ミニマリストが選んだ究極の財布、ポーター&B印ヨシダの超小型

ミニマリストのこだわりアイテムである財布。長らくグレンロイヤルのデルフォニックス別注L字型ウォレットで間に合っていたが、久々に買い替えることにした。新調したカードサイズダイアリーに似合う財布を探して選んだのは、ポーターの別注ミニウォレットである。

ジッパー財布に手帳収納は不便

財布だけなら替える必要はなかったのだが、システム手帳をカードサイズのカレンダーに交換したのがきっかけになった。L字型財布にダイアリーを収められないことはない。しかし、予定の確認やメモ用に「ジッパーを開けて中身を取り出す」という動作を頻繁に行うのは面倒である。

「財布と手帳の融合」というテーマを掲げて、L字型財布に縮小印刷したカレンダーを入れて予定確認するとか、付箋を入れてメモを取る実験をしたことがある。ペンはオートのミニモシリーズが出る前だったので、伊東屋オリジナルの手帳用シャーペンを使っていた。

10cm程度の長さのペンだと、グレンロイヤルの財布からちょこっと頭が出る。ジッパー端部に頭部の出っ張りが引っかかって、何とかずり落ちずに済むという感じだ。

しかし、メモセットを取り出す前にジッパーを開ける動作が加わると、スタンバイまでに3秒はかかる。収納する際も同じくらい時間を要する。見た目はよかったが、実用上は厳しいという結論になり、結局財布と手帳は分けて使っていた。

カードサイズダイアリーを素早く取り出すには、カード入れのポケットが外に露出している必要がある。ベルロイのカードスリーブウォレットなど、財布というよりカードケースを視野に入れれば無数の選択肢がある。

しかし最低限の硬貨は持ち歩きたいので、ジッパーかボタンで開閉できるポケットが欲しい。そんな中で、すべてを兼ね備えた財布として見つけたのがポーターの製品だった。

ポーター別注の3/Cシリーズ

ZOZOTOWNのリンクをたどって見つけた小型財布が「PORTER×B印YOSHIDA×BAMBOOSHOOTSの別注”3/C”ミニウォレット」だ。

トリプルネームのコラボ商品だが、そもそもポーターとヨシダの違いがわからない。バングーシュートというブランドは謎だが、中目黒の老舗アウトドアセレクトショップとらしく、サイトを見たらなかなかレアなアイテムを扱っているようだ。

実は先日、株主優待のランチ目当てに新宿のBEAMSビルを訪れた際、同シリーズのリュックサックを下見していた。紙のようにパリパリの薄いナイロン生地で超軽量。しかし本格アウトドア用なので耐久性もありそうだ。レアな白色もラインナップされているので、夜道の自転車通勤で視認性を高めるにはよさそうだ。

4万円以上するのでさすがに欲しいとは思わなかったが、リーズナブルな価格で同素材のミニウォレットを試すことができた。色は黒・白・青とあったが、中古品の様子を見ると、財布に関しては白色は汚れが目立ちそうである。

最軽量ミニマム仕様の小型財布

City、Camp、Climbの3Cというネーミングで、確かに山でも本格的に使えそうな機能性が伝わってくる。生地はボードセイリング用という超軽量頑丈素材で、単なるリップストップナイロンとも違うようだ。付属の金属製リングは邪魔なので外してしまった。

コインケースは贅沢にも止水ジッパーだが、他社製品のように滑りが悪くないのはさすが吉田カバンのクオリティー。1万円札を4つ折りしても余裕で入る、絶妙なサイズ感だ。

こちら側に貼られているおなじみのポータータグは、シルバーの再帰性反射材というこだわりよう。しかも飾りでなく強烈にライトを反射するので、ひと気のない夜道ではバックパックにぶら下げて安全性を高めるような使い方もできる(落とさないように注意)。

カードスリーブは2つあり、抜け落ちないようにテープとボタンで留めるようになっている。このボタンの部分に厚みがあり意外とかさばるが、おかげでカードは5枚くらい、さらにクーポン券や優待券をいくらか突っ込んでも保持できるという柔軟性がある。

中央のポケット部分はマジックテープで開閉するようになっており、内部にブランドのタグが隠されている。ここは本来カード用の拡張収納スペースだと思うのだが、レシートやチケットの類を折り畳んでがさっと入れるのにちょうどよい。

カードサイズダイアリーを挟むとマジックテープは閉まらないのだが、素早く取り出してメモを取れるのが便利だ。

カードケースに小銭入れを付けたような相当小さい財布だが、半年ほど使い続けて特に不便は感じていない。雨に濡れても問題ないので、革製品よりがさつに扱える気楽さがある。ダイアリーとの相性は期待通りばっちりだった。

