムで何回か受けて追い込んでいくのがおすすめとわかった。
また、ホルモンバランスの変化やさまざまな理由により、うぶ毛的な細い毛が生えてくる可能性があるので、メンテナンスの意味で施術を受け続けるのが有効、と言われた。要するに光脱毛だと効果が薄く永久脱毛にはいたらないので、20~30回あてても一生通い続けることになるのだろうか、とか不安に思った。
66%オフキャンペーン後は無期限80%オフ適用なし
また、最大の誤解だったのは、66%オフの6か所10回保証パスを59,800円のキャンペーン価格で受けると、RINXの売りである「終了後、無期限80%オフ」の対象外になってしまうらしい。一部のウェブサイトにその情報はあったのだが、公式サイトに明記されていなかったので、これはまぎらわしかった。
要するに66%オフのキャンペーンは客寄せパンダで、標準価格の20~30回パスを受けないと永久脱毛は難しいということだ。顔・首全体6か所、キャンペーン無しの10回パスで174,700円、20回だと相当値引きがあり148,000円、30回だと189,000円(さらに終了後は80%オフ特典が90%オフに)の料金だった。ウェブサイトには10回パスでも40%オフで115,000円(終了後80%オフ特典あり)の設定になっているが、面談ではなぜかこの説明がなかったので、10回より20~30回パスの方が安くなるという意味不明な料金体系に混乱してしまった。
RINXに20回以上通うなら医療レーザーと同料金
落としどころとしては「20回パスの148,000円で契約して、その後の状況を見て80%オフ適用で個別の部位に追加施術していく」というご提案だった。80%オフなら6か所やっても1回5,040円なので、25回くらいで脱毛完了すれば30回パックより安く済むというわけだ。
59,800円のキャンペーン価格が念頭にあった自分としては、この時点ですでに予算3倍近くに膨らんで意気消沈してしまっていた。15万出すとしたら、確か医療レーザーで顔全体脱毛するのと変わらない相場な気がする。それなら効果が不安なエステの光脱毛より、最強の医療レーザーを当ててもらった方が安心感がある。いつまでもうぶ毛が生えてきて、80%オフとはいえRINXに通い続ける事態は避けたい。
岐阜に店舗があったりサービスは素晴らしいが…
実はRINXには岐阜駅前店というローカル店舗が存在しているのが魅力の一つだった。また岐阜で暮らすこともあるかもしれないのだが、湘南美容外科も全国展開しているとはいえ、名古屋まで出ないといけない。
また、RINXのスタッフさんの接客態度は素晴らしかったのだが、自分も仕事で営業慣れしているので交渉テクニックのあざとさが目についてしまって、げんなりする点があった。必要以上に仕事やプロフィールを聞いてきてくるとか、「この場で契約すれば割引価格適用。でも迷っていたら数日なら担当者が融通効かせられる」とか。見込み客の反応によって対応方法もしっかりマニュアル化されているのだろう。その点、後述の湘南美容外科は接客がそっけない感じ(もちろん印象は悪くないが)で、かえって好感を持てた。
湘南美容外科にアポなしでカウンセリング申し込み
永久ヒゲ脱毛の目的を達成するのに料金が変わらないなら、医療レーザーに比べて痛くないらしい光脱毛を選ぶのもありかもしれない。ただし、15万円は投資して2年近く通うことになると思うので、念のため美容外科で話も聞いておきたいと思った。近所にあって全国展開しているメンズ脱毛対応のクリニックは、湘南美容外科一択である。
駅前に店舗があるので、電話やウェブを経由するより、直接来店してカウンセリングの予約を取った方が早いかと思った。さいわい平日で空いている時間帯だったようで、本来は完全予約制のところ、受付の方が機転を利かせて当日中に面談をセッティングしてもらえた。
後から入店してきた女性客が、ものすごい勢いで180度くらい目を反らせて驚いた。ハッと気づいて、ここが美容外科であることを思い出した。自分はヒゲのことしか頭になかったが、整形とか脂肪吸引で通っているお客さんが多いはずだ。そんなところを男性に見られてうれしいわけはない。逆にいえば、自分も年甲斐もなく美容や薄毛治療に来ている自意識過剰なオッサンと見られているのだろう。
その後、男性専用の待合室という狭くて目立たないスペースに案内されたが、他のお客さんと顔を合わせるのはちょっと気まずいかもしれない。同性同士なら戦友といえる共感が生まれそうだが、間違って女子トイレに入ってしまったような違和感を覚えた。知り合いに会わないように、あえて自宅や職場から離れた支店に通いたいくらいだ。
スタッフもお客さんも女性だらけで緊張?
RINXと違って、受付も施術の説明も女性スタッフだった。施術担当の方は、仕事中にアポなしで来てしまって迷惑だったのか、医療上説明が必要な点だけ手短にしゃべって終わった。「脱毛に来た理由」とかあれこれ詮索されるより、この方がエンジニアっぽくて好印象だったといえる(もちろん物腰丁寧で失礼な感じはない)。
RINXは男性専門でスタッフもすべて男性なので気を使わなくて済む、というのが売りなのだが、羞恥心のかけらもないオヤジとしては、湘南美容外科のように女性スタッフに対応してもらった方がちょっとうれしかった。RINXのスタッフさんも、つるつる男子の見本のようでみな男前なのだが、男に顔をなでられてもうれしい性格ではない。むしろ強力な医療レーザーでおねえさんにバチバチやってもらった方が、やりがいがありそうだ。
首を含まなければヒゲ脱毛132,980円で4年間無制限
カウンセリングで一番聞きたかったのが、4年間無制限プランを組み合わせるとして首(48,600円)も必要か、という点だった。自分の顔を鏡でみた限りは、首までびっしりヒゲが生えている様子はなく、ぎりぎりアゴ下までのプランでカバーできないかと思った。首は面積が広いからか、それだけで4万以上の金額になってしまう。スタッフさんに観察してもらった限りでは、ヒゲが生えているのはぎりぎりアゴ下にとどまっていて、首までは必要なさそうだった。
結果、見積もりではヒゲ3部位(口ヒゲ+アゴ+アゴ下)とホホ・もみあげの各4年間無制限で132,980円。首を含まなければRINXの20回パスより安くなる計算だった。さすがに4年間、医療レーザーを当てまくってヒゲ根絶しなければ諦めるしかないだろう。
なぜか見積もりにメタトロンのローション・クリーム・UVジェルが追加されて3万円くらい増えていたが、湘南美容外科でこういう営業があるのは意外だった。もちろんオプションなので除外できるが、それに比べてRINXは化粧品の押し売りなど一切なかったので、エステとしては良心的だと思う。
他店での脱毛後は2か月施術を受けられない罠
想定外だったのは、パッチテストとはいえ他店でレーザー照射を受けたあとだと、安全のため2か月は施術できないということだった。これから最大4年間通い続けると思えば2か月くらいは誤差の範囲だが、脱毛熱が高まっていてすぐにでも契約したい気分だったので、腰を折られた気分だ。
また2か月の検討期間を与えられたわけだが、その間にユダヤ教やイスラム教に改宗したり、ヒゲフェチの彼女ができたりするかもしれない。この点、不要な化粧品を見積もりに載せてくるものの、契約は急がせないなど、湘南美容外科の営業スタイルには謎が多かった。
今のところ湘南美容外科に決めようと思っているが、2か月もあるとまた気が変わるかもしれない。さらに完全脱毛するまで1年以上かかると思うが、人生一度きりの貴重な体験になると思うので、気長にレポートしていこうと思う。