Amazonプライムでいつの間にかビデオ見放題になっていた。音楽も聴き放題

お急ぎ便の配送料が無料になるということで、2010年に契約したアマゾンプライム。当時はアマゾンのヘビーユーザで、余裕で元が取れると思って6年間、自動継続の有料会員を続けてきた。

最近節約志向で、アマゾン・楽天のネット通販に限らず、買物すること自体が少なくなってきたので、年会費のかかるプライムサービスは解約しようと思ってアカウントサービスの設定画面を開いてみた。すると、プライムの会員特典として、映画や音楽が無制限に視聴できて、Kindle本を毎月1冊無料で読めるサービスが追加されていることに気づいた。調べたところ、プライム・ビデオとPrime Musicのサービスは2015年秋に開始されたらしい。

プライム・ビデオの微妙なラインナップ

映画を検索してみると、なんと最近ゲオでDVDを借りて観た『武士の家計簿』も『武士の献立』も、プライム・ビデオで無料で鑑賞できたではないか!

最近のアクション映画では007スカイフォールとか、ミッションインポッシブルのローグ・ネイションなどもある。ただし検索してみると、スターウォーズとかハリーポッターとかメジャーなシリーズものはない。

以前ドコモユーザだったときに、月額500円(税別)でdビデオを契約していたときのラインナップに似ている。最新作や、思いつきで「観たい」と思った映画はたいていなく、B級な邦画や、なぜか任侠ものやスパイ映画が全シリーズ揃っているという偏った編成だった。おかげで、ノロウイルスにやられて数日間寝込んでいた時期に、『仁義なき戦い』の深作欣二監督シリーズは、オリジナルから『組長最後の日』まですべて観ることができた。

dビデオは去年dTVに名前が変わり、HuluやNetflixなど定額制の動画配信サービスが増えてきた。しかし最近は平日も休日も仕事や趣味で忙しく、そんなに映画を観ていられる暇がなくなったので、あまり食指が動かなかった。昔、ツタヤのDVD宅配レンタルサービスDISCASを使っていて、毎月のノルマを達成できず全然元が取れなかった苦い経験がある。

もし今、高校生だったら、動画の見放題サービスはウハウハだろう。あの頃はレンタルビデオでひたすら映画を観ていて、小遣いが尽きれば図書館の無料ビデオコーナーに入り浸り、毎日3本とか映画を観ても平気だったのに。

海外テレビドラマとか、独自企画の作品はあまり興味がないので、メジャーな洋画/邦画のコンテンツ数が各社サービスでそれほど差がないとすると、Amazonプライム・ビデオのコストパフォーマンスは際立っている。年会費3,900円で月額換算325円(税別)。Huluの税別993円とかに比べると、およそ1/3の料金で済む。しかもその他のアマゾン送料無料や音楽聴き放題サービスも込みだ。

ためしにAmazonプライム・ビデオのおすすめ日本映画に挙がっていた『さよなら渓谷』を観てみた。

プライム・ビデオのラインナップは微妙だが、気に入った映画があれば、いつでも好きな時に好きなシーンを再生できるのが便利だ。mp3で音楽を聴くように、お気に入りの映画のワンシーンをミックスしたり、プレイリストをつくったりできるようになるかもしれない。

Prime MusicはGoogleやAppleと比べるとしょぼい品揃え

音楽配信サービスのPrime Music(なぜかこちらは正式名称が英語)は、100万曲以上のラインナップでプレイリストも充実とのこと。だが定額制の音楽配信も、Apple MusicやGoogle Play Musicなど大手のサービスがひしめいている。

日常的に聴いているマイナーな音楽ジャンルは検索してもかからなそうだし、昔買った安いmp3プレーヤーとかに移してオフラインで移動中も聴きたいので、去年Apple Musicが出て話題になっても特に興味を持たなかった。

しかし、試しにChromeブラウザからGoogle Play Musicを検索してみたら、結構…いや、かなりマニアックなアーティストも揃っているとわかった。3500万曲というのは伊達じゃない。最近、御茶ノ水のジャニスで掘り進めていたBang on a Canの関連人物、David LangとかMichael Gordonとか…ジャニス以上に充実しているではないか。Julia Wolfeのソロ作品があるなんて知らなかった。検索にかかったカタカナ書きの名前の方は、なんかポップに歌っているので別人物か?