革以外の素材の小型財布をいろいろ検討したが、結局3/Cのミニウォレットがベストだった。選外になった製品も少し紹介してみたい。

ポーターGSラインのトリコットL字財布

ZOZOTOWNを何気なく検索していて先に見付けたのは、B印ヨシダのGLOBAL STANDARD(GS)ラインから出ていたカジュアルなL字型財布。

撥水性のあるトリコットナイロンでできていて、機能性は高そうだ。似たようなアウトドアブランドのナイロン財布はたくさんあるが、ポーターブランドでしかもタグを隠せるポケット付きというディティールがにくい。

定番のオールブラックはあるが、ジッパーが白いネイビー色などもおしゃれである。さらに強度がありそうな白黒のターポリン素材モデルも存在する。

革よりもかなり伸びそうな素材なので、収納性は抜群だろう。値段も5千円台なので、山に登るとか外で遊ぶ時に自慢できそうな、大人のアクセサリーという感じがする。

ラゲッジレーベルのジェットブラック財布

同じく吉田カバンのラゲッジレーベルから出ているシリーズ。後述のモンベル・ジップワレットと同じつくりだが、ジッパーのファスナーから縫い糸にいたるまで、漆黒の艶消しブラックという外観が精悍な印象だ。

 

他人とかぶりまくるポーターブランドのタグがなく、さらにラゲッジレーベルの目立つ赤/青バッテンでもなく、黒い刺しゅうで抽象的に表現されているロゴが渋い。同ブランドの代表的なPVC加工のラインは重くてひび割れも気になるので、かえってシンプルなナイロン製の方が使い回しやすいと思う。

70周年記念のJET-BLACKシリーズはすぐに在庫がなくなりそうだ。ミニサイズなら価格も5千円以下なので、1個押さえておいてもよさそうに思う。経験上、ポーター製品は古着屋での買取価格が安定しているうえ、G-SHOCKのようにプレミアムがついて高値で取引される可能性もある。

モンベルの安い小銭入れ

財布の小ささだけを追求する場合、コインケースですべてを済ませるという可能性を思いつく。ポーター製品を買う前に、どこまで小さい財布でやりくりできるか、モンベルの廉価品で試してみたことがある。

ふるさと納税でもらったモンベルポイントを使って無料で入手できたのが、小型のジップワレット。

もう一回り小さいコインワレットという究極の存在があるが、免許証やカード類を2~3枚持ち歩く必要があったので、今回はパスした。

実物は意外と張りがあって固い素材で、内側にはポケットが4つある。マチのない方にカードやお札を入れて、大きく開くポケットに小銭を分けて入れると使いやすい感じだ。

しばらく使ってさほど違和感は覚えなかったが、面積は小さくても意外と厚みがあり、ポケットに収まりにくい。さらに、グレンロイヤルと同じジッパー式なので、カレンダーやメモ帳を入れるという用途には不十分だった。

今は自宅の簡易貯金箱として活躍している。帰宅する度に100円、10円、1円の硬貨を1枚ずつメインの財布に残して、あとは貯金箱に退避する習慣が身についた。

ポスタルコの紙製カードケース

開閉方式がジッパーではなくボタンだったらどうだろうということで、もう一つ検討したのがポスタルコのDOUBLE CASE。

同ブランドが得意のプレスコットンでなく、新たに開発されたファーマーズ・フェルトという素材にそそられる。普段からタイベックのバッグを使っているので、加工強化された紙の強さというのは実感済みである。

マチ付きの大きなポケットが2つあるので、小銭とカード類、ダイアリーを入れてちょうどよさそうなサイズ感に見えた。写真で見る限り、革やナイロンより劣化するのが早そうだが、いかにも「触ってみたい」と思わせる和紙のようなテクスチャー感が魅力的だ。まるでナオロン製のsiwaシリーズのように、ポケットに入れて撫でまわしたい雰囲気がある。

 

紙製とはいえ1万円近い高級品なので、新しく渋谷にできたショップで下見させてもらった。素材感は期待通りだが、手に持った大きさは通常の名刺入れやカードケースより一回り大きい。こだわりのオリジナル真鍮製留め具は存在感ばっちりなのだが、閉めるときに「バチン!」と大きな音がするのが気になった。強度は十分だが、図書館など静かな場所で開け閉めするのに気をつかいそうだ。

店頭では買わなかったが、いまだに気になる商品ではある。廃番になる前にそのうち手に入れるかもしれない。