都市部で手に入るポケモンはあらかた揃えてしまったので、新種を求めて旅に出ようと思った。日帰りで行ける秘境的なところ…ということで思いついたのが富士山。登山道~山頂まで、くまなく携帯の電波が飛んでいてプレイは可能。国内最高標高ともなれば、見たこともない新種が手に入るかもしれない。
結果的に捕獲できた希少種はスリープとサイホーン、ほかは平地でもよくいるたぐいのポケモンばかりだったが、富士山からの絶景をバックにARモードで素敵な写真を撮影できた。
※富士登山オフィシャルサイトに「ポケモンを探しに富士山に向かう皆様へ」というお知らせが出ていた。「歩きスマホは危険。登山道から外に出ない。装備も万端で」。結論として、富士山である程度のレアキャラは出たが、伝説級のポケモンが現れるなんてことはなかったので、ウワサやデマに惑わされないよう、ご注意を…。
富士宮五合目はポケストップもジムも充実
富士宮口までバスで上って、下りたところさっそくスマホをチェック。通信回線、GPS感度は問題なし。ところどころ雲がかかっているが、快晴の天気で気持ちよく登山できそうだ。さすが夏休み、快晴の日曜とあって、人気の富士宮ルートは登山客でいっぱいだった。中には同じく、スマホをこすってポケモンGOに興じている人もいた。
五号口の看板がポケストップ登録されていて、オールコック登山記念碑はポケモンジムになっていた。レベル23のウインディ…なかなかハイレベルだ。
こいつも新種のポケモンか!?
さすがに登坂中はスマホ画面を見る余裕がなく、岩場が多くて足元も悪いので、バッテリー温存のためアプリ終了・機内モードでガシガシ登った。
一応予備バッテリーは持参したが、ポケモンやりすぎでスマホが電池切れになってしまったら、Googleマップを見たり電話をかけたり、万が一のコミュニケーションが取れなくなって困る。いまやGPS搭載のスマホは登山の最重要アイテムだ。
六合目でキャタピーとポッポ捕獲
六合目の雲階荘に着いたところで休憩がてらポケモンチェック。登山道の山小屋・山荘は軒並みポケストップ化しているようだ。
手近なポケモンを探索すると、キャタピーやコッコが出現。都市部に普通にいる種族なので、ありがたみはないが、一応捕獲しておく。全国いたるところに出没し、高地にも順応している、たくましいポッポ…。
どこにでも出るので、XP稼ぎの連続進化ネタとして「ポッポマラソン」がメジャーなのもうなずける。進化に必要なアメが12個と最低で、当たり判定も大きく捕まえやすい小鳥さん。
七合目はニドラン(メス)
標高3,000メートルを超えた七合目の山口山荘でニドラン捕獲。駿河湾は雲がかかっていたが、箱根方面は伊豆半島の先端まで見渡せる絶景。ARモードでうまく位置を合わせて、攻撃態勢に入るニドランの激写に成功。
八合目で新種スリープ2体出現
八合目は雲の中で視界も不明瞭。山荘のポケストップを回すと、なにやら周囲に見慣れぬ黄色いポケモンが2体…。
いやらしい目つきをしたバク?新種のスリープと遭遇した。そろそろ酸素も薄くなってきて、手がしびれる気がするが、慎重にモンスターボールを投げて捕獲成功。
見た目的にあまりうれしくないポケモンだが、とりあえず新種を入手できて富士山に来た甲斐があった。霧の中だと出現しやすいとか…まさか。
九合目でレアキャラ、サイホーンと邂逅
標高3,400mの九合目はジムもあり盛り上がっている。ところどころ狭い岩場は人が多過ぎて渋滞になっていたが、さすがに九合目まで来ると、みな疲労で口数が少ない。力を振り絞ってスマホ画面をチェックすると、また新種が目に入った。
CP322のサイホーン。ややCPが高いので、ここは慎重に「ズリの実」と「スーパーボール」を駆使して手堅く攻める。一度脱出されてヒヤッとしたが、2回目の投擲で無事捕獲することができた。
サイホーンはいかにも富士山の荒野で生きのびていそうな屈強な面構え。後で調べたらかなりのレアリティらしく、なかなかうれしい。
富士山頂に到達。出現するポケモンは案外平凡
九号五勺から最後の急勾配を超えて、ようやく山頂に到着。浅間神社のまわりは、見たことがないほど人がいて賑わっていた。さすがにこの絶景を前にしてスマホをいじっている人も少ないが、指先の動きを見ると、やはりポケモンをやっているように見える。
八合目、九号目と次々新種を捕獲できたので、頂上ではどんなレアキャラに出会えるかとワクワクしてアプリを立ち上げたが、意外と普通のポケモンしかいなかった。休憩中に浅間大社奥宮のジムに刺客を差し向けてみたが、1体撃破できたのものの、2回戦であっさり敗退した。
火口付近でなぜかカニのクラブが出現。魚やドラゴン系は水辺によく出るとか、特定のポケモンが出やすい地形・環境については諸説あるが、レアキャラ以外のザコはどこにでも出現するように思われる。
せっかくなので、ARモードで山頂をバックに記念撮影。ARにしたときに、希望の位置にキャラが出ないときは、いったんARを解除して、出したい位置に向けてから再びARモードにするとよいようだ。この方法で水平方向に関しては、ある程度任意の位置にポケモンを配置できる。
火口に棲息するサワガニ。
イーブイもなかなか荒れた山肌に似合う。なんとなくJDL IBEXの会計ソフトの広告を連想してしまう。
ナゾノクサは、まるで山裾に生える高山植物のように景色になじんでいる。キャラの見立てによってはいろいろ楽しめるARモード。実写と合成して、おもしろ写真をつくるポケモンアートが流行りそうだ。
趣向を変えて、雲海を背景にポケモンを撮影したいと思ったら、運よくタッツーが登場。ドラゴンほどでないが、空に浮かぶタッツーもなかなか絵になる。
他にも変わり種が出現しないかと、火口の周りをうろうろしていたが、スリープ、サイホーン以外の新キャラはもう出なかった。帰りのバスの時間があるので、須走口から五合目を目指して下山。
須走口~あざみラインにもポケストップ&ジムあり
須走口の五合目はジムが2か所もあり激戦区。吉田口や富士宮口に比べて人気がないから、バスの本数も少ない。待ち時間にジムバトルで暇をつぶすのもよいだろう。
つづら折りのあざみライン。バスは低速走行なので、道すがらたまにあるポケストップを回しながら下る。たまにジムもあるが、ここまでわざわざポケモンを配置しに来る人はよほどの物好きだ。歩いて五合目まで登る人も少ないだろうから、自転車乗りのトレーナーだろうか。
富士登山の労力に見合うレアキャラが入手できたかというと微妙だが、GPSとスマホの電波さえ来ていれば、どこでもポケモンを楽しめるとわかった。この夏、海や山に遊びに行く時は、ぜひスマホとモバイルバッテリーを持って行こう。回線さえつながれば、沖縄や石垣島から離島に向かうフェリーの中でも遊べるだろう。