Google Play Music、月額税込980円というのは高いが、使い倒せれば利用価値は高そうだ。Apple Musicは試していないが、980円で3,000万曲なので同程度のサービスを提供しているのだろう。

さてAmazonのPrimie Musicの方は100万曲なので、上記2大サービスの1/30以下。例えばDoctor Nerveで検索してみたら、Googleは共同作品のEREIAも含め全アルバム出るが、アマゾンだと2作品くらいしか出ない。

とりあえず手元に持っていないEvery Screaming Earのライブアルバムを聴きながらこの記事を書いている。16曲目のSpy Boyとか、オリジナルの1.5倍速くらいの前のめりな演奏でなかなかよい。

いずれ定額音楽配信サービスの低価格化が進んで、ラインナップも完璧になったら、音楽はストリーミングで聴くのが普通になるかもしれない。さらばカセットテープにミニディスク、そしてmp3も死語になるか。子供の頃から一体いくらレンタルCD屋に注ぎ込んでリッピングしてきたことだろう。

Kindleオーナーライブラリーは専用端末がないと不可

1ヶ月に1冊、好きな本が読めるというのはおもしろいと思ったが、手持ちのAndroidスマホのKindleアプリではどうやってもメニューが出てこない。調べたところ、どうやらAmazon謹製のKindleかFireタブレットを持っていないと利用できないようだ。

プライムの別のサービスで、「KindleかFireが4,000円オフ」という特典あるので、とりあえずそれで端末を買えということか。別でKoboは持っているので、電子書籍リーダーはもういらない。

今買うなら、2016年9月21日発売のFire HD 8だろうか。Androidでなくアマゾン独自のFire OSというのが気になるが、ごにょごにょやればGoogle Playに接続して、dマガジンで雑誌とかも読めそうだ。iPad miniと同じくらいのサイズで、microSDカードも差せるのでかなりよさそうに思う。税込定価12,980円の16GBモデルでプライムのクーポンを使えば4,000円引き、8,980円で最新Fireタブレットを購入できる。

画面サイズやスペックにこだわらなければ、既存モデルのFireタブレット8GB版がクーポン適用後4,980円になって最安だ。

Fire HD 8にプライム・ビデオをダウンロードして、新幹線での移動中とかにオフラインで観られれば最強だろう。食事や行列待ちのときとかに、スマホの画面でKindle本をよく読むが、さすがに画面が小さくて疲れを感じることがある。テキストだけならKindleアプリでもよいが、dマガジンで雑誌を読むなら、せめてズーム不要なiPad miniくらいの画面サイズは欲しいところだ。

Amazonプライムと併用すべきアマゾンゴールドカード

アマゾンのゴールドカード会員になれば、Amazonプライムの年会費が無料になるらしい。無料のクラシック版ではだめで、年会費10,800円のMaster Card ゴールドが必要になる。Amazonでの買い物で2%ポイントバックなので、ヘビーユーザなら検討してもよいカードかと思う。

さすがに年会費1万円は高いかと思ったが、「マイ・ペイすリボ」に登録して、Web明細に変更すれば、年会費6,000円引きになるようだ。リボ払いの方は、利用限度額と同額に設定すれば一括払いなので利子はつかない。

これで今まで払っていたプライム年会費3,900円が無料になるなら、実質負担108円でゴールドカードを持てることになる。国内限定だが空港ラウンジも利用できて、なかなかよいカードかもしれない。

ゲオの格安DVDレンタルや楽天プレミアムとの比較

Amazonプライムに追加されたサービスの中では、やはりプライム・ビデオが魅力的だが、これまで通り、近所のゲオで旧作108円で借りて、さらにゲオの株主優待で半額にすれば、毎週1本映画を借りても月額216円。それに比べるとHuluはともかく、プライム・ビデオもまだ高いかもしれない。年間契約というのも気になる。

ただし、ビデオ・音楽の無料配信サービスが利用できるので、年間税込み3,900円と同料金の楽天プレミアムを契約するよりは、アマゾンを選んだ方がよさそうだ。

最近、楽天モバイルだけでなく、楽天証券に口座開設して、ついでに楽天銀行も申請、楽天クレジットカードまでつくってしまった。決してSPUのキャンペーンに釣られたわけではないが、ネット証券としては取引手数料が安く取扱商品も充実していて、銀行口座の普通預金利率もイオン銀行並みに悪くないと思う。

どうせ囲い込まれるなら、アマゾンか楽天に絞った方がポイント還元的にも有利なのだが、コンテンツに強い(そしてウェブサイトのデザインがましな)アマゾンか、後発でも地味にうまみがある楽天を選ぶか、悩ましいところだ。