楽天カード積立報告~インデックス信者があえてアクティブ投信を買う訳

楽天カードの投資信託積立で、1%のポイント還元がつくようになった。毎月の上限は5万円としょぼい内容だが、まあないよりはまし。さっそく注文設定してみた投信商品を紹介しよう。

楽天バンガードにデビュー

初回の積立設定は、以下の5つに毎月1万円ずつ分散投資することにした。

  1. 楽天・全世界インデックス・ファンド
  2. 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  3. 楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド
  4. eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
  5. ひふみプラス

上の3つは、昨年から投信業界で話題になっていた楽天のバンガードファンドからチョイス。前から言われていた「三重課税」のデメリットに加え、最近は「隠れコストが大きい」と暴露されて、メッキがはがれた印象がある。

しかし、間接的にでも海外ETFの王者バンガードVTやVTIを保有するのは、インデックス信者の夢ともいえる。楽天の投信経由で多少割高になっても、「多数派に組みしてみたい」という心理を満足させてくれる。

バンガードの新興国VWOは他に比べてメリットが薄いし、それ以外のバランスファンドも興味がない。ラインナップの中から、他社商品にない独自性があるVT・VTI・VYMの3つを選んで1万円ずつ分配した。

eMAXISのスリムでない方を注文しかけた

4番目は楽天VTの好敵手といわれるeMAXIS Slim全世界株式を選んだ。最近、投信積み立てを再開した際にも候補として検討したeMAXISの全世界。保有銘柄は楽天VTの半分にも満たないが、信託報酬や手数料はずっと安そうだ。

これも新設ファンドなので最初の運用報告を見てみないと何ともいえないが、ファンド・オブ・ETFの楽天バンガードよりは割安になりそうな予感がある。

楽天証券で注文しようとしたら、資産額が75億もあったので何かおかしい気がした。詳細を見ると信託財産留保額が0.05%設定されていて、運用管理費用も妙に大きい。よく見ると、同じeMAXISの中でもスリムでないファットな旧商品を参照していたようだ。

三菱UFJは、手数料の違う同内容の商品を、まぎらわしい名前で複数販売するのをやめてほしい。詳細を確認せずに、間違ってうっかり注文してしまう情報弱者をカモにしているのが見え見えだ。

昔からの顧客が割安商品に乗り換えるのをためらう、心理的なコストがあるのはわかる。百歩譲って旧商品をそのままの手数料で維持するのもありだと思うが、せめて名前を「高配当」ならぬ「高コスト」ファンドとでも改名してもらいたい。

あえて「ひふみ」を加えた理由

5つ目の商品に、なぜかアクティブファンドが混ざっている。ハイパフォーマンスと話題の「ひふみプラス」を、興味本位で1万円積み立ててみることにした。

基本的にインデックス信者なので、手数料が1%もするようなアクティブファンドには手を出さない。しかし、分散投資の基本思想にあくまで忠実たらんとすれば、アクティブファンドもポートフォリオに加えた方がリスク分散できるのではないかと思う。

実は2年前にスルガ銀行から楽天証券にDC口座を移した際、新たにセゾンのアクティブファンドを積み立てリストに加えていた。国内外の株式ファンドと合わせて「セゾン資産形成の達人ファンド」と「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の2種類。

確定拠出年金は毎月23,000円と掛金も少ないので、資産運用としては趣味みたいなものだ。本筋は別枠でがっつり運用するとして、当たればリターンの大きそうなアクティブファンドや新興国をiDeCoやNISAに持ってくるのは、合理的な考え方といえる。

運用管理費用が高いので、教科書に書いてあるとおり長期的にはパッシブファンドに敗北するだろうと踏んでいた。しかしここ2年の運用では、驚くべきことに他の低コストファンドを差し置いて「資産形成の達人」が評価損益トップを占めていた。

iDeCoの収益No.1は何とセゾンの達人

ここ一か月の世界的株安といえる状況でも、かろうじて達人ファンドが1位の座を死守している。アクティブが強いのは上昇相場だけかと思っていたが、下落局面でもそこそこ持ちこたえるようだ。むしろインデックスファンドに近い内容の、セゾン・バンガードの方が新興国に次いで下落してしまっている。

定説によれば、このまま10年、20年と観察を続ければ、コストの分、インデックスファンドのリターンが上回ると予測される。しかし株式市場だけでなく投資信託の成績もランダムウォークだと仮定すれば、少なくとも自分が生きている間、セゾンのパフォーマンスがインデックスを凌駕しないとも限らない。

真のインデックス信者としては、セゾンやひふみのアクティブファンドも保有してこそ分散投資の利点を測れると考えている。さすがに最近ひふみもTOPIXをアンダーパフォームしているようだが、長期投資家としては絶好の仕込み時だ。せいぜい毎月1万円なので運用効果は低いが、今後の成績を興味深く観察してみたい。